「俺の車は合法改造だよ~」
よく耳にしますね。とってもいいことだと思います。俺は。
合法があるってことは違法もあるわけで。その線引きをしているのが「道路運送車両法」になるわけなんですね。
「道路運送車両法」と「道路交通法」はまったく別の物なので、混同しないようにしましょう。
道路運送車両法の中に、改造についての記載も多々あります。
その辺は少々割愛(っていうか俺もよく知らんし。仕事で使わないから。)させてもらって、今日は自動車の部品で、後から変更することができる物。
「指定部品」
についてちょっと話してみようかと思います。
平成7年。規制緩和によって、使用過程の自動車について、軽微な変更となる自動車部品の取り付けについては構造変更の申請をしなくてもいいよ~。となりました。
軽微な変更って何だ?
小型自動車、軽自動車の場合
全長±3cm 全幅±2cm 全高±4cm 重量±50kg
普通自動車 大型特殊自動車の場合
全長±3cm 全幅±2cm 全高±4cm 重量±100kg
この範囲内で自動車の何かが変わっても、届け出をしなくてもいいですよ。ってこと。
よく聞くのはオーバーフェンダーじゃないかな?
「オーバーフェンダーは片側1cmまでじゃないとダメ!」っていうのは、この全幅±2cmという「一定の範囲」を超えてしまうからなんだね。
左右均等に付ける場合、オーバーフェンダーの厚みが1cmを超えてしまうと、構造変更届をしないと車検適合にならないわけなんです。
※補足
厳密に言うと「オーバーフェンダーの厚みが1cmを超えてしまうと、構造変更をしないと車検適合にならない」というのは間違い。
オーバーフェンダーのパーツが、車検証記載値よりも2cmを超えた場合に変更届が必要。
ゆえに、Z33のように全幅の最外側がリアフェンダーだったりする場合、フロントフェンダーに片側2cmのオーバーフェンダーを取付けしても、リアフェンダー部の最外側の+2cm以内(一定の範囲内)に入ることもあり、厚み1cm以上のオーバーフェンダー装着が一概に違法改造になるともいえないのである。
なので、『車検適合』とか『合法』という一つの区切りは、この「一定の範囲内」というものになります。
クルマをイジイジするのが好きな人ですと「あれれ?」って思う部分が出てきますね。(^^)
例えば、ノーマルで最低地上高が18cmの車があるとします。
車高調付けたぜ~!ひゃっほ~う!ヾ(*´∀`*)ノ゛
早速ベッタベタに下げてやるぜ~!8cmも下げたぞ!最低地上高は10cmだから、法律で決められた「最低地上高9cm以上はクリアしてるね!バッチリじゃ~ん!(*≧m≦)=3
もう一度、上の「一定の範囲」の数値を確認してみましょう。
自由に変更できる範囲として、全高は±4cmまでと決められています。
車高調でノーマルの状態より8cmもローダウンした車両は、たとえ最低地上高9cmを確保していたとしても、一定の範囲を超えてしまうので違法改造とはならないのでしょうか?
ならないのです。(`・ω・´)
これは、「指定部品」というものが関係してきます。
指定部品とは、『自動車使用者の嗜好により、追加、変更等をする蓋然性が高く、安全の確保、公害の防止上支障がないものとされている自動車部品』と規定されています。
エア・スポイラ
フェンダーカバー
フードスクープ
ルーバー
デフレクター
ルーフラック
ルーフボックス
ロールバー
エキゾースト・パイプ
マフラーカッター
タイヤ
ホイール
コイルスプリング
ショックアブソーバー
ストラット
ストラットタワーバー
えとせとらえとせとら・・・
これでもまだ一部。かなり多岐にわたって指定されております。
これら「指定部品」は、固定的取付方法、恒久的取付方法(修正 恒久的取付はダメだったwスマヌ)
によって取付けされた場合、「一定の範囲」を超えていても構造変更の届け出が必要ありません。(装着した状態で保安基準に適合していることが前提となります)
指定部品の中に「コイルスプリング」「ショックアブソーバー」が入っていますので、いわゆる「車高調」は指定部品となります。指定部品なので、全高が±4cm以上変わっていても構造変更申請の必要がなく、車高調自体の装着は合法といえます。
(車高調のように任意で車高調整ができる部品は、調整代の最小値と最大値の中央が、その装置を装着したことにより変更された高さ。となるようです)
トラバ先の 風が先生 のところで
>4Cmのダウンサスを認めるという特例がなければ違法改造です。
と書かれていますが、指定部品は特例か?というと、それはちょっと違うかな?と私は思います。
上にも書きましたが、指定部品は『自動車使用者の嗜好により、追加、変更等をする蓋然性が高く、安全の確保、公害の防止上支障がないものとされている自動車部品』となっています。
この文言の通り受け取れば「ユーザーさんの好きなパーツを付けてもいいですよ。ただし、安全な物、公害を出さないものでお願いします。保安基準は守ってくださいね。」と読んでいいのではないかと思います。
規制緩和前、あっきぱぱさんも書いてるけど「車高が1cm高くて怒られたったwww」なんてね、ほんとに普通にあった話。今では考えられないほど厳しかった時代。
AW11がミッドシップゆえ、リアタイヤを太くしたいと当時は運輸省かな?にトヨタが打診した所、
「ダメだダメだ!前後でホイール、タイヤサイズを変えるなんて言語道断!もってのほかだ!(#`皿´)」
と、一刀両断。
泣く泣く中途半端なタイヤサイズで発売。テールハッピーな危なっかしいミッドシップスポーツが誕生したのは有名な話。(^^;
そんな時代から見れば、今はなんて恵まれているんだろうね~
枠の中で遊んでいれば、お上も目くじら立てたりはしませんよね。
ただこの「枠」の線引きが微妙ってのがまた、なんとも・・・(^^;


あっきぱぱさんのブログに出ていた一文を拝借して
>購入後、使用による経年劣化を含む自然現象的変更を除いて手を加えたものは、構造変更検査を受けるのが本来の筋。
>合法改造を名乗るには、構造変更検査を受けて然るべきだと思うのですね。
まあ、そうです。その通り。
な・ん・で・す・が
あたくしの実体験なんですけどね。
むか~しむかし、ろんぐろんぐたいむあご~。
店、いや会社全体かな?「改造車」に対してちょっと ピリッ となった時期がありましてね。
違法なものはもちろんダメなんですが、合法、合法であろうものもやや視線が痛い時期がありました。
当然、あたしは改造車に命かけてましたから?w(命かけるってどっかのSNSで流行ってんの?w)
チクチク言われながらも逃げ回ってたんですが。特にVERTEXのフロントバンパーを言われてました。
全長が飛び出ているんじゃないか?と。。。
「も~うんざりだ!公認取ってやる!(#`皿´)」
と、休みの日に陸運支局へ行きまして、改造車検を受験したんです。車検はかなり残ってたけど。
で、陸運局の検査ラインで検査官に
「会社からね、バンパーが長いって言われるんですよ。(TへT)」
『車検、結構残ってるねぇ。(・ε・` ) 』
「そうなんですよぉ。だから、できれば『記載変更』でお願いできればな~って。(人´∀`)」
『これ、足回り換えてる?(・ε・` ) 』
「Cリング車高調になってます。(´・ω・`)」
『あ~、じゃあダメだ。構造変更だね。(・ε・` ) 』
(ふぐぅ・・・。・゜・(/Д`)・゜・。)
『でもさ、言われてるの、バンパーの長さでしょ?(・ε・` ) 』
「はい~。(´・ω・`)」
『バンパーは指定部品だから、全長は関係ないよ。(・ε・` ) 』
「(´・ω・`)?」
『極端な話、バンパーが長くて1m飛び出ようが2m出ようが合法だよ(・ε・` ) 』
こーゆーこと↓

(ついでに書くと、マフラーも指定部品なので車両後端からはみ出ても(一定の範囲を超えても)合法です。
ただし、マフラーエンドの形状(エッジ状)によってはNGとみられる場合もあります。っていうか、たいていNGと見られる。)
2018.6 追記
マフラー排気開口部に係る基準が廃止され、新しく規定が追加されました
「マフラーは自動車の最後端にならない位置であること。ただし、排気管部分を除いた場合の自動車の最後端からの突出量が水平距離で50mm以内であれば最後端であるとみなさない。
(ようするに、マフラーの飛び出しは50mm以内にしろってこと)

「そうなんですか?( ̄□ ̄;)
それって、なんかに書いてありますか?」
『この(保安基準)ハンドブックに書いてあるけど。(・ε・` ) 』
「・・・・・でも・・・・一応、公認取りたいんですけど。。。(ーー;)」
『ん~・・・・・合法なものを改造車検通すわけにもいかないんだよねぇ・・・
今のままで公道走っていいですよってなってるものを、公認ってのもおかしなはなしでしょ?(・ε・` ) 』
ガーン!( ̄□ ̄;)
「も、もし差支えなければ、今日このように説明されたと会社に報告してもいいですか?検査官のお名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
『ええ、かまいませんよ。私は車体課の○○○と申します。(・ε・` ) 』
そんなやりとりをやりに、休みを一日潰してやってきました。┐('~`;)┌
翌日に工場長にそのまま話して、「俺の車は大丈夫です。」と言い切ったんですが。
まぁ、独断でいきなり陸運局に乗り込んだんで、あんまりいい顔されませんでしたけどね。(=ω=)
でまぁ、なにが言いたいかっていうと、いくら後付けパーツが満載でも、合法な状態の車は構造変更できないのよね。┐('~`;)┌
「改造したなら公認をとれぃ!」はそうなんだけども、お上からすると「公認申請は煩わしいので、いじるならこの枠の中でやってくれい。」ってことなんだと思う。
「枠」の境界をギリギリまで狙っていくのが悪いとは思わないけども、できることにかなり制限はありますが、枠の中で遊ぶのもまんざらでもないですよ。(^^)
ただまぁ、どうしても限界はありますけどね~
枠内じゃ326POWERみたいな車は作れませんけどね~(^^;
前にもちろっと書いたけど、オイラは326POWERの車づくりは好きです。
ドベタが好きとかアウトリップが好きとかじゃなくて、あんな一見「ショー展示用でしょ?」みたいな車がちゃんとドリフトできちゃうなんて、オイラとしては単純に「すごーい!( ̄□ ̄;)」って思うわけです。
クルマなんだからね。やっぱりちゃんと走れないと。。。
ステアリングが一回転しか切れないとか、まっすぐ走らないとか、そういうのは最低限の部分ですらどうかと思ってしまうのですが。。。
うむ。なんか好き放題書いてしまったが。。。
「一定の範囲」と「指定部品」ね。この辺もよく考えて、いじっていったらいいんじゃないかな。
ま~なんだ、極端な話、車検に出す時はノーマルに戻してきてくれると嬉しいです。。。orz
「簡易的取付」と「固定的取付」と「恒久的取付」の話は、また機会がありましたら・・・(^^;
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Posted at
2017/08/16 17:30:09