前回のブログに記載しました様に、GLC43の入庫に際して、担当営業さんの粋な計らいでAMG GLC63S Coupeを代車としてお借りすることが出来ました。
週末に一気に長距離試乗を!と計画をしていたのですが、その計画が実行不可能になってしまいましたので、代わりではないですが、先日に高速道路と一般道併せて約200km程度の試乗を行いましたのでそのドライブインプレッションを記載したいと思います。
まずは、この車の情報から。お借りした車はGLCシリーズの頂点となるAMG GLC63S 4MATIC+ Coupeで、お値段は1492万円です。
乗り出しとしては値引きを入れても1500万円程度でしょうか。
4MATIC+とあるように通常の4MATICでは無く、前後のトルク配分を50:50~0:100まで電子制御カップリングで無段制御するAMG専用のものが搭載されています(ちなみに乗車時に駆動配分の変化に関して感じることはありませんでした)。
搭載されているパワートレインに関しては後述しますが、エンジンはAMG製のV8 4.0L 直噴ツインターボで一機一機を担当者が組み立てるというもので、そのエンジンに9速のAMGスピードシフトMCTが組み合わされます。
サスペンションに関しては、AMGスポーツサスペンション(Air Body Control)で、減衰力連続可変のショックアブソーバーを備えたエアサスとなっています。
さて、実車を前にしての外観ですが、フロントバンパーがAMG GLC63専用の開口部の大きな迫力ある造形のものとなっていることに加え、非常に幅の広い21インチのホイールが装着されており、更にその幅広ホイールを収める為に前後のフェンダー部にもモールが追加されていることで、ノーマルのGLC Coupeとはかなり存在感が違います。
リアテールゲート後端には比較的大きめのリアスポイラーも装着されており、リアの迫力も十分です。
パナメリカーナグリルもカッコいいです。
私のGLC43にも装着したいです。
この車に後ろに付かれたら、思わず車線変更してしまいな程の迫力がありますね。
内装に関しては、標準のGLCと大きな差は無いものの、シートが専用のもの(形状に差は無いように思います)になっていたり、ドアライニングも少し違います。
元々GLCはこのクラスでは質感の高い内装と言えますが、そのシートとドアライニングには滑らかな質感のナッパレザーが使用されていることで、更に上質感が上がっている様に思いました。
しかし、個人的には、内装をもう少しAMGならではの特別感を出してくれればなというのが正直な気持ちです。
ベタではありますが、センターパネルをカーボンにするとか・・・。
では、ここからは実際に走行した際のインプレッションを【走行性能】【乗り味(乗り心地)】【総評】と分けて記載していこうと思います。
いつもながら、インプレッションに関しては少し長くなってしまいますので、今回は【走行性能】を。
【走行性能(加速・ドライババイリティー)】
このAMG GLC63Sにおけるトピックの一つは搭載されているエンジンにあると言えます。
そして、とにかくこのエンジンの印象が非常に強く残っています。
M177と呼ばれるAMG製のV8 4.0L 直噴ツインターボエンジンは最高出力510ps、最大トルク71.4kgf・mという途方も無い数値で、0-100km/h加速を3.8sというスペックです。
出力と加速性能だけで見れば、完全にスーパーカーの領域です。
エンジン本体について少し詳しく見ると、このエンジン、エンジンブロックが一般的な金型鋳造オープンデッキでは無く、量産エンジンでは珍しい砂型鋳造クローズデッキとなっており、本気のスポーツユニットであることがわかります。
ちなみに一般的な金型鋳造では無く砂型鋳造クローズデッキとすることで、より精度が高く複雑な構造の鋳造が可能になり、エンジン剛性が飛躍的に高まりますが、コストはかなりかさむものとなります。
にも拘わらず、コストでは無く実をとっているあたりも感銘を受けるところです。
またピストンも一般的な鋳造アルミではなく、チューニングカーなどで採用されている鍛造アルミ製で、重量を抑えながら強度を持たせることができる為、高出力化とレスポンスUP等にも貢献する技術も採用されています。
とにかく、技術的に見ても『エンジンにはお金がかかっているな』という印象です。
さて、実際の乗ってみてというところですが・・・
強烈です。
なにが強烈かというと当然ですが加速力です。
全開加速時における71.4kgf・mのトルクは凄まじいです。
車の運転にはかなり慣れている私ですが、少し恐怖を感じるレベルです。
4MATICですので、最大トルク全てが駆動力として伝わる為、後ろから凄まじい力で『ドーン』と押し出される様な感覚です。
しかもスゴイのが、これはあくまで想像ですが、150km/h程度までずっとこの凄まじい加速力が持続します。
80km/h程度までは結構な加速力を発揮する車は多くありますが、底力が違うとこういう加速となるのでしょう。
しかし、加速の様子を詳細に観察すると、エンジンは決して粗暴な振る舞いは無く、エンジン自体は極めて振動が小さく軽やか且つスムーズに回っています。
にも関わらず、排気音は『ドゥロロロー』と図太い非常に大きな音を発している為、総合的に見て、凄い迫力に繋がっています。
全開加速の性能が凄まじい為、つい加速力の話から始めてしまいましたが、一般道で通常のアクセル開度レベルでは、アクセルに気をつかうといったことや、出力を持て余しているという感覚はありません。
しかし、やはり徐加速においても『エンジンのパワーあるな~』とアクセルの踏み込みに対しあまりに素直に速度を上げることから伝わってきます。
しかもその加速が、軽量なものが『スゥー』と加速するのとは違い、重いものがすごい力で動かされていることを感じることができるもので、独特の感覚です。
ここまで余裕駆動力が半端ない車は私は初めての経験です。
少し気になった点としては、Cクラスベースのプラットフォームにこの出力は少しキャパオーバーの様で、全開加速時においては平然とやり過ごすといったレベルではなく、進路が乱れる等、緊張感を伴うものになっています。
しかしこれはかえってスリルがあって好きな人には好まれる要素かもしれません。
あと一つは、現代のダウンサイジングターボのターボラグが極めて少ないエンジンに慣れていると、少しターボラグが大きめに感じる点です。
それは510psですから大きなタービンが搭載されている為致し方無い点ではあります。
しかし、このターボラグすら、そのラグの後に襲ってくる凄まじい加速力を感じさせる為の『あえて』の『溜め』と解釈ができる程、魅力たっぷりなエンジンとも言えます。
とにもかくにも、この車を運転している限り、常にこの『エンジン』が主役になってしまいます。
続いて、エンジンの魅力に隠れてしまってはいますが、トランスミッションの9速のAMGスピードシフトMCTも良い仕事をしています。
このミッションはトルクコンバーターの部分を湿式多版クラッチに置き換えていることが特徴です。
トルクコンバーターはもっていませんが、クリープはしっかりあります。
運転した感覚としては、発進時や微低速時にやはりクラッチ式の特徴が出てしまいトルクコンバーター式程の滑らかな発進ができません(決してギクシャクするレベルではありません)が、一度発進してしまうと今度はダイレクト感を伴いながらトルクコンバーター式よりも早いシフトチェンジをスムーズに行っており、本当にシームレスに途切れの無い加速をします。
パドルシフトを用いてのシフト操作に対してもラグが少なく変速してくれますし、シフトダウン操作時には『バフォン!パラパラッ』とレーシングカーさながらの音を発してシフトダウンするので、ちょっと興奮します(笑)
エンジンの様に感動するといったものではありませんが、縁の下の力持ちといったところでしょうか。
以上つらつらと書いて参りましたが、エンジンに関しては本当に魅力溢れるエンジンであると感じました。
このエンジンがAMGというブランドを『孤高のAMG』にしていると。
環境規制が厳しくなるこの世の中において、このようなエンジンは無くなっていく運命であることは間違いないです。
今のうちにこのエンジンを味わうことが出来る人は幸せだと思います。
ちなみに、この車に対して燃費の話をしても仕方ないですが、この凄まじい加速を味わうことなく、極普通に運転した際の約100km(高速8割、一般道2割)における燃費は約7km/Lでした。
『以外に良いな』というのが素直な感想です。
ひと昔前?では280psのノーマルスカイラインGT-Rでも同じような走り方で約6km/Lでしたから・・・。
ということで、走行性能に関するインプレッションは以上となります。
次回は【乗り味(乗り心地)】編を記載します。
乗り味もしっかりと『AMG』でしたよ!
では!
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