久々のサニー傑作選、実に1年2ヶ月振りです (汗
前回は歴代サニーの中では超メジャーなKB110サニー・クーペGX&GX-5でしたから、今回はマニアックに・・・
B210&211 サニー2ドアセダン です!
私も所有するB210サニーですが、初代から数えて3代目でして昭和48(1973)年5月にデビュー。
ボディバリエーションは4ドアセダン、クーペ、4ドアバン、2ドアバン、そしてこの2ドアセダンがありました。
サニーは昭和41(1966)年4月にデビューしたのですが、当初のボディバリエーションは2ドアセダンと2ドアバンでした。

その名残りか4代目B310サニー(駆動方式がFRだった最後のモデル)まで2ドアセダンは設定されてました。
初代B10、2代目B110、4代目B310が比較的オーソドックスなデザインだったのに対して3代目B210&211は大変個性的で特にリヤクォーターウィンドゥの形状が独特なんですよね。
ちょっとケンメリっぽくてカッコいいと言ったら褒めすぎでしょうか (^^;
2ドアセダンのエンジンはA12シングルキャブ仕様のみ 最大出力グロス68ps 最大トルク9.7kgm/3600rpm
トランスミッションは4速マニュアルと3速オートマチック(共にフロアシフト)を選べました。
但し4ドアセダンやクーペにあった高出力のSUツインキャブ仕様や5速マニュアル車はありませんでした。
デビュー当初のB210のグレードは下から
Semi DX

ラジオすら付かない一番下のグレードですが、当時ありがちな「スタンダート」とは呼ばれずB210サニーではSemi DXと呼ばれてました。
トランスミッションは4速マニュアルのみ。
DX

B210の時代は普及グレードはまだGLではなくDXでした。
AMラジオやセンターコンソールが標準装備となり、ホイールキャップがフルホイールになります。
トランスミッションは4速マニュアルと3速オートマチックが選べました。
GL

GLが2ドアセダンの中で最上級グレードとなります。
ステアリングが木目調3本スポークとなり

熱線リヤウィンドゥ、アナログ時計、速度2段式ワイパーを装備。
シートは上記2グレードがビニールレザーに対して一部布地になっています。

外観ではリヤガーニッシュ装着とドアサッシがブラックアウトされて上記2グレードと差をつけてます。
そしてフロントブレーキが唯一ディスクブレーキなんですね。
そんなB210も昭和51(1976)年2月B211型にマイナーチェンジ
エンジンやグレード構成は変わらないのですが、トランスミッションがオートマチックが落とされ4速マニュアルのみとなります。
昭和51年と言いますと、排出ガス規制が厳しかった頃で、日産ではNAPSシステムで昭和51年排出ガス規制を適合しています。
以前サニー傑作選のエクセレント1600でも同じ事をお話してますので、ちょっと手を抜いてコピペしてご説明 (汗
大まかに解説しますと、排気ガス中の有害なCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)を減少させる酸化触媒、NOx(窒素酸化物)を低減させるEGR、有害ガスの低減を促すEAI(2次空気導入装置)の組み合わせで構成しております。
サーセン (汗) 使い廻しなんでA12ではなくL16での構成図となっておりますが、システムは一緒ですハイ
触媒が付いた事によって触媒が異常燃焼した事を警告するエキゾーストテンプランプがメーター下に追加されます。
シートはヘッドレスト一体へ変更
B210&211サニーは今でこそ不人気不人気と言われてますが、当時は大変なベストセラーで私が子供だった70年代中盤から80年代半ばまでは本当によく見掛けたものでした。
でも2ドアセダンだけは本当に見掛けなかったですね。
唯一馴染みあったのは弟の同級生の家で手作りの車庫でスパイクタイヤ履いたままずっと止まっていた個体ですね。それも80年代後半には無くなってしまいましたが・・・。
そんなB210&211サニー2ドアセダンだからこそ単なるFRサニーで飽き足らないサニー・マイスターに好まれたようでして、私の心の琴線に触れた2台をご紹介。
まずはA型サニー人気の牽引者であったS氏のB210サニーGL改
19年前OT誌に掲載されていた画像をスキャンしたんですが、上手く取り込めずこれでご勘弁を m(_ _)m
20年程前、チューニングカー雑誌「CARBOY」や今も人気の「Gワークス」の前身である「オートワークス」で頻繁に特集される程A型エンジン搭載のサニーは絶大なる人気で、その人気の牽引者であったS氏の愛車でした。
A型エンジン搭載のFR駆動のサニーは長くレースで好成績を収めて来たKB110サニーのTSレーシング仕様でチューニングのノウハウが豊富で各社パーツが出回っていたので、解体屋で車体を激安で購入してレーシーなサニーを造るプライベーターが全国に多くいました。私もそのひとりでしたが (汗
S氏は全て自らの手でクルマを弄り、トルクレンチを使わずともフリーハンドで規定トルクに締め付けられる「手ルクレンチ」など数々の逸話を持つ方で正にサニー界のカリスマのひとりでした。
そんなS氏自ら組んだエンジンは・・・
A15をベースにワイセコ製79パイピストンを用い1607ccまで排気量UP。圧縮比UPは勿論の事クランク軽量化バランス取り、ビックバルブ化(in44/ex33パイ)、イスキートリプルバルブスプリング、カムはクレーンカム80度、吸気系はソレックス44パイ、排気系はタコ足、点火系もCDAにMSDと抜かりなく強化。
踏めば1万回転以上回り、ベンチで172ps/8200rpmを示したとの事!
インパネはクーペGXの多眼メーターに変更
シートもダッツンコンペ・レプリカ、KB110クーペGX用5点ロールバーが実にレーシーでゾクゾクするくらいかっこいいですね!
その後S氏はドリフトに転向、より足のシッカリしたB310サニー・4ドアセダンに乗り換え、程なくサニー界から身を引いてしまわれたのですが、私は彼の愛車でこのクルマが一番完成されていると思いますし一番好きなクルマでもあります。
B210サニー2ドアセダンを明るいカラーリングと随所にレーシーさを加え、最大限魅力を引き出していると思います。
もう1台はまた違った魅力の1台をば・・・
単なるノーマルDXにタイヤ・アルミにローダウン程度と思ったアナタはあまい!
S13シルビアのSR20DEエンジンを搭載した上

前後サスまでS13シルビアのを移植してますから (汗
外装もさることながら・・・
室内もノーマル然
B210もS13も駆動方式こそ同じFRですが、車体の大きさも違がければサス形式もフロントストラットこそ同形式であれど取付けが全く違う、リヤに至ってはB210のリヤリーフリジットに対してS13はマルチリンクですからねぇ、オーナー氏が見た目ノーマルに拘った為、製作したショップは大変な苦労をしたそうです。
インナーフェンダー作り直し、リヤのアッパーアームとドライブシャフトはワンオフ製作、フロントはサブフレームを詰める事で対処、トランスミッションもS13のを仕様した為、純正のセンターコンソール装着にも当然拘った為リンケージの大加工で純正位置に収めたそうです。
ステアリング回りもボール・ナットからラック&ピニオンに移植、エアコンは元々クーラーが付いていた為移植は楽勝だったそうです。
見た目はB210サニー2ドアセダンでも乗り味はまんまS13シルビアそのもの、でも更に軽量な為S13を上回る動力性能を得たのでした。
そしてマニア泣かせのマイルメーターも装着
という事でマニアックな2ドアセダンの中でも更に究極なマニアック2台をご紹介させていただきました。
4ドアセダンやクーペに隠れて廉価版な意味合いの強かった2ドアセダンでしたが、ここまで魅力を引き出せるまさにマニアックなサニーだと思います。
私的には素の210DXも大変魅力に感じます、ハイ (^^;