SCR-B2と同時期に発売されたと思われるモノラルラジカセ。こちらは当初お迎えしないつもりでいましたが、よくよく見るとデザイン以外に、最近のラジカセではすっかり失われたような特徴を色々持っているのが気になり、結局お迎えと相成りました。
※2019/5/30.追記 カタログ落ちしたのか、HPから消えていました…
こちらの元ネタは1974年発売のナショナル RQ-448"MAC ff" (以下オリジナル)。トランスミッターとしても使えるワイヤレスマイクを搭載し、当時爆発的に売れた機種です。私は実機を所有していませんので、こちらのサイトをご参考に。
http://plaza.harmonix.ne.jp/~ita/1123/RQ448.htm

外箱。個人的には、ダンボール地の色だったらもっと当時っぽくなったかも知れません。

全体。オリジナルは渋い感じの緑色ですが、サンスイ版は銀色でだいぶ雰囲気が違いますね。パッと見重厚感ある見た目ですが、持ってみるとかなり軽いので不思議な感じがします。 (70年代のラジカセは小型でも重いのが当たり前) サンスイのロゴが印刷ではなく、ちゃんとロゴのパーツを貼り付けている辺り芸が細かいです。
タイトルにもある通り、ワイヤレスマイクはありません。そのためスピーカーの格子が1列増え、新たに内蔵マイクが設けられています。

背面。こちらはSCR-B2とは違ってオリジナルの雰囲気が残っていますね。コードも同じ背面出しになっています。


ボタン、ツマミ類は質感こそチープなものの、オリジナルの形状そのままです。ただ、マイクミキシング、短波受信機能は省かれています。その代わり、トーン調整1個のみだった音質調整ツマミが低音、高音の2系統に分かれたタイプになりました。現代のモノラルラジカセでは異例の豪華装備です。
こちらはスリープ機能が健在。

こちらも恐らくラジカセに搭載されるのは30数年ぶりと思われる、針式のパワーVUメーター。
ただし、名前の通り音量の大きさに比例して振れ幅が変わる、いわゆるパワーメーターなので、かなり音量を上げないと元気よく振れません。他に所有するパワーメーター装備の子達…もとい機種だと部屋で鳴らせる音量だとうんともすんとも動かないのに比べ、幸いこちらはメーター自体が小さいためか、同じくらいの音量でもそれなりに振れてはくれます。
オリジナルでは更に電池残量、録音レベル、ラジオ同調が表示できますが、サンスイ版は前述の音量レベルのみ。せっかく目盛りが振ってあるのに実にもったいないです。

そのVUメーターがあるチューニングスケール部は、オリジナルと違って白基調のデザイン。なぜかダイヤルの針が透明なプラ板になっているので少々合わせづらいです。個人的には、せめて縦線でも引いて欲しかったところ。

ラジオに切り替えると、なんとダイヤルライトが点灯! この機能は説明書には書かれていなかったので意外でした…。因みにオリジナルでは、別に設けられたボタンを押している間のみ点灯するようになっています。

カセット部。メカはSCR-B2とヘッド以外同じ物のようです。右上の黒い四角のスペースは、オリジナルではテープカウンターが付いていますが、サンスイ版はありません。欲を言えば付けてほしい所ですが、近年ポータブルテレコでもカウンター付きの物を見かけなくなったので、部品自体もう作っている所が無いのかも知れません。
また、箱絵ではカセット部周囲がオリジナル同様に黒く塗られていますが、現物は塗られていません。少し残念な点です。

カセットテープを入れたところ。
音質の方ですが、ハイパワー4.8w出力を謳っているだけあってパワフルな音を奏でます。(オリジナルは最大2.5w) さらに前述の2系統に分かれた音質調整によって、表現力はオリジナルより向上していると思いますね。そこに針式のVUメーターという視覚効果も加わるので、使っていて楽しいラジカセに仕上がっています。
ただ、個体差なのか仕様なのかモーター音が大きめで、静かな曲や曲間の無音部分では気になる事がありました。また、他所有のモノラルラジカセ同様、カセットテープとの相性が悪いのか正常に録音された物でも音がこもる事がありました。モノラルラジカセの構造上仕方ない事なのかも知れません。


とまあ、今一つな部分も多けれど予想以上にいいラジカセでした。旧車にお乗りの方なら、イベント等で展示する際のアクセサリーとしてもちょうどいいかも知れません。
近年はカセットテープが静かなブームを見せていると聞きますが、まさか今になってこんな物まで出てくるとは思いませんでしたね。サンスイのラジカセが、今後もこの路線で行くのかどうか気になるところではあります。
80年代初頭に流行った大型ラジカセもいつか復刻されたりしないかな…?
~~余談~~

電池ボックスの奥に電圧切り替えスイッチの取り付けスペースがあるのを発見。SCR-B2同様、こちらにも元の姿があるのか気になります。
Posted at 2017/11/25 14:26:05 | |
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