
あれは10年以上も前のこと。
単身赴任先から久しぶりに自宅に戻った休みの日、家族ぐるみの友人が発売されたばかりのシルバーのGTRで遊びに来てくれた。
もちろん見せびらかしに来たのではなく、絶対楽しいから運転してみてよと言う事で嫁二人は家でお茶でもしててねっと、こっちは野郎二人でクタクタになるまで山に行って走り回ってわーわーきゃーきゃー大騒ぎして帰って来ました。
その夜、嫁が一言。
ちょっと〜もの欲しそうな顔してたやん。
私はあんなクルマいらんで。後ろは子どもしか乗れへんしガタガタ言うし。
燃費も悪そうやし、あんたら2時間で満タンが空になったらしいやん。
うちにはいらんクルマ!
わかってるわ、そこまで言わんでも。
俺は今のクルマ(B4 3.0R specB)以上に好きなクルマは無いわ。と。
実際、その時は加速力と車体の剛性感こそ感じ入るものは有りましたが人馬一体感が希薄と言うか乗らされてる感を強く感じ、さして魅力を感じる事はなかったのです。
ただ、嫁に言った言葉は嘘で確かにそれまではB4で充分満足していたのですが、私の中ではGTRのおかげで既に禁断の扉は開いてしまった後でした。
B4に無いもの、、、あのウェーッと気分が悪くなる程の怒涛の加速力。そして金庫のような剛性感。ゴキッと効くブレーキ。
でもGTRはいらない。
何故ってロマンを感じない。
圧倒的な加速力、剛性感、強力ブレーキを備え更にロマンをも感じさせてくれるクルマとはなんぞや。
僕がロマンを感じる乗り物とは?決まってる、そう永遠の憧れゼロ戦。
40数年前のあの日、寒くしかし良く晴れた大阪の冬空に舞ったあのゼロ。
当時中学生の僕の眼前を燕の様に空気を余さず捉え宙を切り裂く様に舞った。

アメリカ人としても背の高いパイロットだった、飛行場のトイレで横に並んで用を足したとき、僕の胸くらいの高さにそれがあり、身長に比例した大きさにも驚いてしまった。 何の話やねん、、、。
ゼロ戦のようなクルマとは?
そんなクルマがこの世にあるのか?
ちょっと待て。
確かアメリカの航空博物館でゼロ戦のパイロットをしている人のセリフを思い出したぞ。
空中でのゼロの機動性を味合わせてくれる乗り物はない、例外がひとつだけ地上にだが存在する、それはポルシェ911カレラである。
そうか、ポルシェがあった!
ポルシェ、こんなタイミングで私の人生に登場してくるとは、、、。
911か〜、、、。
つづく。
Posted at 2019/12/27 23:14:51 | |
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