
判型が小さいながらも163ページあるマカンのカタログ。他のポルシェ車と同様、価格に十分見合った豪華な印刷物で、かなりの情報が詰まっています。
しかし、それでも車の詳細なスペックは不明な点が多いもの。どこかにデータが転がっていないか探していたところ、ポルシェが報道用に提供しているWebサイトをみつけました。
Porsche Japan KK Press Database
ここにプレスリリースや各車のテクニカルデータが収められています。英語ではありますが、
マカンターボの詳しいスペックもあります。内容をかいつまんで紹介しておきましょう。ターボの特徴を明らかにするために、マカンSやターボパフォーマンスの数値と適宜比べてみました。
数値のベースとなっているのはドイツ仕様と思われますので、日本仕様とは異なる点があると思います。また、あり得べき誤訳についてもご容赦ください。
●空力
・Cd 0.37
・前面投影面積 2.61m2
→Cd値はマカンSの方が0.36と小さいです。フロントグリル・バンパー形状が影響しているのでしょうか。いずれにせよ、Cd0.2台が当たり前になってきているセダンと比べるとやはり大きめですね。
●エンジン
・3.6リットルV6ツインターボ
・アルミ製エンジンブロック、シリンダヘッド
・直接燃料噴射
・エンジンオイル容量9.5リットル
・片バンクあたり1組の三元触媒+02センサー
・ボア96mm×ストローク83mm
・総排気量 3604cc
・圧縮比 10.5
・最高出力 400HP(294KW)/6000rpm
・最大トルク 550Nm/1350-4500rpm
・1リットルあたり出力 110.9HP/L(81.6KW/L)
・許容最高回転数 6700rpm
・電装システム 12V、オルタネータ出力3KW、バッテリ容量92Ah、エネルギー回生装置
→プレスリリースは出力の単位がHPですが、PS表記の日本のカタログと同じになっています。1PS=0.986HPなので、普通はHP表記の方が値が小さくなるのですが。
→カタログに書いてない圧縮比は10.5。最近のターボエンジンらしく10を超えています。440HPのターボパフォーマンスも同じ圧縮比。一方、マカンSは圧縮比は9.8と低いのですが、リッター当たり出力が113.4HPと大きくなっています。
→取説にはオイル容量8リットルと書いてあるのですが、なぜがこのスペック表では9.5リットル。
●トランスミッション
・ギア比 前進(1→7速)3.69/2.15/1.41/1/03/0.79/0.63/0.52 後退(1速)2.94
・最終減速比 前4.13/後4.67
→マカンSは、各速ギア比はターボと同じですが、ファイナルが前3.88/後4.40とハイギアード(数値が小さい)になっています。普通、パワーの大きい方をハイギアードにするのですが、マカンの場合は逆にパワーの小さな方がハイギアード。標準装着タイヤの外径差を考慮しても(Sのほうがちょっと小さい)、パワフルなターボの方がさらに加速力を稼ぐような設定になっています。
●サスペンション
・前 アルミ製5アームウィッシュボーン/コイルスプリング/ツインチューブ式ダンパー
・後 アルミ製台形(トラペゾイダル)ウィッシュボーン/コイルスプリング/ツインチューブ式ダンパー
→各アームはアルミ製、ダンパーは複筒式。
●ブレーキ
・前 6ピストンモノブロックキャリパー/ローター径360mm/ローター厚36mm
・後 電動パーキングブレーキ付フローティングキャリバー/ローター径356mm/ローター厚28mm
→ローターの前後径の差が意外に小さい。Sのローターは全体に小さく薄く、前350mm/34mm、後330mm/22mm。ターボパフォーマンスは前だけ大きく厚く後は共通で、前390mm/38mm、後356mm/28mm。
●標準タイヤ・ホイール
・前 8J x 19 235/55R19 101Y
・後 9J x 19 255/50R19 103Y
→後輪の方が前輪よりも5mm程度外径が小さくなる設定です(後の方が前よりも早く回る)。
●重量
・空車重量(DIN)1925kg
・許容車両総重量 2550kg
→日本仕様の車検証記載値は、車両重量が2000kgで車両総重量が2275kg(パノラマルーフはそれぞれ20kg増)。
→車検証上の前軸重は1140kg、後軸重は880kg(パノラマルーフ装着車)で、重量配分は前:後=56.4:43.6
●寸法
・全長 4699mm
・全幅 1923mm
・左右ミラー間隔 2098mm
・全高 1624mm
・ホイールベース 2807mm
・トレッド 前1655mm/後1651mm
・ラゲージ容量 500-1500L
・燃料タンク容量 75L
●性能
・最高速度 266km/h
・0-100km/h加速 4.8秒 (スポーツクロノパッケージ付車 4.6秒)
・0-160km/h加速 11.1秒 (スポーツクロノパッケージ付車 10.9秒)
・0-1000mタイム 24.2秒(スポーツクロノパッケージ付車 23.9秒)
●排出ガス・燃費
・NEDC複合モード 9.2-8.9 L/100km(10.9-11.2km/L)
・NEDC市街地モード 11.8-11.5 L/100km(8.5-8.7km/L)
・NEDC郊外モード 7.8-7.5 L/100km(12.8-13.3km/L)
・CO2排出量 216-208g/km
・ユーロ6規制適合
→まあ、環境に優しい車とはいえないですね。ちなみにJC08モード燃費は10.3km/L。
→日本仕様のマカンターボは平成27年度燃費基準+5%達成+平成17年排出ガス基準75%低減で、登録時の取得税20%と重量税25%の減税が適用されます。これはターボ(DBA-95BCTL型車)だけの恩恵で、直4もSもターボパフォーマンスも減税対象にはなりません。もちろん、ターボが「環境に優しい」のではなく、車重が重くなって基準値が下がったことによるものです。
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Posted at
2018/02/21 00:03:03