
去年の12月、7年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたアルト。個人的に、現愛車の先代と比べて魅力が落ちた…というのがカタログを見ての第一印象でしたが、先月末近くになって近所のディーラーにようやく試乗車が。やはり実際に触れて乗ってみないとわからないという事で、乗りに行ってきました。



試乗車は先代のF及びLに相当するLにアップグレードパッケージを付けた物で、奇遇にも色は現愛車と同じアーバンブラウン。
まず外観を見た限りでは、「ちょっと大きくなったな」という印象でした。先代がやや低めに構えたプロポーションで、デザインも相まっていかにも"ザ・アルト"という感じだっただけに、なんだか全く別のクルマのようでした。


車内も劇的に変化。前席は先代よりもフロントガラスが立っているおかげで、若干感じていた天井の圧迫感が無くなり、ゆったりと運転できました。ボンネット左右が盛り上がっているため、コーナーポール無しでも先端の感覚が掴みやすかったです。ダッシュボードは個人的に先代の平板なデザインの方が好きですが、ドリンクホルダーの位置が変わっていたりと使いやすさは向上していました。 (メーターのスイープ動作が無くなっていたのはちょっと残念。左右の空調吹き出し口は、先代同様サイドデフロスターを兼ねる合理的設計)
走りの印象は先代と特に変わらず、若干大きくなってしまった最小回転半径(4.2m→4.4m)も全く気になりませんでした。


先代でもその広さに驚いた後席は、リアゲートがフロント同様立った物になったため、足元の広さはそのまま更に快適な空間になっていました。シートを畳んだ際の広さも若干ながら上がっている感じ。また、サイドウインドウの切れ上がりも緩くなった事で窓が大きくなり、先代では若干感じていた暗さもありません。もちろん、バック時の左後方の視認性も向上。

エンジンが先代と変わっていないせいか、エンジンルームの雰囲気はほとんど同じ。
そんなわけで、先代と比べて良い面でしっかり進化している事がわかりました。その時残っているかはわかりませんが、スマイルと共に、次期愛車の選択肢が増えましたね。
惜しむらくは価格が最低グレードでも100万を超えてしまった事 (Aグレードの2WDを除く) と、多様な個性に応えると言わんばかりに用意されていたユニークなオプション群が凡庸な物に整理されてしまった事でしょうか。前者は保安基準絡みによる物で、今までグレードによって違っていた安全装備が全車フル装備になったり、エアバッグの増加、オートライトシステムの標準装備化 (ライトスイッチにオフが無くて戸惑いました…最近の新車はもうこれが当たり前だそう。確かに点け忘れは防げますが…) 辺りが影響しているようです。後者はディーラーの方曰く、それらオプション群は先代のフルモデルチェンジにあたって幅広い層にアピールするための実験的な面があって用意された物らしく、結局需要層は思った程変わらず (先代のバンに相当するAグレードを新たに設定したのも、法人需要が変わらず根強いためだそう) 、それらを選ぶ人も少なく大幅整理になったとの事でした。確かに、地元でも付けている人は全くと言っていい程見かけませんし… 安さ以外で、アルトの"みんなのためのクルマでありたい"という気概を個人的に一番感じる部分だったので寂しいです。

現愛車を選んだ理由の一つだっためがねガーニッシュも無くなってしまったのには悲しみすら覚えました。CMでは先代の初期のそれと同じく眼鏡のイメージを出しているというのに… ただ、よく見るとプレスラインとして名残があるので、いずれその部分に貼るステッカーという形でオプション設定されないだろうか…?
でも、やはり一番悲しかったのはMTの設定が無くなった事でしょう。現愛車にすっかり慣れてしまったせいもありますが、試乗中、これをMTで転がせたら最高なのに…という思いがずっとありました。「ワゴンRの例があるから、もしワークスが出るならその時同時に用意されてほしい。MTの無いアルトなんてありえない。」と、ディーラーの方も熱望していました。
昨今の車を取り巻く変革を見ると望み薄ですが、これまで通り用意されてほしいところですね。サイドブレーキレバー手前、妙に中途半端なサイズのコンソールボックスがあるスペースに、その願いを託して……
そういえば、派生車種のラパンもそろそろモデルチェンジが近い年数ですね。似通った形になっただけに、次期型は顔とお尻と内装を変えた姉妹車になるのでは…という気がしてきます。
Posted at 2022/03/18 20:51:11 | |
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