
スロットルフランジ(取り付け台座)を、低温ロウ付けでくっつけます。
対象はサージタンク。割と大きめの鋳物です。
トラスト系のサージタンクには、非純正のフランジが付いていますね。
あれはビッグスロットルの装着が前提の商品なので、純正スロットルは使えません。
変換アダプタを使うと純正スロットルも使えるようですが、変換アダプタの厚み分だけスロットルが車体前方へ…たぶん20ミリぐらいズレます。
そうすると、純正スロットルワイヤーが届かなくなるようです。
あとはTCS搭載車へTCS非搭載のスロットルを移植したいときなんかにも使える…?
排気量の小さい車に、大きなスロットルを移植することもできるかもしれません。
別にスロットルに限らず、フランジの移設は有用でしょう。
ブローオフバルブなど、好きなものを好きな場所に取り付け可能になります。
さて、作業といきましょう。
これからくっつける部分のアルミを、ディスクサンダーでゴリゴリ削ります。
削れれば、方法は何でもいいです。
表面を削り取り、新鮮なアルミを出すため…と思っておいてください。
そこを熱します。
たまごより体積のあるものは、バーナー1本じゃ無理です。
バーナー(ガストーチ)を選ぶときは、熱量(カロリー表示)の高いものを選ぶと良いです。
400度ぐらいまで熱したところで、ロウ棒を当てていきます。
ゴリゴリと擦りつけます。
ゴリゴリしてアルミに染みるように溶け込めば、温度はクリアです。
ロウ棒は溶けるけども弾いてしまう…という時は温度不足です。
大抵はガストーチの出力不足です。
ガストーチの火力の旬は短いので、スロットルフランジを取り付けるには新品の缶1本ぐらい用意しておきましょう。

ロウ棒に直接火を当てても、ロウ棒だけが溶けるだけです。
溶けたロウが乗っかったとしても、それじゃくっついてません。
ロウ付けが成功している時、くっついたロウはハンマーで殴りまくっても取れません。
そうでなければ失敗です。
テクニックとしてロウ棒を溶かす方法もあります。
ロウをポタッとアルミ対象の上に乗せておいて、アルミを炙る。
すると適温の時点で良い感じに溶け込みます。炙る作業に集中できます。
ロウが良い感じに乗ったら、次は反対側の物にもロウを乗せます。

フランジの接着側。
こちらもゴリゴリと削っておきます。

ステンレスのワイヤーブラシでゴシゴシして、アルミの地を出します。

バイスプライヤーで持ちます。
手で持つなんてムリです。アツアツです。
私は革手袋着用もしています。
木材の上にでも置きたいところですが、ロウ付けレベルの炙りをやると燃えます。
結構濡れている木材でさえ、乾いて炭になり、ついには発火します。

今回は、これまで出たアルミハンダのクズ…短くなりすぎて持てなくなった棒とか、ポタッとこぼれたハンダなんかを集めておいたやつ…それをフランジの上に乗っけてから炙っています。
エコです。
計算すれば1本500円ぐらいの棒なので、節約は大切です。

写真だと全部銀色なので分かりにくいですけど…
厚めにハンダが乗っています。
染み込み良好な状態でさらにハンダを追加していき、厚みを出しています。
これなら面合わせが甘くても隙間なくくっつきます。
そしてお待ちかねの、貼り合わせ。

ハンダを盛った面同士を重ねます。
あとは自重でくっつこうとします。

重石を乗せて、炙ります。
合わせ目のハンダを溶かす作業。

できました。完璧です。

理想的な溶け込みです。
きっと十分な温度が出せたのだと思います。
しかも…

重たいバイスプライヤーで思い切り殴っても、ハンダにはヒビひとつ入りません。
むしろ打ち所のアルミが少しずつ凹んでいるような…
うっかりにでも壊れることは有り得ません。
ヒビひとつ入らないならば疲労も蓄積しないので、何度も段差を踏んだりしても壊れませんね。
とりあえず、今回は大成功です。
慣れてきた感もありますね。
あとの部分には、エポキシ系の超強力接着剤のオートウェルドを充填すれば、もう無敵でしょう。
なんと…

買ってます。
しかも通常版の5倍サイズのものです。
値段は2倍程度なので、お値打ちですが…
思ってたよりでかい…比較用のコンタクトケースとの比較で伝わりますかね?
下手な歯磨き粉ぐらいはありそうなチューブの2本分。
心置きなく使えそうです。
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2017/07/05 20:36:31