
ジムニーはサスペンション周りの構造が簡単であることから、長いスプリングを使って車高を上げて変化を楽しむ人が多い。
作業内容は簡単なので、
大人の玩具遊びと考えてユーザーが自分で実施することもあるが
「面倒なことはお金で解決」という人もいる。
そこに目を付ける業者は多い。
ユーザーは自分で作業しないから、「業者が何をしたか」を知らない。
つまり、業者は客からぼったくることが可能になる。
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ジムニーのノーマル状態でのアラインメント設定はどうなっているのか。
いちおう基準はあるはずなので、それに合致した状態で出荷されているだろう。
ただ、世間の状況をweb上で見てみると、ステアリングホイールのセンターがきちんとセットされていない状態で新車販売されていることが多いようだ(ハンドルが曲がっていても問題にしない)。
実のところ、私が買った2台のジムニーもそうであった。
鈴木の品質管理はひどいが、調整は簡単なので、自分で修正した。
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北海道のショップでは、ノーマル状態でアラインメントを測定している。
その姿勢は良い。
後の展開のために、業者としてはノーマル状態を知っておく必要はあるのだ。
キャスタ角などは車高の変化により動くので、ノーマルの値は参考になるだろう。
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一旦、話はジムニーから逸れる。
マクファーソン式のサスペンションでは、ダンパーを組み替えるだけでアラインメントの設定が変化する。
それにより、こんなことが起こってしまうのだ。
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ダブルウィッシュボーン(マルチリンクを含む)やリジッドのサスペンションなら、車高を変えなければダンパーやスプリングを変更してもアラインメントは変化しない。
そんなことは当たり前なのだけれど、業者がアライメント、アラインメントと喧伝するものだから、クルマ好きの人に刷り込まれてしまっているのかもしれない。
いや、車高の変化が社会で許容される(車検に通る)ようになって、車高を下げることが流行し、キャンバ角やトー角の変化を修正する必要が出てきて、業者によるアライメント調整も流行したのだ。
ジムニーは、リジッドのサスペンション形式なので、ノーマル車高を維持する限り、スプリングやダンパーを交換しても、ノーマル状態からアラインメントが変化することはない。
それなのに、客は、なぜか知らないが、アラインメント調整をしたがるのだ。
そんなリクエストがあれば、業者は作業をして、嬉々としてお金を取る。
上に書いたとおり、これらの作業でアラインメントの変化はない。
では、アラインメントテスターに載せて、いったいどんなことをするのだろう。
できることは、フロントのトー角の調整だけである。
いやいや、トー角は元から変動しないのだ。
だから、元々、トー角がおかしい場合にのみ、修正することになる。
そんな作業のためにアラインメントテスターにセットする必要なんてあるのか。
いや、お金を取るためには、大袈裟なことをすると効果的なのである。
無知な人から丸儲け!
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ジムニーで車高を変えると、ホーシングが左右に動くのが大きな問題だ。
さらに、普通の独立懸架のクルマと比べてジムニーでは変化が起こる場所が異なるので、アラインメント調整のためには適切な知識が必要になる。
適正な結果を得るためには、細かな作業を積み重ねる必要があるのだ。
しかし、これらの事例では、フロントのトー角しか調整していない。
四輪アラインメントテスターに載せているのに、結局、フロントのトー角しか触らないなんて・・・
それで1万円超だ!!!
やったぜ父ちゃん、明日はホームランだ!(関係ない…か)
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車高変化を受けたジムニーのアラインメント調整は、あまりやりたくない。
きちんとやろうと思うと、かなり面倒なので、業者は上のように手抜きをするのだ。
アーム(トレーリングリンク、リーディングリンク)のブッシュを偏心タイプにして、フレームへのブッシュ取り付けの位置を微調整して、ラテラルロッドの調整をしてやれば、キャスタ角やタイヤの位置をきちんとセットできるだろう。
ただ、この作業を1.1~1.4万円ぐらいで請け負う業者など、どこにもない。
まあ、手抜き作業のぼったくり料金であっても、わずかに得るものはある。
それは、測定結果(の図表)である。
この↓リンク先(上に示したものと同じであるが…)のリアの状態(セットバック、車軸オフセット、キャンバ)はとてもひどい。これは新車の組み立て時の問題だ。だから鈴木が一番悪い。
しかし、この業者の対応もひどい。何もせずに終わりにするなんて、信じられない。
ラテラルロッドで・・・と書いてあるが、そんな話ではないだろう!!!
ブッシュがノーマルであったとしてもトレーリングアームとの結合部分を動かせば(ガタつきの範囲で調整)、かなりまともな状態に修正できそうな気がするのだ。
ただ、キャンバ角が異常なのは、どう見たらいいのか分からない。
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サスペンション部品の取り付け部のガタつきを利用して微調整をするというのは、マニアには裏技として実施されている。
また、一部の車種では微調整の部品があり、技術のある店では適切な作業が実施される。
Posted at 2022/11/03 20:12:05 | |
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