
これはN15に乗ってた時のこと…。
実家の横浜に行く時は、途中の箱根でのドライブを楽しむのが常である。
ある秋の昼下がり、国道1号箱根峠、大涌谷、千石原とたどり長尾峠へ。
あそこは20年前に深夜にバイクでのダンスを楽しんでいたところ…激しく休むまもなく右に左に激しく腰を振って遊んだよなあ…と感慨にふける。
国道を左に曲がり旧道へ。
4台くらい前に白い古い車が同じ方向へ曲がるのが見えた。
自分の後ろにリッターバイクが続く。
スピードレンジが違うのでハザードを出してバイクを先行させる。
前の古い車も速度を落とし、窓から手で合図してバイクを先行させた。
見たところ、昭和40年代頃の箱型クーペ、大事に乗られてるらしく光り輝いてる。
この頃のこのクラスのは排気量1.3前後、狭くて緩い上りコーナーの連続するこの道で途中の追い抜きはまず不可能。
この機に乗じて先行させてもらおうと思い2速でWFO。が、もっさり…速度あがんねー。
彼は後続の四輪車に道を譲る気はサラサラなく、軽やかに加速していく。
追いつくでもなく離れるでもなく、そのままコーナーへ。
ここで、予想外の走りを見た。
ブレーキングポイントでストップランプが点かない。
ああ、サイドひいてアクセルターンで曲がるのか…と思ったら、左コーナーで右前輪が大きく沈み、反動で左後輪が大きく浮き上がる。
???サイドブレーキは後輪なので右前輪に加重をかけるのはムリだろう!!
逆に前輪が浮き上がってくるはずでは?…。タイヤスモークも上がらず、スキール音もしない…。
ブレーキランプが点くこともなく、彼は横腹を見せて、いい勢いで飛び込んでいく。
乗り手は、かなりの腕とみた。
我がN15は1.8AWDとはいえATなんで車速が落ちるとリカバリーに時間がかかる。
といって、ムリな速度で飛び込んで事故るという冴えないこともやりたくない。
ジレンマを抱えながら、警戒しつつコーナーに飛び込む。
コーナーを抜けると彼が次のコーナーに入るのが見えた。
さっきと同じ動きで横腹を見せつつ、コーナーに消えていく。
彼はひょっとしてアクセルワークだけで走ってるのでは?という気がした。
それなら、分かる気がする。
彼はかなり軟らかいセッティングをしているようで挙動変化が激しい。
加速で前が浮き上がってるところで、シフトダウン。
次の瞬間エンブレ効かせながらハンドルを切る。
それがブレーキングとなる。しかも前が浮いていた反動で沈み込む。
これにより、切った逆の前側に荷重が集まり、切った側の後ろが浮き上がる。
ここでアクセルオンすることで、前輪を軸に後輪が車を押し出すので、強力な旋回力を生む。
果たしてこの推論が正しいのか?もう少し彼の走りをみたい。
が、彼は速い。コーナー4つにして見えなくなった。
うーん、バイクならじっくり観察出来るんだが…。
先行する車に彼が詰まってることを期待して、警戒しながら走る。
暫く行くと直線部で稼げたみたいで、コーナーを抜けると彼の白いテールがコーナーに消えていくのが見えた。
あと少しでまた彼の走りが見える。
1.5車線の狭いコーナーが続き、危なくてペースが上げられない。
そしていくつかコーナーを抜けたところで、コーナーから赤い鼻先がぬっと出てくるのが見えた。
幸い道幅がやや広くすれ違いが十分出来ると思い、軽くブレーキを踏んだ。
え!?ナニ!?対向車の車幅の広さ!!すれ違いムリじゃん!!
ブレーキを踏み込み左へ回避。
ズガガガとABSが効くが減速は弱い。左窓に草がバシバシ当たる。
向こうも反対に車寄せて停止。
ちょっと、ギリではあったが何とか停止。
げ、フェラーリ348じゃん。2tワイドトラックくらいの幅があるぞ。
ぶつけなくて良かった~。寿命縮まったぜ~。と一人で興奮。
相手のドライバーは50前後で、梅宮辰夫風、どっかで見たような…。
ま、ともかく、非はこちらにあるので手上げて挨拶して、すれ違い可能なところまでバック。
相手はフェラーリ乗るくらいの紳士な訳で、怒鳴りつけてくることもなかったが、古い言葉で言う目が点状態。相当ショックを与えてしまったみたいで悪いことした…。
後で知ったが車幅は1800㎜を優に越える。広すぎる…。
昼の箱根は超ド級の高級車がゴロゴロ走ってるので気をつけなきゃ…。
彼はとうに先行していて止まってない限り追いつくのはもう無理だ。
その後、彼を見ることもないが、また、彼の走りを見て、自分の推論が正しいか
確かめたい気がする。
彼の車は写真と同型と思われる。B110サニークーペ。