
このところ直空けは
仮眠をとる前に、
「蕎麦屋」に行くことが多いなー ^^;
高速道のアクセスが良くなったことも一因なのですが、休日を有意義に使いたい
欲求もムクムクと(笑)
さて本日向かったのは野尻湖の近く信濃町
黒姫高原。ずいぶん山奥しかも分かりにくい場所にその蕎麦屋はあると聞いていました。以前は全18脚の店内を完全2交代制としていて、開店の11時半の部に間に合わなければ13時以降の午後の部まで待たなければならなかったとのこと。
その頃は開店間際になると
長蛇の列ができていたそうです。その後営業時間内ならばいつでも入店できるようになり行列は短くなったとの情報も得ていましたが、その情報も既に
過去のものでした。
上信越道を北上し信濃町ICで降りるとあとはナビ任せにクルマを進めました。次第に細い道へ案内されます、時々
ご乱心のナビ君ですがそれでも信じて進むと店の外観をネットで確かめておいたこともありましたが存外簡単に見つけることが出来ました♪

まるで別荘にしか見えない店、
「ふじおか」
開店5分前でしたが既に一組3名が待っていた。

店の入口を見ると何と
「予約制」いつから?先客に尋ねるとおよそ2年前からだそうで彼らも県外から予約をして来たとの由。慌ててインターホンで予約外でも大丈夫かを聞いてみたところ
OKとの答えで
一安心。

開店までの一時、店の周囲を散策

「シダ」の若葉

樹の若芽

店の玄関

開店時間となり店内に入る、テーブルが4卓のみ。BGMはピアノ♪、良いオーディオセットを使っているのか低音から高温まで立体的に音が響いていました。薄曇りの天気が次第に晴れてきて窓から射す光が心地よかった。

そばの実入りのお茶

先ず出てきたのがこの店の名物
「季節の野菜料理盛り合わせ」
あえ物、煮物、おひたしなど数種類の野菜が見た目にも鮮やかに供されました。あえ物はほんのり酒粕の香りがあり、味付けは濃くも薄くもなく
絶妙なバランス、ともすると味が
濃くなり過ぎるこの手の料理の中で、舌が最も心地よいと感じる
ピンポイントを心得ているような実に優しいお味。
野菜は自家栽培とのことですが、ややクセのある山菜もほど良い味付けでそのクセが品の良い風味に化けていました。
アスパラガスも良い香り、太い茎の部分まで柔らかく仕上がっています。素朴ですが素材の味を殺さずむしろ絶妙な味付けによって高めている、料理とはかくあるべきものと感心してしまいます。
クルマでなければぜひ「蕎麦前」が欲しいところ、しかも相当進んでしまうに違いない!

次に出てきたのは
「蕎麦の実雑炊」蕎麦と黍の雑炊の上にはタラの芽の天ぷら。季節のモノを使った演出が
ニクイ。揚げた後出し汁に付けてあるらしく衣は柔らかく浸軟し、やや濃いめの味が付いていました。蕎麦雑炊とともにいただくとちょうど良い塩加減。
そして
「真打ち」蕎麦の登場。

これが
実に香り高い、たまらずせいろごと持ち上げて一息吸い込むと蕎麦の香りが
凛と鼻腔をくすぐりました。細く丁寧に切りそろえられた蕎麦、星が目立ちやや粗挽きの印象、数本食むと蕎麦の香りが広がり歯ごたえもざっくりしていて良い印象。プリプリしているわけではないのですが噛みしめると蕎麦の麺線がサクッとつぶれる感じが歯牙にダイレクトに伝わってきます。「せきざわ」のそれに近い印象でした。ただし細過ぎて物足りないと感じたのも一緒。しかし噛むほどに舌に絡むように顕在化する
「濃厚さ」はこの蕎麦の特徴か。のど越しも心地よく咽の粘膜に絡む感じでした。十割蕎麦に求めたい要素が過不足なく揃っています。

蕎麦汁は甘さを控えた辛口で節の香りもちょうど良い。蕎麦の印象が強いだけに蕎麦汁はやや控えめに感じましたが相性は抜群。控えめな蕎麦汁が蕎麦の特性を邪魔せず、逆に際立たせているとも感じられました。あえてこの蕎麦に文句をつけるならば上品過ぎて何か物足りない、もっと野性味があっても良いのか。量が物足りなければ予め注文しておけば800円で
「代わり蕎麦」を追加出来ます。またそばがきや蕎麦ぜんざいもサイドメニューに載っており「通」はせいろ、そばがき、ぜんざいの3種を注文するのだとか。

蕎麦が終わる頃に
「漬物の盛り合わせ」と
「ゆで汁」が来ました。この漬物がまた美味しい。浅漬けで塩加減がちょうど良い。たいがい漬物は塩が強過ぎて残してしまうのですがこれは完食してしまいました。ここのご主人は塩加減に関しては卓越した感覚を持っておられるのではないかと感じます。素材に合わせて微妙に加減を変えてありどれも舌に心地よい♪

ゆで汁はいままで見たことのない
濃厚なもの。良く撹拌しないと蕎麦汁と混ざりません。そのままでも十分に美味しいのですが。このポタージュのような濃厚さはゆで汁にさらに蕎麦粉を溶いて入れたもの。今では珍しくないやり方だですが、この店のご主人が考案したものだそうです。まさに
「元祖」
店内より駐車場を眺める

このお店は10歳以下の子供の
入店禁止。それもそのはず、静かに大人が蕎麦を楽しむ空間なのだ。せいろ一枚3000円、2000年頃は1500円だったそうだ。食前にはずいぶん高く感じたが季節の野菜料理、蕎麦雑炊、蕎麦、漬物とコースの様な構成でしかもどれも逸品。それを静かな寛ぎの空間でいただけるのだから十分納得のお値段だ。

後で調べたところ2006年の夏から予約制になったようだ。繁盛期には予約無しでは先ずは入れないという。稀にキャンセルが出た時あるいは本日のように予約が少ない時には予約外でも対応してくれるという。是非食べたいという方、遠くからお越しの方は予約を入れておくことをお勧めしたい。自家栽培の蕎麦を真空パックにして保存し自家製粉する、年間変わらぬ味を維持しているそうだが、新蕎麦の季節になると蕎麦はもっと
緑がかるという。これは秋に再訪せねば!!

帰り道、野尻湖PAにて。

黒姫を撮っていると「鳥」が

反射的に

流し撮り!

雲が切れて良い天気となり、この後飯山市郊外の富倉地区に向かいました♪
Posted at 2008/05/18 00:43:27 | |
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