
サージタンク計画のリベンジ編では、低温ロウ付けを使っています。
今回そのコストについて考えてみます。
溶接を外注するか、自分でアルミをくっつけるか、考えるヒントになるかもしれません。
比較対象として私の身の回りの人に、アルミ溶接の価格を聞いてみました。
インタークーラーの配管(60Φ程度のパイプの一周溶接)であれば、一箇所2000円程度。知り合いプライス。
アルミ溶接に必要な溶接機・200V電源設備などの減価償却、アルゴンガスや溶接棒などの材料費などがネックになり、アルミ溶接は原価の高い溶接になります。
なので自前でアルミ溶接をしても、そんなに割安にはなりません。
自家アルミ溶接を頻繁にやる人なんて余程クリエイティブな人に限られますし、いずれにせよアルミ溶接は外注が基本です。
だから、そもそもDIYでのアルミ接合の選択肢があること自体、価値があるとは思いますが。
そういう背景をもとに、今回の低温ロウを評価してみます。
使ったのはストレート通販のロウ付け棒。割安なのはコレだと思います。
フラックス(下処理剤)が不要な、最近流行りのタイプです。フラックスも安くはないので、これもポイント。
ロウ付け棒は19本ほど入っています。
一本の大きさは、長さ450mm。
太さ…はマチマチで、しかも結構な楕円形なのですが、平均2ミリ径くらいの棒。
60Φ程度の一周接合(貼り合わせ)を無駄なくこなしたとして、棒の半分ぐらいは使うかな。
上手くない人だと1本使うかな…。
棒の値段は3800円/19本で、1本200円と考えます。
そうすると、棒代は一箇所100〜200円。
それから、ロウ付けの熱源が必要です。
一般的にはホームセンターのガストーチを使います。
ガストーチと言ってもいろいろありますが、基本的ガストーチの性能は熱量で考えます。これがプラスの熱量。
大きいアルミを加熱する時ほど、熱を逃がす力が大きくなります。
これがマイナスの熱量。

安価で扱いやすいタイプのトーチは、2kW程度。
トーチはガス缶付きのセットで1600円ほど。
写真左のガス缶を使います。1本230円。
このタイプは一応、カセットコンロなどと同じタイプのガスが使えます。
その場合、熱量は劣ると思いますが。1本90円。
強力な火力を発揮できる時間は40分程度。
高出力なタイプのトーチは、最高4kW程度。
トーチはガス缶付きで、2000円ほど。熱量あたりの価格は安いです。
ただ、専用のガス缶が必要です。写真右側のガス缶を使いますが、一本あたり420円ほど。
強力な火力を発揮できるのは20分程度。
50gほどの小さいアルミであれば、弱い方のトーチでもロウ付け出来ます。一箇所の貼り合わせだと、時間にして8分ほど使います。
費用にして40円。
200g級になると、強力トーチで8分程度かな。
費用にして170円。
800g越えとかになると、強力トーチが2本必要です。
それで8分だとして、340円。
インタークーラーのパイピング(60Φ)の繋ぎ合わせであれば、小間切れのもので一箇所300円。
大きめの鋳物パイプであれば600円ぐらいでしょうか。

サージタンクにスロットルフランジを取り付けるような無茶をするとなると、全周くっつければ1000円ちょいぐらいでしょうかね。
それでも十分安いですが、かなり技術は必要だと思います。
やってみると結構難しくて、誰でもできる作業とは思いませんでした。
なお低温ロウ、強度は十分にあります。
接合箇所を殴り倒しても耐え、母材(くっつけた対象)のアルミがちぎれるような有様。
溶接が一周2000円〜
ロウ付けだと300円〜
と考えれば、検討の価値ぐらいはあるかも。
アルミ溶接のように綺麗に付けるのはムリです。
接合箇所を自慢しようなんて気にはならないと思います。
器用な方でなければ、くっつけることすら出来ないかも。
上手くいかなくても、母材が溶けることはないと思います。
そんなにシビアな熱加減ではないです。むしろ、悩むとしたら熱不足の方のみ。
そのため、上手くいかなくてもあまりリスクはないと思います。
ロウ付けが格段に進歩してきた今日この頃。
低温ロウ付けでオリジナリティに挑みます?
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2017/07/07 01:12:11