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2019年10月24日 イイね!

駆動用電池 外気温に対する直流内部抵抗の変化と電池損失

駆動用電池 外気温に対する直流内部抵抗の変化と電池損失朝晩、肌寒くなってきました。
駆動用電池であるリチウムイオン電池ですが、温度が低いと内部抵抗が増えて性能が低下します。
どの程度の抵抗が増えるのか?どのくらい電池損失が増えるのか?を把握するために、19/2月~19/8月の間、こつこつデータ採取しました。

<計測手順>
以下の手順で計測しました。
・数値はOBD2モニタ表示値で確認。
・計測時の電池SOC:40%~50%
・朝一起動時(電池温度≓外気温度と見なす)に計測実施。
・システムオンし、電池電流ほぼ0A時の電池電圧V1を計測。(これを開放電圧と見なす)
・素早く加速し、電池電流Ibat≓100A時の電池電圧V2を計測。
・直流内部抵抗Rdc=(V2-V1)/Ibatとして算出。

<計測結果>
グラフにしました。冬期の気温5℃時で約0.2Ω、夏期の気温30℃時で約0.1Ωでした。冬と夏で2倍の差です。
電池内部損失P=Ibat^2×Rdcで直流内部抵抗に比例しますので、
冬の電池損失は夏の2倍です。



グラフ上のデータを直線(黄色)で近似してみると、
外気温18℃以上では、直流内部抵抗の変化は緩やかですが、
外気温18℃以下では、直流内部抵抗の変化は急になる感じです。

電池損失の一例を計算してみます。

・加速時
ちょっと強めの加速時、電池電流Ibat=100A時の電池損失Pを計算してみます。
冬 P=100A^2×0.2Ω=2000W
夏 P=100A^2×0.1Ω=1000W

夏と冬で1kWの差があります。冬は電池電流を抑えてゆっくり走るのが電池損失を抑えることができてよさそうです。
例えば冬は、夏の70%のIbat=70Aの加速に抑えれば、
P=70A^2×0.2Ω≓1000Wとなって、電池損失を夏のレベルにできます。

・30km/h定速走行時(都市内巡航平均速度想定)
電池出力は2kWほど(走行抵抗+補機400W想定)ですので、電池電圧350Vとすると、電池電流Ibat=5.7Aほどになります。
このときの電池損失Pは、
冬 P=5.7A^2×0.2Ω=6.5W
夏 P=5.7A^2×0.1Ω=3.3W
まあ、2倍の差がありますが、大きさはわずかです。
巡航時の低電流では電池損失が小さいので、夏冬の違いは、誤差の範囲です。


電池損失Pは直流内部抵抗に比例ですが、電池電流には二乗で効いてくるので、こちらの方が影響が大きいです。
冬場は直流内部抵抗が大きくなる分、加速を7割程度に抑えて走行することで、電池損失の増加を抑制することができる結果でした。

Posted at 2019/10/24 21:05:25 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ

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