私はマツダに対し不信感を少々抱いている。
第一に挙げるべきは、ディーゼルエンジンの情報公開について極端に渋いことだ。
マツダのメーカーもディーラーも、ディーゼルエンジンのデメリット面を、
ブラックボックス化して覆い隠そうとしている。
マツダは庶民に手の届きやすいディーゼル車を与えてくれた。
素晴らしい恩恵、どうにもならない煤―――ディーゼルエンジンとは何か!?
われら(新米ディーゼルエンジンユーザー)は、
他ならぬマツダゆえに覚醒したのだ。
目覚めたら、もう後戻りはできない。
マツダはユーザーのディーゼルへの好奇心を舐めてる
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メテオ号も、早や 48ヶ月。
神戸マツダ某店に、法定12ヶ月点検に出した。
今回整備を担当したのは、少々難ありのロートルのサービスアドバイザA氏。(この人に当たったら、ちょっとガッカリ)
よし、今度も言ってやろう。
言ってやるぞ!
浮野『えすえぬえすとか見てみると、よそのマツダディーラーさんで、DPF再生間隔をプリントアウトして見せてくれるところがあるんですよ。できないんですか?』
A氏
「できますよ」
ポカーン
えらいあっさり言ってくれたものだ。
今まで何度も同じことを言っても、「えー、そうなんですか」「ウチではやってないですね」などと散々とぼけておいて…。(これはA氏ばかりでなく、担当営業氏を含む複数の人間にとぼけられている)
ちょっと待ったあとにA氏が差し出してきた、白黒のプリント。
下に「ディーゼル粒子状物質フィルタ再生間隔距離1」と印字されている。
ディーゼル → D
粒子状物質 → P
フィルタ → F
つまり、DPF再生の起こる間隔、距離が記載されている。
その間隔を示す距離は、「01」~「10」までの十だけ載っている。
『新車以来すべてのDPF再生は、記録されていないんですか?』
「されていないですね。ここに載っている直近の10回だけですね」
『この紙、もらっていいですか?』
「すみません、差し上げられません。何でしたら、今メモしてもらったら…」
『メモします、します。…この数字、01と10と、どっちの方が最近の値なんですか?』
「ええと、10が新しい、最近ですね」
『わかりました―――』 カキカキ
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〔ディーラー資料より〕
01 174km
02 202km
03 202km
04 184km
05 184km
06 152km
07 152km
08 162km
09 216km
10 204km
〔自身が手動でつけた記録より〕
10/ 7 264km
10/23 283km
10/29 210km
11/ 3 205km
11/ 8 199km
11/13 239km
11/17 240km
11/26 263km
12/ 2 263km
12/ 6 234km
…全体的に前者の数値が低めであるし、推移の仕方が一致しない。
近い値の連なりが、幾つかある。これを使おう。
〔ディーラー資料〕
01 174km
02 202km a
03 202km a
04 184km b
05 184km b
06 152km c
07 152km c
08 162km
09 216km
10 204km
〔手動でつけた記録〕
10/ 7 264km
10/23 283km
10/29 210km
11/ 3 205km c
11/ 8 199km c
11/13 239km b
11/17 240km b
11/26 263km a
12/ 2 263km a
12/ 6 234km
やはりこれは、〔ディーラー資料〕は 01の方が新しい値だろう。(適当な A氏め!)
〔ディーラー資料〕の順を入れ替えてみる。
〔ディーラー資料〕
10 204km
09 216km
08 162km
07 152km c
06 152km c
05 184km b
04 184km b
03 202km a
02 202km a
01 174km
うむ、値の大小はあるが、推移は同じような感じになった。
値の差異はなんだろうか。
双方の対応した値で、割合を出す。
① 204km / 264km = 0.77272727…
② 216km / 283km = 0.76325088…
③ 162km / 210km = 0.77142857…
④ 152km / 205km = 0.74146341…
⑤ 152km / 199km = 0.76381909…
⑥ 184km / 239km = 0.76987447…
⑦ 184km / 240km = 0.76666666…
⑧ 202km / 263km = 0.76806083…
⑨ 202km / 263km = 0.76806083…
⑩ 174km / 234km = 0.74358974…
①~⑩の割合を平均すると、0.76289418。
下の値が 0.74146341、上の値が 0.77272727 なので、かなり幅が狭い、一定に近い割合だ。
〔手動でつけた記録〕に この割合を乗ずると、
〔手動でつけた記録×0.76289418〕
10/ 7 264km → 201km
10/23 283km → 215km
10/29 210km → 160km
11/ 3 205km → 156km
11/ 8 199km → 151km
11/13 239km → 182km
11/17 240km → 183km
11/26 263km → 200km
12/ 2 263km → 202km
12/ 6 234km → 178km
この〔手動でつけた記録〕と〔ディーラー資料〕の
0.76289418という割合、そして、平均56.8kmという差異は、なぜ起こるのだろう。
DPF再生の定義が違うのはもちろんだろうが、どういうふうに異なるのか。他にも、何か理由があるのだろうか。
※ わたくし浮野の測定方法は、後述の①i-stop表示灯の消灯 ②瞬間燃費の落ち込み(ほぼ半減) ③異音 …でDPF再生開始と判別し、その時点の総走行距離を記録し、前回測定時の距離の差をDPF再生間隔の距離としている。
ご存知の方は教えてください。メッセージ受け付けてます。
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マツダは DPF再生 をユーザーに知られたくなかったはずだ。
少なくとも、「意識して欲しくない」…これは間違いない。
なぜなら、基本的に「DPF再生中であることを悟らせない仕様」であるから。
いつだったか、マツコネを改良して「停車中に、DPF再生中ゆえにアイドリングストップができないこと」示す表示がつけ加えられた。
しかし、この改良では
停車中のみ DPF再生 であることが判明するのであって、走り続けていればわからない。
いや、慣れた者なら ①i-stop表示灯の消灯 ②瞬間燃費の落ち込み(ほぼ半減) ③異音 …で判別できるのだが、面倒だし、次の DPF再生 が近づくとエアコンを入れたくても入れない時もある(エアコンが効くまで i-stop表示灯が消灯するため。一旦効いたあとの控えめのエアコンなら i-stop表示灯は点く)。
やっぱり、マツダはユーザーに DPF再生 を「意識して欲しくない」のだ。
なぜそんなに DPF再生 が気になるのか。訳はある。
まず、
健康オタクが毎日血圧を測定するようなものである。(
してないけど)
常の値を知ることで、何かしら異常の徴候に気付くことができるのではないか。
また、DPF再生 には 平均10km少しの距離を要する。
ゆえに自宅まで10km未満になってからDPF再生が始まると、再生を二度に分けたくない(日を跨ぎたくない)心理から、
自宅まで遠回りして帰る羽目になるのだ。(職場への往路の途中なら、日を跨がず復路に再生を終えられるから、まだ許容できる)
あとは、まあ、
時流に乗って買った者としての、ディーゼルのメカに対する純粋な好奇心である。
○ マツコネの画面かインパネに、「DPF再生中であることを示す表示」をつける。
○ DPF再生間隔の全履歴を記録し、その記録をユーザーがマツコネで閲覧できる。
○ 煤の堆積量をマツコネに表示できるようにし、次のDPF再生開始までの目安を示す。
マツダには、ここまで求めたい。
技術的には簡単だろう。
陰気な隠蔽体質はもうやめて、ガラス張りの情報開示を!
何度でも言うが、
マツダはユーザーのディーゼルへの好奇心を舐めてる。
そして、
SKYACTIV-D における対応は、
SKYACTIV-X の信用に関わる。