たくさん食べると笑顔になる

実家まではクルマで約２時間。
そんなに遠い距離ではないけど、帰るのは正月以来。

父親も母親も、もうそれなりの年。
思い通りにカラダは動かないらしい。

リンさんを連れて実家に帰った。

庭の木になっている夏みかん、ちぎって持って帰れという。

「リンは食べるのか？」と聞くので
「皮を剥いてあげれば食べるよ」
「じゃぁ、ワシが剥いてあげよう」

リンさんはいつものようにパクパク食べる。

「おお、お前みたいな犬は初めてだ、おもしろいのう」
父親は昔、秋田犬を飼っていたがレトリーバーの食欲を目の当たりにするのは初めてなんだろう。
たかが犬のため、硬い皮の夏みかん、１個まるごと渋皮まで、笑顔で剥いてあげていた。

リンさんはいつものようにパクパク食べる。

「他の野菜も食うのか？」
「なんでも食べるよ、ねぎはダメだけど」
と言うと今度はチシャを持ってきた。

リンさんはいつものようにパクパク食べる。

「おもしろい犬じゃのう」
終始笑顔だ。

父親はこないだ誕生日を迎えたばかり。
80はとっくに越えてる。

今回は
「おコメをもらいに行くから」
という理由で帰省。

次はどんな理由で帰ろうか。