
フロントタイヤ2本のみ先日、ミシュランのパイロットスーパースポーツ(以下:PSS)に換装し、しばらく走ってみた印象をレポートしたいと思います。
先ず、このタイヤ、さすがミシュランのパイロットシリーズのなかでも最新のフラッグシップタイヤだけあって、定評のあるバランスが更に素晴らしいようですね。
先日のタイヤ交換時、バランサーによるダイナミックバランス測定にも立ち会ったわけですけど、バランサーの表示でイン000/アウト005の数字が出ていて、リムに近い方のみ5gの小さいバランスウエイトを片側に1個だけ貼り付け、再度バランサーにかけて000/000になりました。交換したタイヤ交換の職人さんも通常有り得ない数値と驚いておりました。
元々パイロットシリーズは出荷時の規格が厳しく、日本メーカーのタイヤが数値で表現すると仮に30以下だとすると10以下だそうです。
それにしても今回のような000/005といった数値、ミシュランのパイロットシリーズでも滅多に出てない値だそうで、こちらの職人さんも唸っておりました(爆)
005とういう数値、アルミホイールへの貼り付ける際のウエイトの数値ですから、実際にはその半分の数値でもあり2gとか3gみたいです。もう一方のタイヤは003とか言ってましたし(^^;)
003とか005なら、ちょっと乱暴ながらもウエイトを貼らなくてもも貼ってもどちらでも良い数値とのこと(驚)
走行中にタイヤに小石が挟まっても3gとか5gはありますからね(笑)
タイヤに側面にペイントされいる軽量な部分(軽点マーク)が無いのもミシュランタイヤの特徴でもあり自信の現れなのかもしれません。
通常、この軽点マークはエアバルブの位置に合わせてバランスを取るようですけど。
ここで少々の疑問、BBSホイールに付属の純正エアバルブは25g程度の重量があります。
想像ながらもホイールメーカーはエアバルブの重量も考慮して、最後の最後に職人さんの手によってバランス調整しているのかもしれませんが、実際のところよく分かりません。
さて、ひと皮むけた感じのPSSタイヤ、これまでの同じサイズのPS2に比較してもドライ・ウエットともPSSの方が断然グリップしますし、乗り心地もPS2よりもPSSの方が僅かながらも良いようです(^^)
上記、バランスがとび抜けて良いとも書きましたが、さらに真円度も良いようで、低速だとその差を感じにくいものの、高速道路で新しく舗装された路面においては、とっても滑らかに回っている感じがしますね。ホイールの影響もあるのかもしれません。
PS2が製造中止なるとの噂が囁かれておりますけど、きっとこのあたりから来ているでしょうね。
ショルダー部分が日本の帝人グループがオランダで生産しているアラミド繊維(デュポン・東レのグループでいう「ケブラー」)の採用で、硬いというか剛性がUPしているようですが、ミシュランのパイロットシリーズの好き点でもある「しなやか」は上手く引き継いでいるようですね。
日本製のハイグリップタイヤの方がこれまで履いていたPS2よりも柔らかめコンパウンドを採用している関係で、グリップ自体は良いようですけど、ウェット性能や扱いやすさ、軽さと含めたタイヤそのものの総合性能はPS2の方が上とも信じておりました。当方、いわゆるミシュラン信者なんでそのあたりを差し引いてください(笑)
もしかすると、今回のミシュランの最新タイヤでもある「PSS」、国産のハイグリップタイヤと同じくらいのグリップ力があるかもしれません。
よく日本の道路には日本のタイヤがいちばん合っているとも耳にしますが、まあ、当たっているのかもしれませんが、一方、ドイツ車をはじめ外国車のなかには日本でも走りの面でファンが多いというものもまた事実ですから、実際にはよく分かりませんね。
少なくとも世界じゅうで走っているミシュランのパイロットシリーズのタイヤが日本のタイヤに比較して日本国内に限定しても性能的に劣るとは考えにくいですし、現在はどこのメーカーでも全世界を市場にしておますし、国内のみの製造やマーケットという時代では無くなってきているようですから、ただ単に日本のタイヤは日本の道路に合っているとか言えるような簡単な話では無いとも個人的には思いますけどね。
話を戻します。
特に驚いたのはブレーキの性能ですね。
今回、フロントタイヤだけ交換したのに、PS2の新品時とも比較しても明らかにPSSの方が短い制動距離で止まれます。
これまでは制動距離というかブレーキの効きって、ブレーキパットやローター、キャリバーらの性能だと思っておりましたが、これほどタイヤ自体の性能が大きいというのは目から鱗です。
でも、これまでこんな初歩的なことが分からなかった当方、ほんと鈍感といいますか、とっても鈍い感性しか持っていなかったことに恥ずかしく感じます。
まあ、よくよく考えてみれば当たり前のことなんですけどね(汗)
具体的な制動距離について、いつも通る場所で同じ速度で、大雑把に言って、すり減ったPS2より約2m、新品のPS2よりも約1mくらい短い距離で止まれる感じですね。
たかだか1mと思いますが、緊急時というか残念ながら衝突を免れない時の1mは、大袈裟な言い方ながらも命を分ける場合もあるかもしれません。
まあ、過信はいけませんけどね…。
裏を返せば、ブレーキはノーマルでもグリップするタイヤに換装するだけで、制動性能が良くなるということですし、反対も然り、どんなに強力なブレーキシステムに換装してもタイヤがすり減ったりしていると。。。
そんわけで、タイヤ交換でいつもお世話になっているこの職人さんからいつも聞く持論ながらも「タイヤをケチっても何もメリットも無いですよ」という言葉が重く感じられました。
こちらの職人さん、最近、タイヤの重要性を分かっていないトライバーさんが多いようですよね、、、とも、愚痴を言っていたのがとても印象的でした。
たしかにタイヤは性能の面や燃費で語れることが多いものの一番重要なのは「安全性」で、命を乗せていることを我々ドライバーは日頃からもっと頭に入れておく必要があるとも強く認識した次第です。
だだし、弱点も少ないながらもあるようで、軽いけど剛性のあるタイヤということで、サイドのビードワイヤーが物凄く硬くて、ホイールに組み込むときに時間を掛けてゆっくり慎重に作業を進めてないと大変なことになるそうです。でも、この職人さんが長年の経験からつかんだコツがあるそうですけどね。
そういった理由からタイヤ交換時、下手するとこのワイヤーを傷つけてしまう恐れがあり、いわゆる職人泣かせのタイヤで、本音で言えばミシュランのパイロットシリーズは正直扱いたくないみたですね。商売ですから、当然、利益率の関係もあるのでしょうけど、お店で薦めないのも納得です。
タイヤチェンジャーとも呼ばれている機械の性能が年々上がってきているものの、最後の最後で差が出るのは「人の手」による職人技というか熟練技のようですから、デジタルではなくアナログの世界みたいですね。
ともあれ、気持ちよくスパスパと思い通りに曲がるミシュランのPSS、
想像以上に良いタイヤだと思います♪♪