
ここ1週間で大きな進展がありました。
まず岸田精密工業 (キースター) さんにお預けしていたキャブレターが試作品のリペア・燃調キットと共に戻って来ました。

今回キースターさんよりKZ1000LTD B3用のリペア・燃調キットを開発して頂けるとのお話を頂き、私のキャブレターをサンプルとしてお預けしていましたが、2ヶ月の期間を経てついに完璧なキットが完成した様です。

中身は全てのジェット、ニードル類の交換用部品とガスケット類が入っていて、ジェット、ニードル類は燃調できる様に数種類ずつ用意されています。LTD B3のキャブレターにはMK2と同じく加速ポンプが付いていますが、流石に加速ポンプ用のリペアキットは入っていません。しかし、PMCからMK2用の加速ポンプのリペアキットが販売されているため、それと組み合わせればキャブレターは新品に近い状態に戻すことができそうです。キャブレターを装着するのはだいぶ先になるため暫くはこのまま保管します。
レストア作業の方は、シリンダーヘッドの分解を行いました。まずは現時点でバルブの空気漏れの有無を見るため給気、排気側のポートより圧縮空気を送り込み、バルブの上に置いたティッシュが動けば空気漏れしている事になりますが、幸い全バルブとも漏れはない様でした。

続いてバルブスプリングコンプレッサーを用いてバルブを外します。スーパーカブのエンジン分解用に買ったものが使えました。

バルブを装着されていた場所が分かるように外して行きます。

バルブを外した後のヘッドです。所々スラッジが付いていますが、掃除すれば綺麗になるレベルだと思います。

既存のバルブステムシールを専用工具で外しましたが、どのシールもガチガチに硬化しており、外す際に崩れてボロボロになりました。長年エンジンとオイルの高熱に晒されながらもよく耐えて来たと思います。しかし前述のスラッジのつき方を見ると、いくつかのシールから結構なオイル下がりを起こしていたものと思われます。

シリンダーヘッドを丸ごとメタルクリーンを溶かしたお風呂に浸けます。

洗浄後にワイヤーブラシを付けたリューターを用いて細かい部分の掃除を行い、上下の面をオイルストーンで軽く研磨してこの様な感じになりました。
自分ではできない作業については、専門の業者さんにお願いするつもりですが、今回は2社にエンジンとフレームの加工をお願いする事にしました。
まずは先日入手した純正のオーバーサイズピストンを使うため、千葉県唯一の内燃機屋さんで印西市にあるOUTLINEさんにシリンダーのボーリングと面研、クランクシャフトの芯出しをお願いしました。ついでにシリンダーブロックのフィン欠け部分の修復とクランクケース内で中折れしたボルトの取り除きを依頼させて頂きました。

店主によると現在業者からの依頼で立て込んでおり、個人の依頼は基本的に断られているそうですが、運良く私の依頼は受けていただける事になりました。最近内燃機関連だけでなくバイクショップも始められたとの事で修理待ちのバイクが工場内に並んでいました。店主の愛車はGS750という事もあり、GS系の取り扱いが多い様です。
続いて迷いに迷いましてが、一大決心をしてLTDのタンデムステップのフレームをMK2用タイプのフレームに交換する事にしました。LTD角ヘッドにMK2の外装を載せたレプリカバイクで外観上の唯一かつ最大の違いがこの部分のフレーム形状です。MK2はより小型のフレーム形状となっており、マフラーステーも兼用しているため、マフラーはZ1の後ろに真っ直ぐ伸びるスタイルからややカチ上げスタイルになります。今回作業をお願いするのは以前にスーパーカブのリヤキャリヤのワンオフ加工でお世話になった千葉県白井市にあるUPS TAKUさんです。まずは持ち込む前にフレームを洗浄しました。

これがPMCより出ているMK2用のタンデムステップ用のフレームです。既存で付いているZ1と同じ大きめのフレームをバッサリと切り落とし、下の小さめのフレームを溶接で付けて頂きます。細かい事を言えばブレーキペダルのベースも移植する必要があり、これが結構面倒な作業です。

これで外観上のMK2と違いはなくなり、車体番号を確認しなければ分からないと思います。細か過ぎるこだわりですが、加工に要する費用はそのままリセールバリューに繋がると自分を納得させオーダーしまました・・。

置き場所がイマイチなため、この写真を見ると解体屋さんにスクラップされるフレームが置いてある様に見えますが、カスタムショップに預けた時に撮影したものです。
しかし、このフレーム加工は残念ながら7月の作業予定となっており、向こう5ヶ月間組立作業が始められない状況なりました。今バイクのカスタムショップはどこもこんな感じの様ですね。
今年の夏完成を目指していましたが、自身のこだわりのため秋にズレ込みそうです。待っている間はできる作業を丁寧にやって行きたいと思います。
Posted at 2023/02/06 16:06:29 | |
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