
専門学校に通っていた頃は買い物や帰省の足として、それ以外では新潟以南へ旅行する際の足として、何度もお世話になった新潟の115系。気がつけばあれからもう10数年… 後継車E129系の台頭で、新潟県内どこでも見かける存在だった115系は次々と淘汰され、今や現役で残るのはわずか7編成に。越後線や信越線でわずかな運用がある程度にまで数を減らしています。
これは来年も走っているかどうかわからない…という事で、今月7日に休みを取って乗り納めに行ってきました。
初めに述べておくと、現在残っている115系は全て近年長野から車両置き換えにより転属してきた編成で、長年新潟を走っていた編成は今年初めまでに全て引退してしまいました。なので厳密には当時とは異なる車両で、且つ初乗車となりました。

酒田7:00発の822Dに乗車していざ出発!

何度乗ってもこのノスタルジックな雰囲気の車内、たまりません! 今後どの位、この車内から海を眺められるだろうか…
何気に今年初乗車なキハ40系を堪能しつつ、11:05に新潟到着。

4月の
三重旅行の際はまだそのままだった旧ホームはこんな状態に…
長年見慣れた新潟駅は急速に姿を変えようとしています。

いよいよこの風景も思い出だけの存在になりつつありますね。 あの頃が懐かしいです…

しばらくするとお目当ての115系が1本入ってきて、現行のE129系と先輩後輩同士の2ショットが撮れました。こうして見ると、世代交代をまじまじと感じますね… 確かにE129系はより静かで車内も快適なのですが、個人的に先代と比べグッと無機質になってしまった顔のデザインはまだ慣れるまで時間がかかりそうです。
やはり同じ想いを抱く人は多いようで、私の他数人がカメラを向けていました。

ホームの蕎麦屋で昼食を経て13:20。今回乗車する柏崎行の142Mが入ってきました。数色ある中で当たったのは「懐かしの新潟色」編成。115系以前に新潟を走っていた70系に施されていた塗装をイメージした物で、去年初登場した色です。
ホームが現代的な物に変わった事もあって、レトロな車体がますます引き立って見えますね。
いよいよ出発です。

車内に入ってビックリ。内装やシートの色がほぼ原形のままでした。個人的に長野の115系は3年前、廃止間近だった妙高号に乗りに行った際初めて乗ったのですが、内装が大幅に更新されていたため、てっきり長野車は全てそういう仕様なのだと思っていました。新潟と同じく、原形と更新の2種類あるんですね。
銘板の製造年を見たら、まさかの81年生まれで更にビックリでした。この子もシーラカンスだったのね…

14:20
吉田駅で約1時間の長時間停車。他の乗客がほとんど降りたので、じっくりと各部を見て回る事ができました。

16:56
柏崎に到着。新潟に着いた時から空は雨模様でしたが、この頃にはすっかり止みました。
旅の計画中に駅周辺を調べていて偶然気に留まり、是非訪れてみたいと思った場所があるので、まずはそこへ足を運びました。

それがここ「林玩具店」です。流石に古いトミカやプラレールは残っていませんでしたが、キャラ物のデッドストック品が豊富で、このアニメ小学生の頃TVでやってたな~…と思える懐かしの品々と多数出会いました。プリキュアも初代から現行までのグッズが並んでたのは少し驚きましたね。
他には蛍光表示管時代のLSIゲームもいくつか残っており、予想通り貴重なおもちゃ屋でした。

夕食は父親おすすめの鯛茶漬けを。出汁がまろやかで予想以上に箸が進む味でした。

20:20
帰りの175Mは行きと同じ編成でした。というわけで、私の新潟115系乗り納めは懐かしの新潟色編成が締めくくる事に。個人的にいつも見慣れた存在だったキムワイプ新潟色には乗れなかったのが少し残念でした(辛うじて途中すれ違った)が、乗り心地やモーター音などを存分に堪能できたのでもう満足。

新潟で一泊し、次の日はこちらも是非訪れてみたかった新津鉄道資料館へ。
予想以上に展示物が多く、中には貴重な物も多々ありとても見応えがありました。ここで紹介するとキリがないので、是非とも現地へ足を運ぶ事をお勧めします。

201系の運転シミュレーターも初体験。列車をピッタリ停める事がいかに難しいかがよくわかりました。

屋外の保存車両では、3年前奇跡的に切符の抽選が当たり、ラストランの最初から最後までを見届けた485系 T18編成の先頭車と再会。やはり感慨深いものがありましたね。

ここに収蔵されたキムワイプ新潟色の115系ともようやく出会いました。念願だったトレーン製ダイキャストモデルと実車の新潟色同士を並べる事ができて嬉しい限り。

こちらも初めて間近で見る事ができて嬉しかったDD14型ロータリー除雪車。特に後ろ側は海外のディーゼル機関車を彷彿とさせるデザインが個人的に好き。(原型の丸目1灯なら尚更)
現役時代はあり得ませんでしたが、こちらを先頭に客車や貨車を引く姿を見てみたかったものです。

鉄道資料館をたっぷり楽しんだ後は、去年のきらきらうえつ乗車以来の831Dに乗ってのんびりと酒田へ帰りました。
今回当たった車両は元小牛田のキハ48。一昨年初めて乗った編成ですが、なんとシートが薄茶色から原形の青に戻されていました。調べたところ、どうも今年に入ってから張り替えられたようです。
後年の改造による2+1の座席配置だとちょっと奇妙に見えますが、個人的にやっぱりこの色のシートが一番似合います。
そんなわけで、郷愁あり新たな発見ありの濃密な2日間となりました。最期の時が近い115系ですが、その時まで元気に走りきってほしいですね。
因みに、懐かしの新潟色と共に去年復活した新潟一次色 (キハ40系と同じ色) の編成とは今回遭遇できなかったので、姿を消すまでの間に見られる機会があるといいです。
(ここまで画像を見ていればもうお気づきだと思いますが、乗った車両がE129系を除いて全て国鉄型車両という地味に貴重な旅でもありました…)
~~余談と新潟115系の思い出~~

柏崎駅前でこんなバギーを積んだトラックに遭遇。何の競技で使うタイプなんでしょう? とりあえず、エンジンがボクサーという事はわかりました。この辺りの海岸かどこかに競技できる場所があるんでしょうか?
三重旅行の記事の最後で四葉タクシーに対する個人的な妄想を述べましたが、もう既に現実と化していました。待ち焦がれた英国調ルックな四葉タクシーの誕生です。

当初から新潟向けに作られた編成以外に各地から車両が集められた関係で、実に多彩な顔ぶれだったかつての新潟115系。60年代に製造された初期型も含まれており、中には引退時点で半世紀以上経った車両もありました。
これらが頻繁に出入りし、あちこちでブロワー音や唸るモーター音、やたらうるさいエアコンプレッサーの音が鳴り響くのが、近年まで新潟駅の日常風景でした。

初期型車の車内。扇風機がある事と、シートの幅が他の編成より狭いのが特徴でした。吊り革のパイプにも違いがあります。当然全体の中でも数は少なく、乗れたらラッキーな編成でした。

こんな面白い番号の車両がいたのも今は昔… 角の丸い窓は初期型車の外観上の大きな特徴です。

去年の2月、廃止間近だった485系糸魚川快速に乗りに行く道中で乗った115系。今回乗った115系と同じ色ですが、全くの別物です。この車両は今年初めに廃車となったため、これが新潟生え抜きの編成に乗った最後となりました。