
ドライビング初心者として月に1回程度スクールに通い続けて早三年、色々気づきがあり
ました。
以前のブログで、誰かの役に立つことは秘密にせず伝えよう、と書いた記憶があります。
今、私の中で一番大事と思っていることを徒然なるままに書こうと思います。
それは
結局は、目線が一番大事
って事です。
簡潔で非常にシンプルです。
ですが、細々としたあらゆるドラテクの習得と比較しても最も難しいと思います。
難しいと思わない人は、それでOKだと思います。
素人の戯言と思って、これ以上読まないでください。
私はずっと、本当にずーっと目線について悩んできたので、最も難しいと思っています。
今でも出来ていませんし。
スクールに行くと、もの凄く運転が上手で、もの凄く早いタイムを出して、もの凄く安定感ある走りをする猛者ばかりです。
そんな人たちが日常的に無線で注意されているのが
「目線が近いですね」
と言うことです。
要するに、
出来ていると思っている人も殆ど出来ていないのが、目線です。
ちょっと話がそれますが、
これを考えるたびに、 人間て凄いな、と思うのですけど。
人間が自分で走る速度って大した速さではないんですよね。
普通、人間が必要な動体視力って走る速さ程度で良いと思うんですよ。
ですが、自動車を運転して100km/h出しても誰でも運転できてますよね。
これって凄い事だと思うんです。
でも、本当にちゃんと見えてるのか、視界に入る景色を全部頭で処理しているのかと疑問に思うことありませんか?
私は疑問に思うのです。
んで
たぶん全部を見えてません。
他の人の運転する車の助手席に乗ったときに、たとえ40km/hで走ったとしても、ボンネットのすぐ前の地面やドアウインドウの下の地面を見てみると、全く見えないし恐怖感を感じるはずです。
これが本当の40km/hの速度を見ると言うことです。
ほら、やっぱり見えてない。
私がすんごい苦労してきた話はおいといて、結論から言うと大事なことは目線をどこに合わせているか、だと思います。
そして焦点を合わせ、人間が認識できる速度にしているんですね。
たぶん。
人間は、目(脳)の性能を超えて何かを見ることは出来ないんです。
○速度を出すと怖いと思う理由
目線が近くなり、目の性能を超えて視認出来なくなった時に恐怖を感じるのだと思います。
目線が近くなると速度感が上がりますからね、比例して恐怖感も増えていきます。
例え話ですが、私はSUGOの裏ストレートを全開で走行するときに怖かったんですよ。
200km/h近く出ますからね。
ですが、あるときに、SUGOの裏ストレートって遠くの山々が見えるのですが、走りながら山々を見て
「雪があるなぁ」
って思いながら走ってしまったことがありまして。
後から考えると、そのときは全然怖さを感じなかったんです。
遠くの山は、自分が今の速度で何時間もかけなければ到達しません。
よって、速度感ゼロなんですね。
つまり、目線が遠いと言うことは、速度感も少なくなると言うことです。
速度感が少なくなれば恐怖感も少なくなります。
だから、速度を出すと怖いならば、怖くない距離まで目線を遠くにすれば解決できます。
○スピン開始時にとっちらかる理由
リアタイヤがグリップを失ってスピンするときって、焦りますよね。
急いで逆ハンドルを切って、おつりを貰って更に逆ハンドルを切って、2回分のヨーエネルギーを蓄えちゃって手に負えずガードレールに突き刺さる、、、って感じがクラッシュの王道だと思います。
私もやったことあります、袖ケ浦で。
これも、結局は目線が近いから焦るんです。
スピンして慌てると、人間は無意識に目線が下がります。
ここで巧く立ち直れる人は、このときも目線が遠くを見ています。
これは鍛えなければ出来ない事で、目線は自分との戦いであり、それに勝てる人はスピンから立ち直れるのです。
目線が近いと慌てます。
このとき、何が起きているのかと言うと、、、 これ、図に描くとわかりやすいのですが、目線が近いと、自分が車と一緒に回転している感覚になり焦るんです。
簡単に言うと、自分が車の自転に同期しちゃっているから、ものすごい回転速度を感じてしまい焦るんです。
このため、実際の回転速度以上の逆ハンドル操作をしてしまい、とっちらかり始めます。
それを収めるために、必要以上の逆ハンドルを切って、更にとっちらかるのです。
車の自転速度は人間の性能を超えていますからね。
目線が遠いと慌てません。
これも簡単に言うと、自分が目線の先を中心とした公転と同期しているため、スピンしている車とは別の次元で、 ゆっくりな回転速度を感じているため焦らないんです。
自転を収めることではなく、今からあっちのあの場所に行けばいいんだ、と理解をしてそちらに行くために必要な逆ハンドルを切れるようになります。
みんなコーナーを普通に処理できますが、これはコーナーの先を見ているから自転を感じておらず(公転と認識している、 コーナー出口のストレートに行けば良いと認識)怖くないのと同じです。
半径が小さい円と半径が大きい円の円周上を単位時間あたりに進む距離は同じじゃないですか。
ということは、半径の小さい円が一回り回った時、半径の大きい円はそれほど回っていませんよね。
つまり、目線が近い(近い目線の先には自転円の中心点があります)と言うことは感じる速度が非常に速いということで、逆に目線が遠い(遠い目線の先には公転円中心点があります)と言うことは感じる速度が遅いということです。
特に、自転と公転ではもの凄い差があるのですが、スピンを回避するには後者(公転)の目線で対処する必要があります。
説明するのが難しいのですが。。。
じゃあ何で中々出来ないかと言うと、
自分との戦いだからです (笑)
一朝一夕で出来ることでは無いと言うことです。
○「未来を見る」
目線を遠くにすることは「未来を見る」とも言えるのだと思います。
車は人間の移動速度より何倍も速く移動します。
車が到達する時間よりも先に、注意を払わなければなりません。
つまり、車が到達する
「未来を見る」ということです。
先の方で何が起きているのかを早く認識できれば、その心づもりが出来るわけです。
筑波2000の2ヘア進入時にコーナー出口とその先を見ていれば、誰かがスピンしていても気がついて事前に対処する余裕が生まれます。
走ったことがないサーキットでも、ブラインドコーナー以外はソコソコのペースで走れるようになります。
一般道を走っていても、1台前の車しか見ていない人より、2台前の車の動きまで認識している人の方が、 前方で何か事故があったときに対処する余裕が生まれます。
細かい話で言えば、3台先を気にしていればアクセルオフが早くなり気持ちに余裕が生まれます。
交差点を通過するときも、 車用信号より早く動き始める歩行者用信号を気にしていれば、車用信号が黄色に変わる心構えをする余裕が生まれます。
常に未来を見ることは、心の余裕も出来て、体の力も抜けて、より安全には欠かせない事なのだと思います。
「視線を遠くにする」=「未来を見る」
と私は思っています。
○まとめ
私なりに視線について苦労して得られた所見を書いてみました。
どこかの誰かのお役に立てば幸いです。
全然話がそれますが、合気道って相手の力を利用して相手を投げるそうです。
その際、相手の直線運動を回転運動に変えて転がすのだとか。
テレビで合気道の達人が、プロレスラーをコロコロ転がしていました。
目が追い付かない自転を、目が追いつく公転に変換して何とかすることは、合気道のそれと似てるなぁ、と思うのです。
つまり、
努力しないと身につかないことだと思います。
いや、私はまだまだ全然できていませんので。。。。
以上、徒然なるままに書いてみました。
まる。