
駆動用電池の劣化傾向を把握するために、ちょっと検討しました。
リチウムイオン電池の劣化は、容量低下と内部抵抗の増加として現れるそうですが、
それぞれを計測できたとしても、車としてどのくらい性能が落ちたのか(EV走行距離がどのくらい落ちたのか)?が今ひとつわかりません。
容量低下については、SOC13%(EVモード下限)→満充電となるまでの充電電力量を計測すれば、劣化して容量低下すると、充電できる電力量が減ると思うので、これで傾向把握できそうですが、しかし内部抵抗増加分での内部損失は増えるので、これと相殺されて入力端での充電電力量は変わらない?かもしれません。
いずれにせよ、正味車の走行に使える電力量がどの程度減ったのか、EVモード走行可能距離がどのくらい悪化したのか、よくわかりません。
そもそも、我が家の充電設備には専用の電力量計がありません。。。
そこで、サンプルとする走行ルートを決めて、その区間を走行した場合のSOCの低下量(⊿SOC)のデータを継続して記録することにしました。
SOCは、電池ECUの内部にて、そのときの電池容量に応じて0~100%でスケーリングされているはずなので、容量低下するほど、ある電力量を引き出したときのSOCの低下量が大きくなるものと考えられます。
サンプルルート走行時の⊿SOCのデータを蓄積してゆくことで、電池性能の低下が⊿SOCの増加という形で見えるのではないかと思います。例えば⊿SOCが初期の2倍となれば、電池性能(≓容量低下と内部抵抗増加を総合した指標)は半分になったという風に。。
サンプルルートは、ちょくちょく出かける普通充電設備のあるショッピングセンターから自宅までの33.3kmとしました。買い物兼普通充電で満充電とした後、自宅へ直帰するルートです。途中田舎道で渋滞はほとんどなく、運転パターンも一定にできるルートです。走行時間は約45分です。ルートプロファイルを示します。結構アップダウンがあるルートで、最後の連続下り勾配では急速回生充電もあり、電池の充放電条件としても厳しいはずですので、電池のパフォーマンスを監視するには良いかなと思います。
というわけで、これまでの当該ルート走行時の⊿SOCをグラフにプロットしてみました。外気温と空調使用状況も⊿SOCに影響を与えるので、これも同時にプロットすることに。
空調は冬は22℃に設定していますが、寒いときは適宜調整しています。あまり厳密に管理はしていません。シートヒータはほぼオン(助手席+運転席=約200W)、ステアリングヒータ(約100W)もほぼオンです。
現状としては、10月の外気温17℃前後、AC負荷率0%近傍が⊿SOCが最も小さく、ベストコンディションであることがわかります。⊿SOC=31%です。ここを基準として考えます。やはり冬は厳しいですね。ベストの⊿SOC=31%と比べて、最悪で⊿SOC=40%まで悪化しています。ベスト比で3割ほど悪化ですね。これから春に向けて、⊿SOCは下がってゆくことでしょう。待ち遠しいです。それで、この計測を今後も続けてゆけば、電池性能の劣化傾向が徐々に見えてくるものと思います。
根気が続けばですが!
Posted at 2019/02/23 18:25:00 | |
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