ホイールナット買ってみた

みん友の皆様　大変ご無沙汰してます。海外赴任により某国で6年間を過ごし、日本に戻り1年が経ちました。

そんなことは、置いておいて年甲斐もなく買ってしまったホイールナットMONOLITHについて少し語りたいと思います。


協永産業殿のHPより抜粋しましたが、左と真中の写真はナットフォーマー、右のアミアミはハンガー式の鍍金装置ですね。

コレにより、製品は冷間鍛造で素材成型＋表面処理は自社でやられていること思われます。



工具穴を観察しました。
冷間鍛造の肌が残っております。穴底部の角Rは0.5程度付いていますが、鍛造性を良くする為の形状を取っていません。製品の強度を維持するための処置と考察しますが、型寿命は悪そう（汗）
消費者に取っては、有り難く協永殿に感謝です。
工具穴の面取りは、恐らく切削加工によるものでしょう。この際に同士加工で、工具形状の全周で面取り(バリ取りツール)を使用していると思われます。


次は、ネジ加工について。
素材はSCM435の冷間鍛造素材(フープ材)で、粘り気のある材料です。
コレが色々面倒を起こすのですが…


流石、老舗のメーカー殿。右の写真のようにムシレが発生し易い材質ですが、上手く克服してました。
直接ホイールと接触するテーパー面は、鍛造肌と思われます。冷間鍛造特有の加工硬化も手伝い、金属組織が密になっているので耐摩耗性が高そうです。




最後に、熱処理と表面処理の話。
製品を見るといわゆる梨肌の所が残っており、バレル研磨をされているようです。


バレル研磨も色々ありますが、イメージは上の絵の通り。
研磨する砥石と製品を一緒に回転させます。砥石の大きさや形状により、細かな所に当たらない為、梨肌が若干残ります。





また、熱処理をした時に酸化スケール(写真左)が付着するので、光沢を付けながら同時にスケール除去をしていると考察します。

長々と書きましたが、工数を掛けた良い製品と思います。

貴方もMONOLITH党に入りましょう!

では…