また長話をしましょう。
飽きるまで文を書くとよく眠れるのですね。
今も昔も、メーカーは製品にいろんな新技術を乗せてきます。
出たばかりの新技術を搭載して…あなたの古い製品とはちがうのよーって、あらゆる手法で訴えてきます。
80年代ぐらいだったかな?どんな車だったか忘れましたが、フロントバンパーに鏡文字でTURBOと書かれた車があったような…。
バックミラーに映る姿で道をお譲りなさいということだとかで。
そうでなくても、ツインカム方式をアピールしたり燃料インジェクション方式をアピールしたり…エンジンのバルブ数だったり…
単なるターボに飽き足らず、インタークーラー付きターボをアピールしたり。
90年代にはそんなに濃いアピールは見なくなったかなぁ。印象に残るのは三菱のGDIバッジぐらいかな?
どれも最新技術というよりは、すこーし落ち着いてきた技術。技術自体はあったけど…やっとそれが庶民向けに導入されたってところで、今だと自動運転がそれに近いのかな?
それでですね、エンジンのお話。
以下は、アピールする気がなくても隠せない技術の部分になります。
エンジン。力の源はシリンダー。筒。この置き方次第で、覆せない性格差が出るのですね。
大体直径8センチの花火筒みたいなのをどう並べるか。筒が少なければドカドカちからもち。でもガサツ。筒は多ければ滑らかだけど、なんかちょっと良い子すぎ?
テトリスの救世主のように一列に4つ並べるのが、何かと無難なスタイル。90年代における庶民の味方。直列4気筒。
軽自動車は3気筒が一般的な中で、4気筒あるとちょっと嬉しい気がする…?ほんとは一長一短なんですけどね。
普通車だって同じで、みんなが4気筒なら…6気筒に乗ってみたい気持ちになるとか。でも実は6気筒って、ただ多いだけじゃないのですね。
6気筒レイアウトって実は意味があるレイアウトで、難しくいえば完全バランスエンジン。理論上は無駄な振動がなくて、なめらか。音もとてもいい。何かを満たされそうな条件が揃ってますね。
…ってわけで、庶民リッチ感と6気筒は長らく切っても切れない関係だったのですね。トヨタ日産の、重要な喧嘩のステージの一つでもありました。
スカイラインでスポーティなクーペ&セダンを戦い、ローレルで強めの高級志向を掴み。更に上にセドリック&グロリアが構える。アメリカを荒らしたフェアレディZ。基本的にはそんな体制の日産。
息が長いスカイラインより更に長い、戦後復興シンボルのクラウン。高度成長シンボルのようなソアラ。それをスポーティにしたスープラ。ちょい高級を体現した形のマークII兄弟。そんなトヨタ家族。
基本的に6気筒といえばこの辺。どれも名車たちです。
…で。そろそろ第3章。
クラウンオーナーってのは、少なくともエンジンルームを自分で開けるような層はターゲットにしてなさそうな気はしますね。セドグロも。
ソアラとローレルは…うーん。ある時期においては不良の佳き遊び…ある時期においてはドリフト…ソアラは21世紀まで、ローレルは死ぬまで少し不良な車でしたね。
で、スカイラインとスープラ。走り好きな人は自分でボンネット開ける車。
そう、ボンネット自分で開ける車です。
そして直列6気筒。
直列6気筒ってエンジンは、一般的にはもっとも全長が長いエンジンです。それを縦に置くと、ボンネットすごーく長くなります。
フェアレディZ(Z31まで)とかスープラは誰が見てもロングノーズです。それ以外は乗ってみて分かる長さです。
はい。
長い…?

あー、うん…
実はローレルも、現物は想像の1.3倍ぐらい長い。ソアラは1.5倍ぐらい長い。
想像通り長いZやスープラと違って、驚きを伴って迎えるタイプの長さは印象に残ります。
んで、ソアラのボンネットにはダンパーが付いてます。トランクみたいなダンパーが、ボンネットを優しく持ち上げてくれます。やさしい。オーナー大満足。頑張ってお金貯めてよかったなぁ。
スカイラインGTR。みんなが重い重いって失礼なこと言うから、気にしてるみたい。
スカイラインにダンパーはないものの、ボンネットがアルミで出来てます。おかげでそんなに苦じゃない。
問題は、GTRじゃないスカイライン。鉄製の巨大なボンネット。そこそこの車幅がありながら正方形に近い形のボンネット。
初代ヴォクシーの2列目を潰せばギリギリで積めますが、1人で持ち上げるのが危険なボンネット。
全塗装とかする時、1人で外すのに戦々恐々とするボンネット。
一説によるとデフより、下手すると軽自動車のミッションより持ちたくないボンネット。
ずーーーーーっと、ダンパーあったら良いなぁって思ってました。
しかし慣れって怖いもんで、だんだん軽く持ち上げるコツが掴めてくる…他の車のボンネットがまるで発泡スチロールのように感じるようになる…など、症状は悪化。
前置きが長くなりました。

やっとこの度、廃車になるミラのトランクのダンパーを手に入れました。やったね。
L700ミラのトランクとR33スカイラインのボンネット、たぶん大体同じ重さだと思います。だからきっと使える。使えなければ無理に使う。
整備手帳にこんな長いの書けないから、ながいながい序章。さて、うまくいくのでしょうか。
なお、直列6気筒は…あらゆる事情により廃りました。一抹の寂しさを感じます。