約1年半前にビッグマイナーをした50系プリウスが、早くも大幅な改良を行った。2021年、つまり来年と言われているフルモデルチェンジを待たずにこの大幅な変更を実施したことに驚きを禁じ得ない。2018年末のビッグマイナーは、単なる「お化粧直し」だった。走行性能や安全性能といった基本性能に変更は無かった。安全性能に関しては、2018年6月に登場したカローラスポーツにトヨタセーフティセンスの第二世代が採用されているにも関わらず、看板車種のプリウスのビッグマイナーには採用されなかった。トヨタセーフティセンスの第二世代では昼間での自転車運転者や夜間の歩行者の検知機能が追加され、予防安全性能が飛躍的に高まった。JNCAP(自動車アセスメント)の予防安全性能でも、マイナー前の50系プリウスの「ASV++ 68.1」に対して、カローラスポーツは段違いの「ASV+++ 122.4 」と世界でもトップクラスの安全性能だ。その後第二世代のセーフティセンスは、格下のカローラ(2019年9月)、ライズ(2019年11月)、ヤリス(2020年2月)にも採用され、トヨタとしても看板の両販車種であるプリウスの安全性能をそのまま放置しておけなくなったのだろうか。それとも第二世代の生産に必要な量産部品の供給に目処がついたからか。これでプリウスの商品性はようやく格下のカローラに追いついた。ここまでやるならパーキングブレーキも電動にすれば良かったと思うが、流石にコストが合わなかったのだろうか。