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おっさんくんのブログ一覧

2019年10月26日 イイね!

なぜ冬期に電費悪化するのか?・・・気温と転がり抵抗の関係

なぜ冬期に電費悪化するのか?・・・気温と転がり抵抗の関係もう秋も半ば、冬まであと少し。。これからは電費も徐々に悪化してきます。
EV/PHVは冬に弱いと言われていますが、なぜ冬期に電費が悪化するのか?
電池の性能が低下するから、タイヤの転がり抵抗が増加するから、と言われていますが、いまひとつ曖昧です。
何がどの程度影響しているのか、定量把握をしていきたいと思います。

前回のブログでは、気温に対する電池内部抵抗の変化と、それによる電池損失を算出しました。電池損失はさほど大きなものではありませんでした。
今回は、タイヤに関して、気温に対する転がり抵抗の変化を算出します。

調査の結果、転がり抵抗は温度により変化するので、タイヤの性能表記としての転がり抵抗の値は、25℃のときの値を使用することになっているようです。計測は20℃~30℃の間で実施することになっており、25℃以外で計測する場合は、25℃での値に換算した値を転がり抵抗係数RRCとして表記しているようです。
このときの換算式が以下です。
出典:JIS D4234 乗用車,トラック及びバス用タイヤ−転がり抵抗試験方法
https://kikakurui.com/d4/D4234-2009-01.html



この式を使って、各タイヤの公称RRC値(@25℃)を使って、0℃~35℃までのRRCを算出してグラフにしてみました。
ただこの式は20℃~30℃の範囲での補正式なので、温度範囲を拡張して使用できるのかどうか議論がありそうですが、今のところ他に情報がないのでやむなしとします。



横軸:温度vs縦軸:転がり抵抗係数です。
タイヤは以下3種類をサンプルとしました。

転がり抵抗等級A:ADVAN dB v552(RRC=8.6@25℃、赤線)・・・現装着
転がり抵抗等級AA:ECOPIA EP150(RRC=7.4@25℃、緑線)・・・純正
転がり抵抗等級AAA:ENASAVE NEXT Ⅱ(RRC=5.8@25℃、青線)・・・低転がり

転がり抵抗係数RRCは温度25℃で定義されていますので、温度25℃のところに各等級の範囲を黄色で示します。

グラフから、冬期(5℃)での転がり抵抗は、気温25℃時の1.2倍くらいになります。つまり、タイヤでの損失が1.2倍になると言うことです。

また、ADVAN dB V552は、カタログ上、ギリギリ等級Aですが、5℃では等級B、0℃なら等級Cの25℃時の転がり抵抗相当に悪化します。恐ろしい!
ちなみに等級AAAのENASAVE NEXT Ⅱは、0℃でも等級AAの25℃時相当に収まっています。

温度に対する転がり抵抗の悪化は、タイヤがゴムでできている限り、原理的に避けられないのかも知れませんが、転がり抵抗の悪化しないタイヤを開発して欲しいですね。

追って、転がり抵抗の増加と電池損失の増加がどの程度電費に影響しているのか、試算してみたいと思います。
Posted at 2019/10/26 16:03:18 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ
2019年10月24日 イイね!

駆動用電池 外気温に対する直流内部抵抗の変化と電池損失

駆動用電池 外気温に対する直流内部抵抗の変化と電池損失朝晩、肌寒くなってきました。
駆動用電池であるリチウムイオン電池ですが、温度が低いと内部抵抗が増えて性能が低下します。
どの程度の抵抗が増えるのか?どのくらい電池損失が増えるのか?を把握するために、19/2月~19/8月の間、こつこつデータ採取しました。

<計測手順>
以下の手順で計測しました。
・数値はOBD2モニタ表示値で確認。
・計測時の電池SOC:40%~50%
・朝一起動時(電池温度≓外気温度と見なす)に計測実施。
・システムオンし、電池電流ほぼ0A時の電池電圧V1を計測。(これを開放電圧と見なす)
・素早く加速し、電池電流Ibat≓100A時の電池電圧V2を計測。
・直流内部抵抗Rdc=(V2-V1)/Ibatとして算出。

<計測結果>
グラフにしました。冬期の気温5℃時で約0.2Ω、夏期の気温30℃時で約0.1Ωでした。冬と夏で2倍の差です。
電池内部損失P=Ibat^2×Rdcで直流内部抵抗に比例しますので、
冬の電池損失は夏の2倍です。



グラフ上のデータを直線(黄色)で近似してみると、
外気温18℃以上では、直流内部抵抗の変化は緩やかですが、
外気温18℃以下では、直流内部抵抗の変化は急になる感じです。

電池損失の一例を計算してみます。

・加速時
ちょっと強めの加速時、電池電流Ibat=100A時の電池損失Pを計算してみます。
冬 P=100A^2×0.2Ω=2000W
夏 P=100A^2×0.1Ω=1000W

夏と冬で1kWの差があります。冬は電池電流を抑えてゆっくり走るのが電池損失を抑えることができてよさそうです。
例えば冬は、夏の70%のIbat=70Aの加速に抑えれば、
P=70A^2×0.2Ω≓1000Wとなって、電池損失を夏のレベルにできます。

・30km/h定速走行時(都市内巡航平均速度想定)
電池出力は2kWほど(走行抵抗+補機400W想定)ですので、電池電圧350Vとすると、電池電流Ibat=5.7Aほどになります。
このときの電池損失Pは、
冬 P=5.7A^2×0.2Ω=6.5W
夏 P=5.7A^2×0.1Ω=3.3W
まあ、2倍の差がありますが、大きさはわずかです。
巡航時の低電流では電池損失が小さいので、夏冬の違いは、誤差の範囲です。


電池損失Pは直流内部抵抗に比例ですが、電池電流には二乗で効いてくるので、こちらの方が影響が大きいです。
冬場は直流内部抵抗が大きくなる分、加速を7割程度に抑えて走行することで、電池損失の増加を抑制することができる結果でした。

Posted at 2019/10/24 21:05:25 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2019年10月19日 イイね!

EV/PHVのタイヤ選びは慎重に! 転がり抵抗性能vs電費変化率

EV/PHVのタイヤ選びは慎重に! 転がり抵抗性能vs電費変化率タイヤを変えることでどの程度電費が変化するのか?
ECOPIA EP150とADVAN dB V552以外のタイヤの場合を含めて、汎用性を持って把握できるように、転がり抵抗係数RRCと電費変化率の関係を計算しました。

純正ECOPIA EP150(RRC=7.4)の電費を100%とし、RRCに対する電費の変化をグラフ化します。
100%を超える数値は電費悪化、100%を下回る数値は電費改善を示します。
計算条件は、これまでと同じ、車両重量1650kg、平均速度30km/h、空調補機負荷400Wとしています。
なお横軸には、RRCに対する転がり抵抗等級(AAA~C)を示しています。

計算結果を示します。



電費変化率は、RRCに対して比例関係となりました。
転がり抵抗性能AAAで、最も転がり抵抗係数の低いタイヤ(ダンロップ・ENASAVE NEXTⅡ、RRC=5.8)では、純正比で14%の電費改善になることがわかります。
現在装着しているADVANdB比では24%の電費改善です。
転がり抵抗係数の電費への影響はかなり大きいと思います。電費=航続距離ですので、転がり抵抗性能AAAのタイヤを選択すれば航続距離を大きく伸ばせます。
しかもこのENASAVE NEXTⅡ、ウエットグリップ性能の等級はaであり、なかなかの性能と思います。一度試してみたい・・・乗り心地はどうかな?

5年後?次のタイヤに交換するころには、駆動用電池も若干容量低下して航続距離の低下を実感しているかもしれませんが、より転がり抵抗係数の低いタイヤを選択することで、電池の容量低下による航続距離の低下を打ち消すことができそうです。

留意すべき点としては、同じ転がり抵抗等級でも、RRCが異なると電費は大きく変わります。その等級の上限RRCと下限RRCとでは、電費は10%異なります。
EV/PHVの場合は、もはや転がり抵抗等級は当てになりません。RRCの値そのものの違いを十分に比較する必要があります。

※タイヤメーカのHPには、転がり抵抗等級と燃費変化の関係を示した図がありますが、これはあくまでも、エンジン車の場合の計算値です。エンジン車想定で損失を設定して計算してみましたが、おおよそ合っています。
内燃機関は損失がかなり大きく、相対的に転がり抵抗等級の違いによる転がり抵抗損失の違いの燃費への影響は小さい。



しかしEV/PHVの場合には、以下のようになります。
こういう話はタイヤメーカもわかっているはず。HPに載せておくべき。
一桁違うのだから!


Posted at 2019/10/19 17:38:37 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2019年10月12日 イイね!

米トヨタ、駆動用電池の保証を10年/24万kmに延長

米トヨタ、駆動用電池の保証を10年/24万kmに延長米国トヨタが、2020年モデルから、PHV等の駆動用電池の保証期間を新車登録後10年/24万kmに延長するとのこと。(現状は8年/16万km)
出典;https://response.jp/article/2019/10/11/327520.html

国内でもやって欲しいところです。

2020年モデルから電池を変更するわけではなく、現行電池のままで保証期間を延長することのようです。これまでの実績から、現行の設計でもその程度は十分に保証できるということでしょうか。

気になるのは、保証期間もさることながらその内容。
走行不能や警告灯がつくなどの明らかな故障はもちろん保証対象でしょうけど、電池容量低下の保証がどうなっているのか?という点。

米トヨタのリリースを読んでも書いてありません。詳細は保証書を参照とある。

2020PriusPrimeの保証書を見てみました。
https://www.toyota.com/t3Portal/document/omms-s/T-MMS-20PriusPrime/pdf/T-MMS-20PriusPrime.pdf

以下の記述がありました。
”Reduction of lithium-ion battery capacity is NOT covered under warranty.”



容量低下は保証対象外とのこと。


中途半端やなぁ。。
Posted at 2019/10/12 17:14:10 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2019年10月12日 イイね!

EV/PHVのタイヤ選びは慎重に! 速度に対する電費への影響度合い

EV/PHVのタイヤ選びは慎重に! 速度に対する電費への影響度合いせかっくエクセルシートを作ったので、いろいろ計算してみました。

既報のとおり、ECOPIA EP150(195/65/R15)→ ADVAN dB V552(195/65/R15)で電費は1割悪化しました。実測と計算はよく一致しましたが、これは街乗り・平均速度30km/hのときの結果です。
速度を変えてみるとどうなるのか、計算してみます。

30km/hの他、バイパス想定の50km/h、高速想定の100km/hで計算してみます。
他の条件は同じです。









速度が高いほど、転がり抵抗損失の割合が減少し、代わりに空気抵抗損失が増大する結果です。転がり抵抗損失の割合が減少する分、タイヤ交換に起因する電費の悪化率は軽減されます。
100km/h前後の高速走行を主体とする使い方では、タイヤ変更による電費悪化は5%程度に抑えられるようです。

ECOPIA EP150(195/65/R15)→ ADVAN dB V552(195/65/R15)における電費悪化率を対速度でグラフにしてみました。



街乗り速度域(30km/h前後)での影響が大きい結果でした。
低速時(10km/h)に電費悪化率が小さくなるのは、空調・補機消費の割合が目立ってくるので、転がり抵抗損失の影響度合いが減るためです。
転がり抵抗損失は速度によらず一定ですが、空気抵抗は速度の二乗に比例するため、高速走行時の空気抵抗損失はかなり大きいです。速度が上がるほど、転がり抵抗損失の影響は減ります。

■空気抵抗損失による電費悪化率
ADVAN dB V552(195/65/R15)における、速度に対する電費悪化率を計算しました。
基準は30km/h=100%です。
よくEVは高速走行での電費悪化が顕著だ、高速が苦手、と言われますが、元々の駆動系損失が小さいために、電池の仕事に対して空気抵抗損失の寄与が大きく、速度が上がるほど電池出力が増加し電費が悪化することになるためです。
エンジン車であれば、元々エンジンでの熱損失が膨大でほとんどの車載エネルギーを捨てていますので、空気抵抗損失の増加があっても全体損失に埋もれてしまって目立たないだけ、というのが真相です。


Posted at 2019/10/12 09:57:06 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ

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何シテル?   05/22 09:31
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