
廃隧道巡りです。
今回記事の「
桂城隧道」(三重県北牟婁郡紀北町)は旧アカウントで投稿した直近の記事であります(2017年5月3日付)。よって記憶に残っている方も多いとは思いますが、再投稿してみます。
↑まずは例によってその位置を(グーグルマップ)。
三重県北牟婁郡紀北町の県道202号線旧道にある1927(昭和2)年竣工・延長109mの隧道で、船越海岸の近くにあります。1995(平成7)年に現道の「島勝トンネル」開通により旧道となりましたが、近年まで同トンネルと共に供用されていました。
老朽化による崩落が発生した為、数年前から通行止めとなっていましたが、2016(平成28)年に坑口を封鎖するフェンスが設置され、現在は廃隧道となっています。
ちなみに桂城隧道の北西、県道734号線の旧道にある「矢口隧道」も戦前に竣工した隧道ですが、こちらも桂城隧道と同じ運命を辿っています。
↑雨に煙る海沿いの道を進んでいきます。
雨の海岸というのも風情があって良いものです。
↑現道の島勝トンネル北側にある現旧道分岐。旧道は右へ進みます・・・が、この地点で既に目指す「桂城隧道」が見えています。
↑旧道に入った所にて。
↑我が相棒の先には桂城隧道の坑門があります。
画像では判りにくいですが、この時は本降りの雨でした。
↑旧道入口にはゼブラ塗装の遮断器が設置されています。隧道は坑口に設置されたフェンスによって閉鎖されましたが、なぜかこの遮断器は開放されたままになっていました。
↑隧道手前には薄汚れた高さ制限標識が残されています。
↑隧道に至る旧道は深くて狭い切り通しになっていて、両側から迫り来る岩の壁に押し潰されるかの如く、コンクリートの坑門が窮屈そうに佇んでいました。
↑「桂城隧道」北側坑門。コンクリート製の質素な造りながらも、笠石・迫石の装飾が施されたポータルであり、如何にも昭和初期風のデザインです。
ポータル表面にはヒビ割れが散見され、年式相応のヤレ具合。
坑門手前にはバリケードが設置され、坑口を塞ぐフェンスと共に二重のガードになっています。
↑そして如何にも「戦前派」という感じの右横書きの扁額。
さらに雨脚が強まってきたので、ここでの撮影を早々に切り上げ、南側へ向かう事にします。
↑現道の島勝トンネル(延長293m)を通って南側へ。
このトンネルは桂城隧道にほぼ隣接していますが、旧隧道と別の名を名乗っているのが面白いです。
↑島勝トンネルを抜けた先に旧道への分岐(画像右)があります。
ちょうど旧道入口付近に謎の小動物がいましたが、即逃げられました。
↑南側の旧道は北側に比べるとやや距離が長く、途中に資材置き場(?)のような施設があります。
鬱蒼とした感じの道ですが、最近に隧道閉鎖工事が行われたせいか、意外に荒れた感じはありませんでした。
↑程なく南側の坑門前に到達。方向転換して撮ってみました。
隧道を抜けてきたかのように見えます。
↑で、例によってここまでの動画です。お時間のある方はどうぞ。
↑「桂城隧道」南側坑門。
こちらも切り通しの奥に坑門がありますが、カーブしていてそれなりの幅員がある為か、北側のような圧迫感はありません。
そして北側にあったバリケードはなく、遮るモノは坑口の真新しいフェンスだけです。
↑こちら側の坑門も北側と同一仕様、胸壁部分にヒビ割れが散見されます。
↑南側にも右横書きの扁額が付いています。
↑フェンスにカメラのレンズを突っ込んで内部を撮ってみました。
坑口付近は鉄板巻き、その先はコンクリート巻き、さらにその先は素掘りモルタル仕上とバラエティに富んだ内壁となっています。
↑画質が悪いですが、中央部の素掘り区画をズームで。
少しの補修でまだまだ現役で使えそうですが、そこまでする需要がない為の閉鎖でしょう。
↑坑口前から振り返るとそこには雨に煙る「廃」な空間が広がっていました。
画像右上の曇りは雨によるカメラのレンズの曇りです(苦笑)。
↑雨の桂城隧道前にて。
本降りの雨の為に撮影が大変でしたが、風情ある雨の廃隧道「桂城隧道」でした。
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Posted at
2017/06/07 23:00:38