2017年04月26日
ミラーサイクルへの疑問が何となく解けた。(ような気がするw)
こんばんは。
結局、期待していた花見も仕事と雨で流れてしまって、家で晩酌して過ごしたすねげ野郎ですw
またまた私のエンジンのしょうもない悩み話?ですが、お付き合いいただける方はお読みください(笑)
今回の話は
今や、国産車や欧州車の一部で採用されている何ら驚くことのないミラーサイクルエンジンについての疑問です。
一昔のミラーサイクルでは、吸気工程バルブタイミングを意図的にずらして、圧縮比より膨張比を大きく取るという仕組みでエンジンの熱効率を上げる仕組みが主流でした。
昨今のミラーサイクルエンジンは、部分負荷時はミラーサイクルで、可変バルブタイミングにより高負荷時にはほぼオットーサイクルに近い状態で運転しているエンジンが多いようです。
つまり、圧縮比13のエンジンの場合、部分負荷時は吸気量を減らして圧縮比〈 膨張比とし、高負荷時には圧縮比=膨張比近くにして、常時ミラーサイクルのエンジンの弱点であった「排気量の割に最大パワーがショボい」という問題を克服しています。
しかし、実質的な圧縮比向上の背景には、直噴、タンブル強化やEGR、
排気脈動コントロールなど、相当苦労を重ね色々な技術品のおかげでギリギリ達成
している「ノック対策」や、やむを得ないリッチ・リタード等をしているであろう「ノック回避」の痕跡が見られます。
これだけ頑張って改善しつつある、高負荷時にはオットーサイクルになる昨今のミラーサイクルエンジンですが、それでもやっぱり常時ミラーサイクルの圧縮比〈 膨張比のエンジンほうが効率はよく、最新のトヨタのハイブリッド専用エンジンでも常時ミラーサイクルの仕様になっています。
ここで思っていたことが2つあります。
①ハイブリッド用のミラーサイクルエンジンを、エンジン単体で軽い車に載せたらどんな車に仕上がるんだろう?(いや、実際に発売は無理だろうけど^_^;)
②オットーサイクルで圧縮比13で回す技術があるなら、常時ミラーサイクルでも実質圧縮比を13くらいで回し、膨張比をもっと大きくするエンジンにすればもっと燃費上がるのでは?
ということです。
①について
例えば現行のプリウスのエンジンは
1797cc 99ps/5200rpm 14.5kgf・m/3600rpm
膨張比13.0:1
最大熱効率40%
です。
1.8Lのエンジンで1.5L相当のトルクを発揮するエンジンです。
このエンジンを、モーター無しでプリウスに載せると非力でしょう。しかし、このエンジンを軽いカローラ、もしくはヴィッツに載せれば動力性能に大した不満も出ず燃費が上がるのではと思うのです。
スペース的に考えると、もともとカローラは1.8Lも搭載していた車体ですし、ヴィッツも海外仕様では(別名「ヤリス」)1.4Lディーゼルターボを搭載しているようですので、ディーゼルでターボやインタークーラーなど補機類も乗っているのなら、1.8LのNAエンジンも搭載可能のはずではないでしょうか?
ただ、そのまま載せるとあまり燃費の向上には期待出来ないかもしれません。
プリウスのエンジンである2zr-fxeは、BSFC(正味燃料消費率)の良いエリアが低中回転数の高負荷側によっており、低負荷側は効率が悪化しているからです。
もっともハイブリッドの場合、モーターの電力を発電するためや、モーター出力以上の加速要求が出た場合にエンジンを始動させるシステムなので、効率の良い低回転、高負荷側を多様する仕様になっているのだと思います。
この燃費良いエリアをもう少し中負荷よりにして、低中回転の全負荷時での燃料消費量を240g/kwhくらいにすれば、現在カローラに積んでいる2nr-fkeよりは燃費はよくなるんじゃないのって、ずっと思ってます。
しかし、自動車は車格によって搭載する排気量を変えて売る手法がスタンダードですし、日本は排気量によって税金が変わるので、1.8Lのエンジンで1.5Lのトルクしか出せないとなると、商品力が落ちます。(年間5000円程の違いなんですけどね。。。)
確かに、「今度のヴィッツは1.8Lです!でもパワーは1.5Lしか出ないですが、燃費はいいです!」
といわれても、「え?ヴィッツに1.8L?いらねぇだろw」と、なりますよね。。。
劇的に燃費が良くないと高確率で売れないと思います(¯―¯٥)
私も買いませんww
だから日本のメーカーはこんなことはしないでしょうが、燃費のことだけを考えるのなら
そういう車も見てみたいなと個人的に思います。
②について
マツダのskyactiv-gや、トヨタの小型車やハイブリッド車用エンジン、ホンダも作っている(EXlinkは自動車用ではないので除外)ミラーサイクルエンジン(アトキンソンサイクルエンジン)ですが、トヨタ・マツダ・ホンダは常時ミラーサイクルのエンジンをハイブリッド組み合わせています。
膨張比がプリウスは13.0、フィットハイブリッドが13.5、アクセラハイブリッドが14.0という高い数値ですが
実際の圧縮比はどの程度なのかは、想像の域を脱さない状態です。
しかし、最大トルクの値を見ると両者ともミラーサイクルになっているの確実だとわかります。
昨年末にトヨタが発表したDynamicForceエンジンはハイブリッド用は膨張比が14です。最大トルクの値を見てもミラーサイクルだとわかります。
一方ガソリン車用は圧縮比=膨張比13で、最大トルクも排気量なりに出ているので、高負荷時はオットーサイクルに近い状態で回しているのでしょう。
私はずっと、常時ミラーサイクルで実際の圧縮比を13になるようにして、膨張比を14.5から15くらいにすればもっと効率が上がるんじゃないのって思ってました。
しかし、市販車のハイブリッド用でも14を超える膨張比のエンジンは見かけない。。。
なぜ?
ずっと、疑問でした。
いろいろ調べた結果
・高圧縮エンジンは、比較的ロングストロークなエンジンになるが膨張比14を超えると、ストロークがさらに長くなりエンジンの摩擦抵抗が増えて、NAエンジン(ストイキのsi燃焼)では逆に効率が悪くなる。(HCCIや超リーンバーン火花着火ではわかりません。)
・遅閉じミラーサイクルの場合、高温の混合気(直噴の場合は空気)を吸気側に戻すため、高負荷時に次の新気が暖められてノッキングを起こしやすくなる。だから実際の圧縮比を近年の高圧縮比オットーサイクルのように上げていくのが難しい。
・早閉じミラーサイクルの場合、新気の昇温は回避できるが、NAでは慣性過給が効かないため遅閉じよりもパワーがショボくなるので、過給機無しだと遅閉じミラーサイクルよりもローパワーになる。
と、いうことがわかり納得しました。
近年、トヨタ・ホンダ・マツダ・日産が採用しているミラーサイクルエンジンはすべて遅閉じ式です。
またVWグループが導入し始めた過給ミラーサイクルは早閉じ式です。
正直素人の私には、遅閉じ式のNAか早閉じ式の過給機付きのどちらが高効率なのかわかりませんが、最大熱効率だけを見れば、トヨタのハイブリッド車用ミラーサイクルエンジンが一枚上手のようです。
ストイキで効率を極めるなら、「スロットルバルブを廃止して、可変バルブタイミングと過給圧とEGRを常時コントロールして、ポンピングロスを徹底的に落としていく」という説もあるようですが、どのメーカも採用していないのを見ると、難しいのでしょうか。
現に、日本メーカーはもうすでに均一希薄燃焼にトライしていますものね。
やはり、文章にしてみると
今までわかっていたつもりでも、実は理解できていないってことが浮き彫りになってしまいます ね(¯―¯٥)
まだまだ勉強不足です。
精進しまっす!(;・∀・)
おわり
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Posted at
2017/04/26 23:27:31
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