2021年05月09日
ホームシアターをリニューアル

ホームシアター歴26年になりますが、使っていたプロジェクターのアイリスが壊れて修理もしないまま使わずに3年間ほったらかしにしていましたが、ふとホームシアター熱が再発してしまい、アンプ・プレーヤー・プロジェクターの入れ替えをしようと決心。
AVアンプは、これで4台目で16年ぶりの買い替えです。楽器では買ったことのあるメーカーですが、AV機器としては初のヤマハを選択。
RX-A2080
正確にはチューナー内蔵なのでAVレシーバーですが、ネットワークオーディオプレーヤー機能も兼ねています。前からシネマDSPは気にはなってたし、今までの9つのスピーカーが活かせるということでチョイスしました。前アンプよりも安くて多機能なので文句のつけようがありません。
プレーヤーは、4Kを再生を主な目的とし、Amazon prime video と NAS再生が可能なUHD BDプレーヤーの、
ソニー UBP-X800M2
本当はPS5で代用するつもりでしたが、一向に入手できる気がしません。半導体不足の影響もあるのでしょうが、こうも需要供給のバランスが崩れたままでは抽選無しで適正価格で普通に買えるのはいつになるのやら…
そして問題点だったホームネットワークを改善するために、こちらをまとめて3台購入。
4K映像のストリーミング再生が不安定だったのです。これを導入するまでは、新築時に2階と1階に有線LAN工事をするべきだったと後悔していましたが、無線LANの進化は止まりませんね。もう一般住宅で屋内有線LAN工事は必要無いと思えるほどの性能向上でした。
1台は親機として2階の寝室に設置。あとの2台はそれぞれ1階のLDKと防音室にメッシュ中継機 兼 子機として設置。
そして肝心要のプロジェクターの入手には時間がかかりました。ソニーの反射液晶タイプでネイティブ4KのVPL-VW255と決めていたのですが、新品最安値で45万。中古相場でも35万と予算オーバー。それでオークションを毎日チェックする日々をおくっていると…
なんと生産終了の情報が! 新品中古の相場が崩れるかも! というか後継機が間もなく出るのは間違い無い。後継機がコストダウンで安くなるかも! すると後継機であるVPL-VW275の発表が! 変わったのはHDR映像の明暗表現を向上させる技術「ダイナミックHDRエンハンサー」の搭載…これだけ?
ヨドバシとアバックの予約販売価格を待ってたら、AV Watchの予想どおりの60万。VPL-VW255の価格コム最安値初値が50万だったから実質値上げ。で、やはりVPL-VW255に的を絞ることにしたが早めの生産終了で在庫一掃セールをする気は無いらしい。再びオークションを徘徊する日々に。
徘徊していたら絶好のチャンスが到来。それはリサイクルショップによるストア出品。このパターンはオークション開始価格が個人出品よりも格段に高い。競うとすぐ相場価格に到達するので転売ヤーも、それ以外の方でも格安で買えるチャンスがハナから無いので誰も入札せずに終わることが多い。でも、その開始価格で落札できれば実は落札相場よりもかなり安くなるケースが多々ある。終了時間ギリギリで入札し、ライバル来たら諦める気でいたが誰も来なくて28万で落札してしまった。それでも予算オーバーだが、考えてみると疑似4K透過液晶のハイエンドモデルよりも安く、前に使ってたVPL-VW60よりも安く購入できたのだから良しとしよう。ストア出品で1年間の保証も付いているし…(ほぼ自己暗示)
これで6台目で14年ぶりの買い替えとなる新たなプロジェクターとなりました。
旧機種は下方向のレンズシフト量が小さくて、本体の底を上として天吊りする必要がありました。天吊りすると言っても疑似天吊りラックを自作して設置しましたが、こちらの機種では下方向のレンズシフト量も大きいので通常設置でOKでした。
プロジェクターの下は、一列の縦長ラックに新しい機器を収めソファーの背後に置いています。
スクリーン側は、4年前のブログの時の状態から追加が2つ あります。
ひとつはスーパーツイーターの追加。本当はタンノイかキットヒットが欲しかったのだが中古でも買える値段ではないのでパイオニアのPT-R4をオークションでゲット。Dolby True HD と DTS-HD Master Audio 更にはハイレゾ再生を生かすために追加。
もうひとつは、フロントプレゼンススピーカーの設置。これで9.1chから7.1.2chとなりました。小数点が2個あるのは、真ん中の1はサブウーファーの数で右の2はプレゼンススピーカーの数になります。Dolby AtmosとDTS:Xに対応させるためです。7.1chだと前後左右の音像移動しかできませんが、Dolby AtmosとDTS:Xのソフトで7.1.2chだと上下の音像移動が加わります。リアの方はプレゼンススピーカーはありませんが、アンプの設定でバーチャル・リアプレゼンススピーカー機能をオンにしています。
プレゼンススピーカー導入で、このアンプによるメリットがまた増えます。
センタースピーカー専用スタンドで角度を付けて設置しているのですが、それでも真ん中のセリフは床から聞こえている感が強かった。
映画館のセンタースピーカーを誰もが見た事が無いと思います。しかしセンタースピーカーは設置されています。映画館のスクリーンはサウンドスクリーンで、遠目では分からない穴が開いていて、スクリーン裏に高さを付けて設置されています。(フロントLRスピーカーもスクリーン裏)
このアンプだと、センタースピーカーに出るセリフを抽出しプレゼンススピーカーに回す設定ができます。その機能によりセンターチャンネルのセリフ高さを上下にコントロールできるので映画館と同様にスクリーン中央で声が出せるようになります。
ホームシアター熱が再発した理由は、2年前にリビングの2Kテレビが壊れて4Kテレビに買い替えたのがきっかけでした。買い替えた時に3Dテレビが絶滅したことを知る。壊れるまではテレビで3Dを楽しんでいたが、それができなくなった。また3Dで見たくなり残された方法はプロジェクターしかない。
というわけなんですが、それまで使っていたテレビ用の3Dメガネは偏光式のパッシブ型でプロジェクターでは使えない。バッテリーを必要とするシャッター式のアクティブ型でないといけないので、3Dメガネも買い替え。
今となっては自分にとってホームシアターの醍醐味はスクリーンで見る3D映画。もう現行機ではプロジェクターでしか実現できないのですから。テレビで3Dを体験した方は映画館ほどの効果はなくてガッカリした方も多いと思いますが、実は画面から飛び出てくる距離や奥行は画面サイズに比例します。
パソコンで自作した画像で3Dを説明します。
ぱっと見で同じ恐竜に見えますが よく見ると前足後ろ脚の隙間が違い、顔の向きも違っています。右は右目で見える位置角度の恐竜で、左は左目で見える位置角度の恐竜となります。マジカルアイで平行法で立体視できる方は、これが立体的な恐竜に見えるはずです。
(ここからはPCからの画像となります。)
どんな臨場感になるのかをアバターで説明すると、
奥行が付くので高低差が立体的に認識できるので恐怖感が増します。
弾道がどこから、どの角度で、どの方向に行っているのかを3Dで分かりやすくなります。
基本的には地面や床に立っている物は、それほど前には飛び出ては来ません。
画面を飛び出して来るのは、空中を浮遊してる物が盛大に出てきます。木の葉が舞い降りるシーンでは木の葉が飛び出します。
ミサイルが飛び出して目の前をかすめていき、音は前から後ろへ突き抜けます。後ろや様々な方向から銃声や爆発音が聞こえ、まるで戦場の真っ只中にいる気分にさせてくれます。
このシーンでは灰が雪の様に舞い降りるのですが、灰が手前と奥とで距離感が掴め、最前列の灰は掴めるくらい出ます。
(ここからは実際にプロジェクターで映像を120インチスクリーンに投影した画像になります。)
3Dメガネ無しではボケているように見えますが、左右それぞれで見える画が同時に写ってるように見えるからです。ガンストラップの白の台形模様の角がズレていますよね。
レディープレイヤー1だとスーツのラペル(下襟) がダブって見えますが、プロジェクターでは高速で左右の画を交互に切り替えて出しているのです。残像で写真や裸眼ではボケてズレてダブっている様に見えるのです。そこで3Dメガネはプロジェクターと通信しながらシンクロして、右の画を出してる時は右の右目レンズのシャッターを開けて左目レンズのシャッターを閉じる。左の場合は、その逆の動作になります。ガラスに電気を流すと曇りガラスになるというアレですね。液晶シャッターを用いたのがアクティブ型となります。
映画館はパッシブ型のメガネが主流ですが、プロジェクター2台でそれぞれレンズに偏光フィルターを付けています。カメラを趣味としている方はPLフィルターと思って下さい。2台のプロジェクターのレンズに、それぞれ相違する偏光方向に取付けて、メガネはそれと相対する偏光方向にして右目は右の映像しか見れないようにして、左目は左の映像しか見えないようにしています。つまり、家庭用のプロジェクター1台では必然的にアクティブ型となるわけです。3DソフトはフルHDのみでUHDでは存在しないのですが、ネイティブ4Kプロジェクターだとアップコンバートされて疑似4Kになります。
2Dではどうなるかというと、
アマプラのアニメでも、ネイティブ4Kプロジェクターだと嫌でも疑似4Kにアップコンバートされます。作画レベルがトップクラスのアニメだと、もはやテレビアニメではなく超長編アニメ映画と化します。
UHD版のインターステラーのCGシーンでは圧巻の奇麗さ。
実写シーンではピントが合っている部分は奇麗なのですが、ピントを外れている部分は黒い粒子状のノイズ(元のソフトのノイズ)が、緻密な再現性が逆に裏目となって目立ってきます。
余談ですが、UHDソフトは全面的には信用しない方がいい。ニセ4Kが多いのです。以前ブログにCDからアップコンバートしたことを隠して販売しているハイレゾ音源があるって書きましたが、UHDもBDからアップコンバートしたニセ4Kがあります。その数や比率はニセレゾの比ではないほど多いのです。BDも出だしの頃はDVDからアップコンバートした粗悪なBDが多々ありました。とは言え、ニセ4KでもUHD化することでHDRが付加されるのでコントラストは深くなるが、解像度は疑似4Kと一緒です。
リアル4Kかフェイク4Kかを判定してリストアップされているサイト、
4K MEDIA というのがありますので、興味のある方は覗いてみて下さい。
前にどこかのサイトでプロジェクターのレビューで「ネイティブ4Kプロジェクターも疑似4Kプロジェクターも奇麗さは変わらない。」とコメントされているのを見た事があるのですが、もしかしたらその人はフェイクUHDで比べた可能性があるのかも。
BDレコーダーは、リアルタイムでスポーツ観戦をプロジェクターでしたいと思っているのなら必要ですが、違う部屋にBDレコーダーがある場合は録画された番組は、BDレコーダーをホームサーバーとして設定することでホームネットワーク経由で見ることが可能です。
ハイレゾの音楽再生は結果的に言えばアンプにUSBメモリーを挿して使っています。このアンプでのUSBメモリーの対応フォーマットはFAT16/32なので32GBを超えるメモリーだとFAT32に変更しなければなりません。これにはフリーソフトの
玄人志向DiskFormatter を使いました。ヤマハのフリーソフト
Music Cast をスマホやAndroid搭載WALKMANにインストールすると、プレーヤー・プロジェクター・スクリーンを起動せずにアンプとMusic Cast だけで曲選択ができてアルバムアートも表示されます。アンプのリモコンにもなるので超便利。ただし最初の曲選択時の画面では、曲のタグからの表示ではなくファイル名表示となっているので、ファイル名を (トラック番号-曲名.拡張子) とする必要があります。
さて、ここからはホームシアター・防音室の部屋作りとして自分がしてきた事を書いておきます。新築で、リフォームで、またはDIYで、参考になれば幸いです。
基本的な防音構造は、
DAIKEN建築音響 のSクラス防音相当のことをしています。当時は(B)ベーシック、(A)アドバンス、(S)スペシャル というグレード分けだったような…今でいうプレミアム防音相当となります。壁は裏面防音加工の石膏ボード2枚を間に遮音シート2枚重ねてサンドイッチしてオトカベで仕上げています。基本、防音室は部屋の中に部屋を作る感じとなります。
この下の画像に違和感を感じないですか?(答えは少しスクロールした下に書きます。)
そう、スピーカーケーブルが見当たりませんね。
配線を中に隠せる巾木というのがありまして、壁の中や天井裏にCD管を通すことはしていません。こっちの方がケーブルの入れ替えも楽だしコストも抑えられます。
スイッチやコンセントは露出型を使用。
従来のものでは壁に大きく深い大穴を開ける必要がありますが、これだと屋内電源ケーブルの直径分の穴だけで済みます。 そして隙間をコーキングしてしまえば気密を落とすことがないのです。
電動スクリーン導入であれば天井近くにコンセントがあったほうがいい。無いと電源コードと延長コードを床までぶら下げることになります。
防音ドアですが、一般的なドアよりも比重があるだけでなく、ドア枠が異なります。
通常ヒンジの反対側の戸当りに縦1本パッキンが入っているのですが、防音ドアだと全周に太めのパッキンが入ります。
バリアフリーだと全床オールフラットでフローリングが繋がってドア下に隙間ができるところですが、フローリングの上に沓摺りを置き隙間を無くしてパッキンが入るようになっています。ドアを閉める時はこの全周のパッキンを半分以上押し潰して閉めるため、かなりの力を必要とします。小学生未満の子供の力では自力で閉めることができないくらいです。
スクリーンを上げると、ここだけ窓があります。当初は窓無しで計画していて納戸として工務店と相談していたのです。居室だと建築基準法で居室の床面積の7分の1以上の窓面積を作らなけらばならないということを予め知っていたのです。
でも工務店と話しを進めていくとエアコンコンセントやスクリーン用のコンセント。そして防音施工ということで居室判定されるのでダメってことになり、泣く泣く窓を付けることになりました。
なので二重サッシにして、外側はアルミサッシ。内側は樹脂サッシで、雨戸は樹脂素材を挟んだ分厚いものを取り付けています。樹脂サッシの気密性はアルミサッシとは比べ物にならないほど高いのですが耐久性に劣るので内窓専用としたほうが無難ですが、窓が北向きで常時雨戸を閉めているのなら樹脂樹脂でもありと思います。昼間でも当然真っ暗闇となります。
換気口は防音で見落としてしまう箇所でもあります。
防音換気口でダクト内にサイレンサーが入っています。完全には遮音してはくれませんが確実に減衰はしてくれます。車で例えると直管マフラーとリーガルマフラー。
使う時はこれを全閉にします。
ここまで防音・超高気密をやってしまうと長時間や多人数で使うと酸欠気味になるので換気機器が必要となります。部屋の温度を変えない熱交換形の同時吸排気できるロスナイを設置しています。
後方はこんな感じにしています。プレミアム防音相当と相当を付けたのは理由があります。結局使ったDAIKEN製品はドア部分、オトテン、オトカベ、配線すっきり巾木の4つだけ。DAIKENの防音音響建材だけで作ると予算をはるかに上回るので、4つ以外は他メーカーの建材で代用しました。壁の構造は自分のアイディアで性能は同等以上は持っていると自負しています。
それと上の画像の機器の裏の壁の向こうは和室で、壁の裏の直後は和室の押し入れとなっています。ここの壁は手を抜いており裏面防音加工の石膏ボード1枚とオトカベだけを使っていて中は一般的な施工となっています。押し入れには来客用や季節外の寝具などが入っており、これが吸音材となり、襖や和室の空間や外壁で遮音してくれます。内にわざと漏らせて防音室の外壁側の壁の音圧を弱める意味とコストを下げる意味もあります。
こんな私がホームシアターデビューした時はレーザーディスクがレンタルされていた頃。実家の6畳の自分の部屋で、天井から吊った突っ張り棒にシーツを掛け、フィリップスのオモチャの(4:3パネルで単板で10万画素)プロジェクターで、LDプレーヤーでコンポジット出力。音はミニコンポのAUXに当然の如くアナログ入力。これがデビューでした。当時は120インチ電動ワイドスクリーンなんて、老舗のキクチ・スチュワート・OS ぐらいしかなくて需要も少ないので50万していました。それが今では参入メーカーも増えて8万で買える時代になっていました。フルHDプロジェクターが登場した頃は最低でも30万以上は出さないといけなかったが、今は10万未満で手に入る。
ホームシアターデビューをしたいが難しく考えている方は多いと思います。4Kや3Dに拘らなければ透過型液晶フルHDプロジェクターが10万未満。スクリーンは手動であれば安くできる。プレーヤーは所有しているのであればBDレコーダー・PS3以上で代用すればタダ。アンプとスピーカーですが、ここをサウンドバーで代用する手もあるんです。このプランだと新品でも20万でお釣りがくる。中古を狙えば更に導入コストダウンできます。サウンドバーだと防音もそれほど気にしなくてもいいし、設置が楽なので専用部屋でなくても、リビングシアターや寝室シアターを構築できますよ。
あなたが思ってる程、ハードルは高くないのですよ。