こんな
素人が書いた記事を公の場に出すなんて、もはや常識は崩壊してしまっている。
左足ブレーキングに言及する姿勢は評価できる。
それには良い面も悪い面もあり、議論する価値があるだろう。
しかし、それを論じることができるのは、左足ブレーキングをマスターした人だけに許されること。
未熟な人間が、左足ブレーキングを語ってはならない(誰がプロやねん)。
例えるなら、小学生が日本経済についてダイヤモンドオンラインに投稿するようなものである。
日本経済について語る大人はたくさんいるだろう。それゆえ、ダイヤモンドオンラインで小学生の意見が大々的に取り上げられることはない。
しかし、自動車の運転を語ることができる大人は少ない。また、積極的に語ろうとする人はもっと少ない。したがって、小学生レベルの意見が表舞台に上がってしまう。困った状態である。
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私は、青池 武 という人が書いたものを読んで、面白いと思った。
青池武とはいったい何者なのか?
私が思っていることを同じような視点で書いている。
それを読むと、なんだか変な気持ちになる。
世間には「何(変なこと)を言っているんだ!?」ということが散見されるが、青池氏の記述の中にはほとんどそれがない。
ただし、トーアウトのアラインメント設定だけには賛同できない(なんでもかんでもトーアウトで良いわけではない。車両の特性による設定が個別になされるべきである)。
そして、私が感じ得なかった点にまで言及している(後述)。
経歴を見ると、二輪車や四輪車に関係する人のようである。
昔の雑誌を見てみると、編集スタッフの中に名前があった。
そうか、編集後記などの中に(青)という人がいた。それは覚えている。
これは私が初めて買ったオートメカニック誌である。
1985年12月に家にやってきたファミリア(BF5P)の整備をしてみようと思ったのだ。
これが私の整備の起点というわけではないが、工具をきちんと揃えようと思ったのは、オートメカニック誌を読んだことがきっかけになっている。
オートメカニック誌は気が向いたときにしか買わなかったので、青池氏がいつまで関わっていたのか分からない。
少なくとも1995年8月刊までは居たようだ(2003年には名がない)。
どうでもいいが、8年の間に紙の質が大いに変化している。
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青池氏は左足ブレーキングをするという。
その話は私の経験と類似している。私も大学生のときに一度試して、クラッチのように強く踏んでびっくりしたのであった。
その後は普通に右足ブレーキングを続けてきたが、24歳から実地(ATのリース車両)で左足ブレーキングを練習し、習得した。
私自身が所有するクルマは、20歳の頃から一貫してMTである。サーキット場にも何度も行き、トー&ヒールもダブルクラッチも当然使っていた。ただし、MT車での左足ブレーキングは苦手である。洗車後にローターを乾かすために左足でブレーキを踏みながら少し走行するが、とても気持ちが悪い。
仕事で使うクルマ、親のクルマ、友人のクルマのほぼすべて、試乗車は基本的にATだ。2ペダル車に乗り込んだら、何も考える(意識する)ことなく、シートポジション設定の段で必ず左足がブレーキペダルの上にある。街乗りでも、サーキット試乗でも、ブレーキペダルは左足で操作する。右寄りのペダル配置の場合、右足で踏んでみることもあったが、これがとても気持ち悪い。そして、やはり左足で踏むようになる。
また、駐車ブレーキを左足で踏み込む車両がある。その場合、一瞬だけ右足でブレーキペダルを操作することになる。この短時間の行動に強い違和感(MT車での左足ブレーキングに似た感じ)がある。なんだか分からないが、2ペダルと3ペダルとの違いを目で見たとき、自動的に頭の中の回路(ブレーキを踏む足への伝達経路)が切り替わるようなのだ。
左足ブレーキングを否定する人は、「ブレーキペダルの上にいつも左足を置いている」と思っているらしい。
馬鹿なことを考えるものだ。そんなことをしていたら疲れるじゃないか!
私は、左足ブレーキングをするようになって、右足ブレーキングをしていたときよりも格段に疲れが少ないと認識している(疲れないための左足ブレーキングでもある)。
左足はフットレストがあればそこに置いているが、なかったら床に置いている。
そして、ブレーキを踏みそうな場面になってはじめて、左足の靴底がペダルに軽く触れる状態になる。
駐車場、狭い道、そして、なんだか嫌な予感があるとき・・・
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青池氏は二輪四輪の評価評論が本業なので、経験の幅が広い。
私もいろいろ経験しているつもりであるが、レベルは大きく異なる。
それゆえ、私が感じなかったポイントを氏は指摘できるのだ。
私が2005年頃にスイフトスポーツに試乗したときは、田舎の山道では100km/hぐらいしか出ず、横Gは限界の半分にも達していなかったので、その範囲での運動性能の質感にとても高い評価を付したが、箱根を下るとなると、かなり高いレベルの経験をすることになって、課題が見つかるのだろう。
走り慣れた「いつもの場所」であればなんとなく勘が働くのだろうと思う。しかし、私にはこれはできない。走行経験のある鈴鹿サーキットでテストしてくれと言われたら、受諾してもいいけれど。