今年平成26(2014)年は私のカーライフで久々に大きな転機となりました。
長年乗り続けたY31セドリックからデイズ・ルークスに代替え。
デイズ・ルークスは使い勝手が良く、Y31では悩みの種だった維持費も安く済み満足しています。
実際所有して今のクルマならではの楽しさもあるんだと新たなる発見もありました。
ただ利便性は高いのですが、私の趣味・趣向を満たすかと言うと・・・こちらはエクセレントが担当していますので (^^;
その趣味・趣向の言わば原点となった初めて好きになったクルマ、ダットサン・ブルーバードハードトップ1800SSS-E・S C-P810型のお話を今年の締めブログにさせていただきましょう。
好きになった理由は以前お話していますので、
こちらをご覧いただくとて、今回は昭和51(1976)年7月〜昭和52(1977)年10月までの初期型ハードトップSSS-E・Sに絞って実車のお話をさせていただきましょう。
810ブルーバードはブルーバードの5代目として昭和51(1976)年7月デビュー。
国民に広く自家用車が普及しつつあった70年代初頭にデビューした先代ブルUことブルーバードU(610型)は他とは違う個性と豊かさを求められた時代のクルマらしく、曲面を多用したボリュームのあるデザインでしたが、その後のオイルショック後は機能的なものが再び好まれた為、特徴的な「Jライン」と呼ばれたサイドウィンドゥが仇となった後方視界の悪さや丸みを帯びた個性的なデザインが返って足を引っ張り、販売は低下していったそうです。
810は名車と誉れ高き先々代510ブルーバード程ではないにしろ少しシャープなデザインに戻し、ハードトップは斜め後の視界向上の為ボディリヤサイドにオペラウィンドゥを設置。
810ハードトップのボディ寸法は 全長4260mm 全幅1630mm 全高1380mm
参考までにに現行ノートE12と比較すると 全長4200mm 全幅1695mm 全高1525mm (2WD)
全長はほぼ同じながら810の方が幅が狭く、全高も低いですね。
1800SSS-E・Sの搭載エンジンはL18E、水冷直列4気筒OHC、電子噴射装置EGIを採用。
出力は115ps/6200rpm (グロス値)
同エンジンの未対策ブルUSSS-Eが125psだったので実質10psダウン。
昭和51年排気ガス対策適合させる為、排気ガス対策システム「NAPS」を採用の為のパワーダウンでした。
L18Eに採用されたNAPSとは〜排気ガス内の有害物質であるCO、HCを酸化触媒にて再燃焼して酸化させ、もうひとつの有害物質NOxは排気ガスの一部を吸気混合気に還流させるEGRで主に構成されてるシステムである
トランスミッションは5速マニュアルのみの設定。
シフトパターンはB110サニーGX-5から取り入れた通常1速の位置にバックがあるいわゆるローバック5速を採用。市場からは使いづらいと不評ながらこの時代の日産4気筒車は頑にこのパターンを採用し続けていました。
プロペラシャフトは3ジョイントプロペラシャフトを採用。
サスペンション型式はブルUから踏襲したフロントストラット式、リヤセミトレーリング式でしたが、リヤのセミトレーリング式は別々だったショックとスプリングを一体にし、リヤアクスルの近くに移動。利点としてはゴロゴロといった感じの音が消えて静粛性が増したこと、舗装の継ぎ目のショックが小さく感ぜられるようになったこと、ラジアルタイヤが装着しやすくなったことなどがあります。
モーターファン昭和51(1976)年9月号参照
SSS-E・Sはさらに前後スタビライザー装備。
それを支えるタイヤ&ホイール

185/70HR-14ラジアルタイヤとホイールはスチールホイールながら精悍です。
ブレーキは前後ディスクブレーキ。
リヤディスクブレーキは6気筒G6E・LとSSS-E・Sのみの設定。
前ブログで語らせていただいた多眼メーターは今見ても魅力的です。
室内は黒一色でフルトリム化されてました。
フロントワイパーウェッシャーはミスト式。
リヤワイバーも装備。
こうしてみるとE・Sという名称といい前後ディスクブレーキやリヤワイパーの装備といい前年に登場したケンメリ・スカイラインのGTX-E・Sに対抗して登場させたのではないかと推測されます。
先代ブルーバードU登場から約1年後にモデルチェンジされた同社のケンメリことC110系スカイラインの人気がことのほか高く、ブルUの販売は常にケンメリの後塵を拝し続け、上回る事はなかったです。
テコ入れでケンメリGTイーターとしてサメブルことブルーバードU GT・GT-X、GT-E・GT-XEを出したりもしました。
先代ブルUでやや落とした人気と販売台数を期待され、気合いの入ったモデルチェンジを果たした810ブルーバード、ケンメリGTX-E・Sを横目に設定された1800SSS-E・Sは、排ガス対策で低下した動力性能以上に大きな欠点がありました。それはハンドリングです。
ブルーバードUから踏襲されたリサキュレーティングボール式のステアリング形式でしたが、セッティングが悪い方に変えられたようでとにかくステアリングレスポンスが悪く、直進時の遊びが過大でハンドルを切っても切ってもなかなか曲がらない代物だったそうです。これは当時のクルマ雑誌の試乗記の複数で確認済みで、幾度となくドライブ経験のあるみん友さんのGureさんのお話でも伺っています。
今となってはこのクルマよりも好きなクルマは沢山あるものの初めて好きになったクルマだけにこのクルマへの思いはけっこう強いんですよね。
発売当初こそある程度の台数を販売したもののブルU以上に不人気で810&811は3年4ヶ月のモデルスパンで消えて行った希代の不人気ブルーバードになってしまい、その後の910ブルーバードの大ヒットにより歴史に埋没されていったかわいそうなクルマだと思います。
そんなクルマだったからこそより甘く切ない思いに浸ってしまうのかもしれません。
もし今も大変人気があってイベントでも頻繁に見掛けるクルマでしたらそこまでの思いには至らないかもしれませんね。
親父の乗ってた初代レオーネといい、伯父の乗っていたコンソルテEP30といい、そして従兄の乗っていたこの810ブルーバード1800SSS-E・Sといいレア車に囲まれていたので、今の私が形成されPB210エクセレント所有するに至ったのかも知れませんね (汗
参考物件
モーターファン 昭和51(1976)年9月号
モーターマガジン 昭和52(1977)年1月号
オーナーのための点検と整備 ブルーバードU
カタログ ブルーバード1600 1800 Series
参考にさせていただいたブログのみん友様
Gure様
徳小寺無恒様
meganet様
さて平成26(2014)年最後のブログはこれにて終了です。
来年はそろそろ本業のスキルアップを少し考えなくてはなりませんし、嫁殿からも「パソコンばっかりやって」と言われる頻度が多くなって来た気が致しますので、みんカラ活動は今以上に縮小するかもしれません。
エクセレントは3月の車検切れを期に少し疎かになっていたメンテナンスに力を入れていこうかと思います。
それとエクセレント&4マニュ合同ミーティングの開催も忘れては行けませんね (^^;
地元の旧車イベント、第3回ミチノクレトロカーズセッションを主催のKさんを支えスタッフの皆さんと共に成功させる事。
みんカラはもっと文章力をつけてより内容の濃いものにしていきたいと思います。
お越し頂いた皆さん、本年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
本日の動画 ブルーバードヒストリー
810ブルは3.02からです。