
ポルシェ911の新型(992型)の展示車が入りましたので、ディーラーに出かけてきました。
992のワールドプレミアは昨年の11月。日本での公式発表は今年の1月で、2月に予約受注開始、5月末に発表会が開催され実車を公開。
続いて、7月に入り展示車が配備され、各店舗でデビューフェアが開催されました。
私が行ったのはフェア1日目の午前中。人出はこれからという感じで、注目車種のデビューイベントとしては比較的落ち着いた雰囲気です。
展示車は911カレラS。ボディカラーはアベンチュリングリーンメタリック。いまのところ発売されている992はカレラSとカレラ4Sだけで、それぞれにカブリオレが設定されています。
価格は、展示車のカレラSが1666万円(税込、以下同じ)、カレラ4Sが1772万円、カレラSカブリオレが1891万円、カレラ4Sカブリオレが1997万円となります。
例によって例のごとく、展示車はオプションを多数装備していますので、この値段では買えません(いくらするのか聞くのを忘れた)。このカラー自体が20万3000円のオプションです。
公式Webサイトを見る限り、販売の主力はまだまだ991型のようで、価格の比較が容易にできます。991のカレラSは1519万円、カレラ4Sは1647万円。計算してみると、Sは9.7%、4Sは7.6%の値上げ。
新型が出る度に、いや、新型が出なくても値上げが目立つ輸入車なので、このくらいのアップは想定内とも言えますが、高い車になったなぁというのが正直な感想。およそ10年前の997時代だと、ターボでも1858万円(6MT、5ATなら1921万円)から買えてましたので。
もっとも、992カレラSは450PSまでパワーアップ。480PSだった997ターボに迫ります。0-100km/h加速に至っては、992は3.7秒で、3.9秒だった6MTの997ターボを上回ります。装備類の充実はいうまでもありませんから、車の中身も値段も10年でずいぶん進化したということなのだと思います。
ヘッドランプは標準でもLEDのようですが(未確認)、展示車はオプションのLEDマトリックスヘッドライトを装備。価格は47万5000円。
リアのデザインも最新ポルシェ調に。一直線に光るテールランプがシュッとした感じでかっこいい。下側の 」 型に光るのはウィンカー。
フロントのウィンカーはこんな感じ。サイドはフロントフェンダー前端だけで、ドアミラーなどには付いていません。991と同じ。
ボディに埋め込まれたドアハンドル。992エクステリアの最大のポイントの一つでしょうか。
キーを持っていると自動で上がってくるそうですが、持っていなくても、下の切り欠きから手をいれてハンドルを持ち上げるとニョキッとせり出してきます。
ただし、キーレスシステム(「ポルシェ エントリー&ドライブシステム」)は相変わらずオプション。価格だけは19.9万円から9万円に大きく値下げされました。なお、電動可倒式ドアミラーはついにオプションリストから消滅(991は5.5万円のオプション)。

ドアハンドルは外側も内側も単なるスイッチのようで、操作するとワンテンポおくれてガチャッとドアが開きます。後から車が来ている場合には開かないシステムになっているかもしれません。
フロントのトランクルーム。小さめのキャリーバックなら入ります。
エンジンルーム。991と同じく、開けてもエンジンは見えず、エンジンオイルと冷却水の補充しかできません。
右フロントフェンダー上にある給油口。991とほぼ同じ位置。
最新モデルらしく、カメラやレーダーがあちこちについています。

ただし、アダプティブクルーズコントロール(27.8万円)やレーンキープアシスト(9.6万円)、レーンチェンジアシスト(13.5万円)は引き続きオプション。
展示車のタイヤ・ホイールはオプションのCarrera Exclusive Designホイール(38.8万円)。フロントが20インチでリアは21インチ。20/21タイヤは標準のためか、オプション価格はポルシェとしては控えめです。

タイヤサイズはフロントが245/35ZR20、リアが305/30ZR21。991カレラSと比べるとフロントのサイズは同じですが、リアは幅と扁平率は同じままホイールが1サイズ大きくなりました。
したがって992は、タイヤ外径もリアの方が約36mm大きくなります。991は10mm程度でしたので大きな違いです。前後輪の外径に大きく差を付けたのは992の特徴で、ベルト部分の重量増と回転半径の増大が温度安定性を高めるなどのメリットをポルシェは強調しています。
タイヤはグッドイヤーのイーグルF1。もちろんポルシェの認証付きですが、記号が「NA0」となっています。これまでN+数字一桁しかみたことがないのですが、今後は記号の付け方が変わるのでしょうか。
電動スライド/ チルトガラスサンルーフは36.8万円のオプション。
インテリアを見ていきましょう。パナメーラやカイエンで取り入れられた新しいディテールが911にも入っています。ヘッドライトのスイッチはボタン式になりました。

ライトスイッチみたいに見えるのはエンジンキースイッチ。ひねって回してエンジンをかけるのは992でも踏襲されました。
5連メーター、真ん中のタコメーターだけはアナログで、両端2つずつは液晶パネル。
新デザインのシフトレバー。レバーというより、もはやノブという感じ。細かいシフト操作はパドルに任せて、前後進の切り替えに特化しています。
表面がざらっとした、オープンポア仕上げのダークパルダオインテリアパッケージはオプション(26.3万円)。もともと私はウッドパネルが好きなのですが、このパネルは似合うと思います。

おそらくレザーインテリアパッケージ(17.5万円)も装着。これくらいおカネを掛けると高級感が出ます。
992になってもオフセットのきついペダル。オレンジの線がハンドルの中心線。ブレーキペダルはほぼ全部、ハンドル中心から左側にずれています。左足ブレーキをマスターした方が快適に運転できそう。
37万円の14way電動スポーツシート、メモリーパッケージが装着されていますが、前後調整は手動。助手席はメモリー機能なし。59.1万円出すと、前後調整も電動になり助手席にもメモリー機能が付く18way電動アダプティブスポーツシートが装着できます。
後席は大人の座れるようなスペースではありませんが、これはこれで良いでしょう。そのためにボディを拡大する必要はないですね。
あっという間に時間が経って、お客さんも増えてきました。私もちょっと休憩。

991を思い出すと、992はずいぶん「高級車」になった感じがします。とはいえ、コンフィギュレータで自分の好みにしてみるとコミコミ2000万円近くになるわけで、このくらいの品質感はあって当たり前なのかもしれません。
911はスポーツカーですから、実際に走ってみないと真価はわからないですね。機会があれば試乗してみようと思っています。
