
駆動用電池の内部抵抗を計算してみました。
劣化傾向把握のためのデータのひとつにしようと思います。
リチウムイオン電池の内部抵抗といっても、種々の異なる抵抗要因の複合として決まるようで、計測手段もいろいろあるようです。
しかし知りたいのは電池の細かい特性ではなく、EV走行時の電池の入出力特性の劣化具合なので、それがわかればよいのと、車載の状態で計測できるかどうかもポイントです。
下記によれば、直流内部抵抗の増加が、入出力特性の低下に比例するようです。
https://www.gs-yuasa.com/jp/technic/vol11_2/pdf/011_02_017.pdf
直流内部抵抗ですが、JISC8715によれば、
25℃環境で、I1=0.2Cで30秒放電させてこのときの端子電圧U1を計測し、
その後I2=1.0Cで放電させ、5秒後の端子電圧U2を測定し、電圧差を電流差で割って、
Rdc=(U1-U2)/(I2-I1) として直流内部抵抗を出すようです。
https://kikakurui.com/c8/C8715-1-2012-01.html
PHVの電池は25Ahなので、0.2Cは5A、1.0Cは25Aに相当。
直流内部抵抗なら、なんとか算出できそうです。
実際には、車載状態ではあまり細かい条件をあわせることはできないので、
ある程度概算でよしとして、以下の方法で計測することにしました。
・一日車両を放置(電池温度=外気温とする)
・システムオンし、電池電流0~1A程度での電池電圧V1を記録。SOCと外気温も記録。
・アクセルを踏み、走行。速やかに電池電流I(100A程度を目標)のときの電池電圧V2を記録。
・直流抵抗Rdc=(V1-V2)/I で算出。
数値はOBD2モニタから取得。ただOBD2モニタでは電圧電流とも小数点以下が表示されないので、計算精度を上げるため電圧差が十分に確保できるよう、電池電流はJIS規定より大きめで100A程度(4C)とした。
結果;
外気温9℃、SOC45%、V1=346V、V2=328V、I=97.4A で、Rdc=0.185Ω となりました。
考察;
●電池電流100A時(加速時想定)の電池内部損失は、I^2*Rdc=100^2*0.185=1850W
・・・ 加速時は結構なロスがでているようです。電池保温ヒータが200W程度と聞いているので、走行した方が電池温度があげられそうです。
●電池電流7A時(充電時想定)の電池内部損失は、I^2*Rdc=7^2*0.185=9W
・・・ 充電時の電流くらいではロスは微少です。充電時の電池保温ヒータの意味があるわけか。。
●電池効率:SOC45%・100A取り出し時の損失率は、1850W/(328V*100A)=5.6%
・・・ 電池出力効率は94~95%程度。これが高いのか低いのかよくわかりませんが、そんなものなんですかね。
SOCや温度を変えてぼちぼちデータ数を増やして行こうと思います。
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Posted at
2019/03/06 23:03:52