
EV LIFE KOBE 2025で以下の最新EVを乗り比べました。
後編は2日目、以下の順番で3台に乗れました。
キャデラック・リリック
BMW・iX2 xDrive 30
ホンダ・N-ONE e:
神戸市街を20分ほど走行。3台とも、同一ルートを同じような運転で走行。
路面の良いところ、凸凹のところ、60km/h+αでの走行など一通り運転ができました。
試乗説明員(助手席)と相方(後席)乗車で3名乗車条件。
<キャデラック・リリック>
立派なサイズで、駐車場での取り回しはやはり気を使ったが、アクセル操作に対するトルクの出方は調整しやすく一発目から問題なし。道路にでて加速。路面のざらつきはあまり感じずスムーズでシルキーな感じ。ブレーキは停止間際も段付きなく自然で全体的に違和感なし。アクセルはポンと素早く踏むと時素0.3秒くらい後に踏んだ分の加速トルクがポンとでる。アクセル操作からの遅延は、時素的なやり方よりも、一次遅れ的になまらせてもらった方が好みではある。
乗り心地は車体とタイヤの間にサスペンションのほかにもう一枚クッションがあるような感じでソフトな印象。路面からやや遠い感じがあるが、路面凸凹でも左右の揺すられ感やピッチングはだいぶ少なめ。後席の相方もあまり揺れない、ソルテラよりも良いと。帰って調べてみると周波数感応式ダンパーがついているようで、ちょっと工夫がされているようです。
特徴的なギミックとして、ハンドルに左手で操作できる回生トルク調整用のパドルがあり、手前に引くと2cmほどのストローク内で微回生から強回生まで、無段階に回生トルク調整ができる。目いっぱい手前に引くと、信号停車に十分なやや強めの回生ブレーキ力が得られる。停止まで有効で、目いっぱい手前に引いたままでも、停止間際にそっとトルクを緩めてくれるのでショックレスで停車できる。アクセル操作だけで回生力を調整し停止まで可能なワンペダル操作もできるので試したが、回生力はアクセルペダルの微調整でやるより、左手パドル操作で回生力の調整をやる方が微調整も楽で運転しやすかった。なお加速側はアクセルペダルでのみ可能。緩加速だけで良いので、アクセル操作もパドルでできればもっと楽かも、と思った。
もう一つ良かったのは、走行中、左右の死角にクルマや人がいたら、シート座面の左右に内蔵されたバイブレータが振動する仕組み。左方が要注意の場合は左のケツがぶるぶる、右方が要注意の場合は右のケツがぶるぶるする。ブラインドスポットモニターとおもうが、何の警告かわからないビープ音や、視線をそこに移動しないとわからないミラー内LED点滅などで知らせる方式と異なり、ケツでどっちに危険があるのか直感的に感じ取れ、自然に注意が向く。これは非常に良いシステムだと思った。どんどん普及してほしい。
アメ車なので大味かと思っていたが、乗り心地はソフトでも揺れも最小限、効果的なギミックも搭載されていて意外だった。好印象。
<BMW・iX2 xDrive 30>
駐車場を低速走行。スーッとスムーズ感あり。道路に出て巡航していると車体とはやや絶縁された感じで床下でタイヤがゴトゴト動いている感じがあり、路面状態はあまり伝わってこない感じに思った。
アクセル操作に対しては、時素的な遅延がある。40km/hあたりで巡航中、アクセルをポンと素早く踏み込むと、0.3秒くらい後にトルクがドンと立ち上がる。これは昨年乗ったiX1も同じ感じだった。アクセル操作に対して一瞬クルマの反応が遅れる感じがあるのであまり印象は良く感じないが、細かいアクセル操作をマスクすることでピッチング防止するとかの意図があるのかな、とも思ったが設計意図はよくわからない。
ブレーキは停止間際にぐっとパッドがディスクが貼り付く感じあり、ふわっと停めずらい。またこのときにグッと音もする。それを除いては普通にちょうど良いブレーキ。
乗り心地面は、ピッチングは抑えられている方だがやや感じる。路面が良いとスーッとシルキー感はあるものの、凸凹があると車体がやや揺れ気味。相方曰く、後席の揺れはあるが、まだましと。だがリリックの方が揺れは少ないとのこと。
ハンドルは軽く直進性が思ったより甘く感じた。
一昨年のiX1の時は感じたかっちり感があまり感じられなかった。期待値が高すぎたから?
<ホンダ・N-ONE e:>
今年の試乗の最後のクルマ。ディスプレイもない質素な内装。システムオンにしてアクセルを踏むとブレーキホールドが良いタイミングで解除となり飛び出すこともなく、意図通りに必要十分なトルクがでてスムーズに発進。アクセル操作とトルクの出方は自然で感覚的にも良い。渋滞路でも違和感なし。アクセル遅延は時素的なものではなく一次遅れ的な遅延だがさほどネガに感じることはない。街中の巡航だと3人乗車でもさほど踏み込まなくとも流れに乗って走れる。高架道路に上がる長めの上り勾配を60km/hくらいまで加速しようとするとトルク不足はやや感じ、床まで踏み込む感じになったが、音が高まることもなくスーっと加速していく。それでも最大出力で飽和している感じはあり頭打ち感はある。まあリリック、iX2ときての試乗なのでそう感じるのかもしれないが、もうちょっと最大出力は欲しい。
ブレーキは自然で効きのもちょうど良く停止間際の段つきも全くない。
ハンドルは軽すぎ感もなくカーブでも不安な感じもなし。サクラはハンドルが軽いのと、カーブではちょっと不安な感覚があったが、この点はN-ONE e:の方が良い。
ロードノイズも良く抑えられていて今回試乗した一連のEVと比べても遜色がない。軽自動車に乗っているような感じがあまりない。
乗り心地は意外に素直で、マンホール踏んでも上下の揺れのみ。すこしピッチングは感じることがあったが左右の横揺れもないし振動の収束もよい。後席も他のより全然良いと。車高は低いようには見えないが、SUVよりは重心が低くてバランスが良いのか。あとは他のクルマのおおよそ半分の車重も効いているのかも。やはりクルマは動くものなので、重量やバランスは大切なのだろうな、と感じた。
最後に乗ったこのN-ONE e:、あまり期待はせず選択したが、乗り心地が思っていたよりも良く感心した。これをベースにちょっとサイズと出力を大きくすれば、ちょうど良い実用EVができそうに思った。
街乗り総合順位(運転席):
1位 タイカン: 素晴らしい。手に入れやすいセダン型EVがもっと出てほしい。
2位 リリック: SUVながらまあ許せる揺れ。パドル連続回生調整などギミックも良い。
3位 ソルテラ: バランス良くできている。加速~停止までEVらしいスムーズ感がある。
4位 N-ONE e:: 乗り心地が普通に良い。やはり軽いのは正義。揺れの少なさだけで言えばタイカンに次ぐ2位か。
5位 BMW iX2: やっぱり少し揺れるかなぁ。
6位 BYDシーライオン7: 乗り味、乗り心地面ではまだ途上。
7位 ID.BUZZ: 乗り心地がどうのこうの言って選ぶクルマではない!
街乗り総合順位(後席):
1位 リリック: ちょっと揺れはあるが、シートも足元も広く開放感あり。
2位 N-ONE e:: ふわふわ揺れないし乗り心地が普通に良い。広いし問題なし。
3位 タイカン: 揺れは問題ないが、シートがタイト。
4位 ソルテラ: やっぱりすこし揺れるのが。。
5位 BMW iX2: まあ揺れるのと、天井低く窓小さく圧迫感があるのが。。
6位 ID.BUZZ: ちょっともう乗りたくない。
※BYDシーライオン7は、相方不在のため評価なし
Posted at 2025/12/07 19:37:27 | |
トラックバック(0) | クルマ