
お世話になっている工場から、「エンジン降ろしてヘッドカバー空けたので来てください」と連絡があり、ビビりながら行ってきました。
リフトに載ったうちのワークスの前に、降ろされたエンジンがヘッドカバーを外した状態で置いてありました。一見、ブローしたようなグチャグチャ感はありません。むしろ奇麗です。
社長曰く、「カムかバルブ関連かと思ってたけど、(エンジンを)降ろして(クランクシャフトを直接)回してみたら割とスムーズに回るんで、あれーっと思ったんだよね…」と言いつつ液晶画面がついた内視鏡みたいなものを2番シリンダのプラグホールにいれつつ、「見えるかなー? この位置が見やすいかな?」 ……少し縁の欠けた白い円がモニターに映ってます。
「実はピストンの棚落ちだった!!」という落ちでした。ドノーマルのエンジンで高速で高回転をキープしながら運転するとこうなってしまうとの事。結果的に、サーキット仕様の車を作るときにまず手を入れる冷却系の強化(大容量ラジエータ、オイルクーラー)をやってないのがブローの原因でした。
確かにK6Aは直3なので熱的に真ん中の2番シリンダが一番厳しいのですが、しかも更に熱的に苦しいタービンの真後ろに2番シリンダがいるのが実物をみてはっきり分かりました。棚落ちしているのもより高温になる排気バルブ側。「一発で逝ったのではなく何回か小さいのを繰り返して、最後に耐えきれなくなって抜けたんだろーね」との事でしたが、身に覚えがあり過ぎです(汗 ブローする少し前あたりから少しトルクが出ていない感じがあったので…
ただ、こういう熱的に厳しいのは連続の高速走行で、同じ巡行するのでも1000rpm落とすのだけでも大分違うとの事。去年まで乗っていたS2(高回転型NAエンジン)と同じ感覚で走っていたのがまずかったようです。逆に言えば高いギアでなるべく回転数を下げ気味で走れば(一番トルクがでる中回転辺りからやや上ぐらい、6000rpmぐらい?)、ドノーマルでも大丈夫との事。少し安心しました。ついでに燃料をハイオク化すれば異常着火によるデトネーションが出にくくなるので今後はハイオク化しようと思います。カーボン体積しにくい添加剤も入ってますし、何よりエンジンを壊さず長持ちさせるのが一番ですし…
エンジン以外では、クラッチディスクがほぼ溝が無くなっていたので純正のディスク・カバーに交換。エンジンマウントの運転席側に亀裂が入っていたので、エンジンマウント・ミッションマウント計3か所を純正の新品に交換。ラジエータ上部のホースに水温計用のジグが挟まっていたので、流路面積を戻す意味で純正新品に交換です。
結構費用がかかってしまいますが、9万キロ超えのくたびれたエンジンや他の消耗パーツのリフレッシュと思えば…。それに、貴重な体験(高速走行中に人生初のエンジンブロー)もできましたし…(汗
リビルドエンジンは慣らしが必要だそうです。過走行の中古車ばかり乗り継いできた自分としては、エンジンの慣らしは学生時代初めて買った2輪以来(まだ20世紀でした)。慣らしのやり方次第でその後のエンジンの状態が決まると「今は」知っているので、そちらの方が楽しみであり緊張もしています。
サムネは今年の春に行った宇都宮の山岡家。早く帰ってきておくれ~
【余談】
エンジンブロー内容の説明を受けた後、「ミッションオイルに結構大きな切子みたいな鉄粉が大分出てたよ。オイルは奇麗だったから、結構荒いシフト操作(特にシフトダウン時)してんじゃないの??」と図星をつかれ滝汗が出ました…。シフト操作が速すぎてシフトミスが多いとそんな感じの鉄粉が出るそうです。今より感覚的に0.1秒ぐらいゆっくりシフトダウンすれば回転数が大体合うので、そういったシフトミスは出なくなるとの事。
かなりショックでしたが、色々と勉強になったエンジンブローでした(ついでに社長の凄さが改めて分かりました
Posted at 2019/06/19 22:09:55 | |
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