実は今年の1月にB6-ZEエンジンを譲ってもらってました!
半年かけてボチボチDIYでオーバーホールしたので記事にします!
いつものことながらYouTubeの方にも載せています。
https://youtu.be/P5_qk4RrtSE
ベースエンジンの仕様ですが、
平成2年式NA6から取り外し
フルノーマル
走行距離 185,000km
オイル食い有
譲って下さったのは僕のクルマいじりの師匠。
分解・組み立てやエアを使う作業は師匠のご自宅のガレージでさせて頂き、加工等はパーツを自宅アパートに持ち帰って行いました。
僕ともう1人(誰でしょう?)で師匠にご指導して頂きながら作業をしました。
まずは分解。ただひたすらにバラす訳ではなく、バルブやHLA・クランクキャップ等々、元の位置に戻す必要のあるパーツはきちんとマーキングしながら行います。
ヘッドを降ろしたら、紙のガスケットなのでオイルがシリンダー内に滲んでいるようでした。
そしてピストンのトップはカーボンがコッテコテに溜まってました。
ヘッドをバラしていくとバルブガイドに付いているバルブシールが劣化していて、これがオイル下がりの原因になっていたようです。
これは外したピストンとコンロッド。
ピストンのスカート部分が擦った傷跡がシリンダー内壁にありました。
この時点でシリンダーのボーリングは決定。
エンジンの分解は朝から始めて夕方にはバラバラになっていました。とにかく場所であったり状態の確認をしっかりしながら行いました。
シリンダーブロックはヘッドとの合わせ面に歪みがあったので、修正面研+ボーリング。
納期は約2ヶ月で費用は67,100円。
外観の美化とサビ防止の目的でPOR15(耐熱塗料)を側面にハケ塗りしておきました。
ボーリングに伴い当然ピストンは再使用出来ないのでファミリア用の0.25mmオーバーサイズを用意しました。
こちらは同じB6でもハイコンプになります。(圧縮比9.4→9.6)
費用は4個で23,276円。
ピストンリングは4つで13,570円。
コンロッドは再使用しました。
そしてピストン・コンロッド共に重量合わせは少数第一位まで行いました。普段使っているキッチンスケールでは小数点以下を測れないので釣りに使うガン玉7号(1個約0.1g)を何個乗せたら1g増えるかという見方で合わせました。
続きまして腰下の加工です。
カーボンやらオイルやらでとても汚いのでメタルクリーンで洗浄します。
発砲スチロールの容器にお湯で溶いたメタルクリーンと共にヘッドを入れ数時間…
その後真鍮ブラシなどを使って汚れを擦り落としますとピカピカになりました!
ヘッド加工の最初はポート研磨です。
ガスケットをあてがうとポートの口元の方が小さいのでマーキングして超硬バーで拡大しました。
ポート内は鋳物特有のザラザラがあるのでこちらも超硬バーで均しました。
バルブガイドも削り落としました(BPだとできないそうです)
超硬バーで吸排気全てのポートの拡大・均しが終わったら、研磨のヤナセのクッションコーン&ホルダーという便利なアイテムで#80、#150と肌を整えていきその後は耐水ペーパーとコンパウンドを使ってポートを鏡面までもっていきました。
ポート加工だけで丸4日かかりました。
続いて燃焼室の容積合わせです。
ヘッドにダミープラグを付け捨てバルブをグリスで貼り付けたら、穴を開けたアクリル板をグリスで接着します。
穴からシリンジで測定液が何cc入るかを4気筒分計測し、容積の小さい所を大きい所に合わせて削りました。
容積合わせの後、燃焼室も鏡面に仕上げました。
バルブシートを傷付ける訳にいかないのでリューターを使わなかった為、丸一日かかりました。
ヘッドの研磨作業が終わったらバルブの擦り合わせです。
バルブをバルブシートに叩きつけ、当たる瞬間に回すようなイメージで作業しました。
一通り全てのバルブの当たりが取れたら、バルブを所定の場所に取り付けダミープラグも取り付けクーラントを張って気密確認を行いました。
当たりが取れていない箇所は直ぐにポートにクーラントが滲んでくるのでその部分は再び擦り合わせを行います。
朝から始めて16本全てのバルブの気密を確認できた頃には外は暗くなっていました😅
☆バルブの自重だけでバルブシートに密着している状態で気密が出ていれば、実際組んだ後はバルブスプリングで引っ張られており更に強く当たるので問題ないと思います。
ポート拡大・研磨、燃焼室容積合わせ・鏡面加工、バルブ擦り合わせが終わればヘッドの加工は終了です。(※面研はナシ)
メクラのホーローも外してオイルラインやウォーターラインに残った切粉等をエアブロー・パ
ーツクリーナーで丁寧に飛ばし、全体の洗浄をしました。
せっかく中身をこだわって作ったので外観もカッコよくしないといけません。
(実際クルマに乗せたら中身は見えませんからね)
こんな汚いヘッドカバーじゃカッコがつかんわけですね。
じゃじゃーん!
#120程度まで足付け→脱脂→ミッチャクロン→結晶塗料(カーベックの缶スプレー)→ダンボールに入れヒートガンで焼き付け(120℃で20分)→白い塗料を凹文字に流し込み
カッコイイヘッドカバーの完成です!
続いてインマニ。
ドリルが邪魔ですが、元はこんな感じでザラッザラの肌で、砂型のバリも至る所に残っていてカッコ悪い。
じゃじゃーん!!
サンダー、棒ヤスリでバリ取り→布ペーパー#40→#80→#120→#240→耐水ペーパー#320→#400→#600→#800→#1000→#1500→#2000→ハンネリコンパウンド→ピカール
鏡面にしてやりました!
オール手作業でマルっと3ヶ月かかりました。
冗談抜きで今回の全作業の中で1番大変でした。
インマニの口元はポートと同様にガスケットをあてがって、拡大しておきました。
サーモスタットのハウジングなんかも鏡面にしました。
とにかく目に見える部分は全て塗装なり鏡面化しました。
それではいよいよ組み立てです。
ブロックにクランクを取り付けピストン・コンロッドを取り付けます。
バッフルプレート、オイルストレーナー、オイルポンプ、オイルパンの取り付け。
オイルパン取り付け時は液体ガスケットをしっかり塗布します。
これはヘッドの組み立て。
バルブスプリングコンプレッサーでバルブスプリングを縮め、コッターピンはグリスで貼り付けてコンプレッサーを緩めるという方法がやりやすかったです。
カムシャフトを組んだ直後は全てのバルブを押している状態になりますがHLAが馴染んでくるとカム山に乗っていない箇所はバルブが閉じていきます。
HLAが馴染んできたらヘッドをブロックに載せてカムスプロケットやウォーターポンプ、サーモハウジング等を取り付けます。
ヘッドガスケットは純正の紙タイプでは無く、マルハの1.2mmのメタルガスケットを使用しました。
エンジンガスケットセットで購入したので、オーバーホール時に使用するガスケットを一つ一つ品番調べて買う必要がなく楽でした。
(NA6/EGK-MNA 1.2 /JM ¥84,871)
1番を圧縮比上死点に合わせ、吸排気のカムも合わせマークに合わせ、タイミングベルトを掛けます。
クランク2回転でカムが1回転することを確認します。
ヘッドカバー・インマニ等を取り付ければエンジンは完成です!
めちゃくちゃカッコよくないですか?😎
今回制作したエンジンの仕様はこんな感じです。
ノーマルカム、ノーマルコンピューター、レギュラー仕様のまま乗れる、フルチューニングなフルノーマルと言ったところを目指しました(笑)
かなりはしょった解説になりましたが、YouTubeにアップした動画ではもう少し詳しく解説しています。
そして気付かれた方もいるかと思いますが、僕のロードスター(明空号)はNA8Cです。
そうなんです。コレ、明空号には載せません(笑)
誰のロードスターに載せるかは載せるまでナイショです!🌚
載せ替えは8月下旬にお店にクルマとエンジンを預けてお願いすることになっています。
エンジンが完成した達成感より、ちゃんとかかるか?何か間違ってないか?と言う不安の方が勝っていますが、どんな回り方してくれるのか凄く楽しみであります。
以上素人がDIYでエンジンオーバーホールしたお話でした。
じゃんじゃん。