
AAA(American Automobile Association、アメリカ自動車協会)のEVの航続距離に関する実験結果のレポートがありました。
極寒条件での空調使用がEV走行距離の大幅な低下を招くことが明らかとなったとのこと。
https://newsroom.aaa.com/2019/02/cold-weather-reduces-electric-vehicle-range/
以下、概要です。
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以下の純EV5車種を環境試験室中のダイナモメータ上で走行させて平均航続距離を比較。
2018 BMWi3/2018 Bolt/ 2018 Leaf/ 2017 Tesla models75D/ 2017 e-Golf
環境試験室の気温は冬想定の-6.6℃と夏想定の35℃。外気温24℃時の性能との比較です。
走行条件は都市内と高速の平均。
<空調使用時>
●外気温-6.6℃では、暖房の使用で平均航続距離は41%減少する
●外気温35℃では、冷房の使用で平均航続距離は17%減少する。
<空調不使用時>
●外気温-6.6℃では、平均航続距離は12%減少する。
●外気温35℃では、平均航続距離は4%減少する。
AAAの推奨事項:
1.まず計画。気候に応じて、出かける前に、充電頻度を上げるための充電設備の場所明確化と停車の計画を。
2.充電器に接続した状態での冷暖房による事前の車内温度調整を。これで駆動電池への電力消費を減らせる。
3.可能なら、車内温度の安定のためにガレージ内へ駐車を。
EVは温暖地でベストな性能を発揮するが、寒冷地のドライバーはがっかりすることはない。
いくらかの追加の計画が必要になるだけである。 とのこと。
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当地では氷点下になることはほとんどないので、ここまでのEV航続距離低下はなく、シートヒータにヒートポンプ使用でもEV走行距離25%低下くらいですかね。
出かける前はAC200Vにつないだまま、リモ-トエアコンで10分間、ヒートポンプフル運転していますが、これも航続距離延長に寄与しているのでしょう。
PHVでは立派過ぎるレンジエクステンダーとも言えるエンジンがあるので、航続距離の低下は純EVほどシビアにならなくて済みます。これは大きなメリットですね。
ちなみに上記5車種のうち、ヒートポンプ搭載車がBMWi3とLeafです。ヒートポンプの電熱暖房に対する優位性ですが、レポートによれば、-6.6℃ではヒートポンプの性能不足で電熱ヒータにも通電されてしまい、航続距離への優位性は認められなかったとのこと・・・。
PHVのガスインジェクション方式ヒートポンプではどうなのでしょうか。氷点下でも実用になるらしいので、興味のあるところです。
冬期のEV走行距離の減少は世界的な関心事のようです。
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Posted at
2019/03/11 22:53:26