盛岡駅までやって来ました。
盛岡からは山田線の快速リアス号宮古行きに乗車します。
2015年(平成27年)12月11日に松草駅~平津戸駅間で発生した土砂流入の影響で長らく不通となっていましたが、2017年(平成29年)11月5日に全線で営業を再開しました。
岩泉線と同様に復旧されずそのまま廃止かと思っていたので、うれしい報せでした(^^)
上米内駅で上りの快速リアス号盛岡行きと列車交換のため少々停車です。
1923年(大正12年)の開業当時のレトロな木造駅舎が残っています。
小さな駅ですが有人駅で、出札窓口もあります!
運転取り扱い業務のため有人駅となっており、列車の停車・通過時には駅員がホームに立って列車を見送ります。
窓口の営業時間は6時50分から13時45分までで少し変則的になっています。
運転取り扱い業務中は窓口が一時的に閉鎖されます。
上りの快速リアス号は後で到着して…
先に発車していきました。
上米内駅から先は本格的な山岳区間に入ります。
キハ58やキハ52などの旧型気動車が走っていた頃は急勾配を喘ぎながら上っていましたが、現行のキハ110系は軽量車体かつ強馬力のエンジンで軽快に上っていきます。
かつてこの先には個人的に山田線で1番のお楽しみが存在していました…。
東北四大秘境駅に数えられる(勝手に決めたったw)大志田・浅岸・押角・赤岩のうち、大志田・浅岸の両駅が山田線にありました。
大志田・浅岸の両駅は2013年(平成25年)1月1日から冬季休業するようになり、2016年(平成28年)3月26日に廃止となりました。
岩泉線の押角駅は2014年(平成26年)4月1日に廃止となりました。
奥羽本線の赤岩駅も2012年(平成24年)12月1日から冬季休業するようになり、2017年(平成29年)3月4日からはすべての列車が通過する通年通過駅となってしまい風前の灯…ランキング上位の秘境駅が一気に駆逐されてしまいました(T_T)
画像は在りし日の赤岩駅です。
大志田・浅岸・押角の各駅は、駅の立地や乗降客数・停車本数の少なさはもちろんのこと、元スイッチバック駅であることも個人的にポイントの高い駅でした!(赤岩駅も元スイッチバック駅ですが停車本数は比較的多かったです)
その昔、1日で大志田・浅岸の両駅訪問を企てて、真夏にアップダウンの激しい林道を10数キロ歩いて死にそうになったのは、今となってはいい思い出です(笑)
押角駅は現役当時に訪問することができず、廃止後に代行バスで訪問しました。
赤岩駅は列車と車の両方で訪問したことがあります。
話がかなり脱線しましたが、大志田・浅岸両駅の現状を確かめるべく先頭で展望ビデオ(いわゆるかぶりつき)をしてみました(笑)
大志田駅跡。
木造の小屋の手前辺り、線路の右側にホームがありました。
準備不足でいまいちな写真しか撮れませんでした(T_T)
線路際のコンクリート柱と少し離れた黄色い柱の間辺りにスイッチバックの引き上げ線が延びています。
保線関係の小屋があるからか、駅前まで除雪されています。
その気になれば、真冬でも到達できそうですね?!
駅前の道路を下ってしばらく行くと、人が住んでいる民家もあります。
スイッチバックがあった所には以前と変わらず木が生い茂っています。
続いて浅岸駅跡。
坂を上り切り、線路がフラットになった所(線路の右側)にホームがありました。
こちらもホームが跡形もなく撤去されています。
線路右手の木が生い茂っている所にスイッチバックの引き上げ線が延びています。
ここも駅前まで除雪されています。
勇気ある者の挑戦を求む(笑)
降り積もった雪と生い茂った木々で何が何だか分かりませんね(^^;
ここで大志田・浅岸両駅の在りし日のお姿を…
画像は2015年度の冬季休業直前の11月23日に大志田駅を訪問したときのものです。
翌年冬眠から目覚めることなく浅岸駅とともに永眠されました…
停車本数が極端に少なくて訪問に苦労しました。
廃止直後の2016年4月2日に訪問したときの大志田駅です。
スイッチバックの引き上げ線跡や旧ホームが残っています。
同じく2016年4月2日に浅岸駅も訪問しました。
スイッチバックの引き上げ線跡はかろうじて分かる程度で、旧ホームも道路で寸断されています。
再び現実に戻り…
浅岸駅に続いている(それだけではありませんが)林道は真っ白ですが除雪されています。
浅岸駅から離れた所に人の住む民家があります。
林道は区界峠手前の国道106号まで続いています。
急勾配を上り切ると区界駅に到着します。
標高744mで、山田線の最高地点であるのと同時に東北地方最高所に位置する鉄道駅だそうです。
訪問時は列車交換可能駅でしたが、2018年(平成30年)3月25日に運行体系の合理化に伴ない交換設備が撤去されてしまったそうです。
上りの快速リアスから下車したと思われる方がホームにいます。
この駅も1928年(昭和3年)開業当時の木造駅舎が残っています。
JR東日本管内の有人駅で最も利用者数が少ない駅ですが運転取り扱い業務のため有人駅となっており、列車の停車・通過時には駅員がホームに立って列車を見送ります。
窓口の営業時間は5時45分から20時45分までです。
ここで下車すると次の列車まで6時間近くありますが、列車にこだわらなければ駅前の国道106号を岩手県北バスの106急行が1時間に1本程度運行されているので、比較的訪問しやすいですね。
訪問直後に列車交換設備が撤去されたことで、貴重なショットになってしまうとは夢にも思いませんでした。
区界駅を出発すると、左手に区界高原が広がります。
背後の山は兜明神獄です。
この列車は停車しませんが、途中の川内駅も上米内・区界の両駅と同様の理由で有人駅となっています。
※画像はイメージです
陸中川井駅に到着です。
かつては2面3線の列車交換可能駅でしたが、現在は駅舎側のホームのみ使用した1面1線です。
茂市駅に到着です。
元岩泉線の分岐駅で、上米内・区界・川内の各駅と同様の理由で有人駅となっています。
茂市駅を過ぎるとすっかり雪もなくなりました。
閉伊川沿いにしばらく走ると終点宮古駅です。
各駅のことを調べていると気になる情報を入手しました。
2018年(平成30年)4月22日に盛岡駅~宮古駅間で列車集中制御装置(CTC)が導入されるのと同時に、上米内・区界・川内・茂市の各駅を無人化することがJR東日本盛岡支社で検討されているそうです。
地方ローカル線における経営の合理化は致し方ないことではありますが、駅が無人になり切符が購入できなくなるのは残念でなりませんね。
せめて、古い駅舎だけでも残してもらいたいところです。
その3に続きます。