
先日TC1000で86keiさんとお話しする機会があり、みんカラでも繋がりました✌
1年を振り返れば、今年も車を通じて新しい出会いがあり、いい年になったと思います。
ブログをご覧いただいている皆様がよいお年迎えられますように(^_^)/
さて今回のブログでは、最近やってきた、86BRZの定番?の内装剥がし+αの軽量化モディファイがひと段落したので、その効果についてまとめます。
(効果とはいっても、厳密に軽量化のみの効果を抽出できるほどの検証を行ったわけではなく、素人の戯言レベルのものです。参考/暇つぶしの情報程度になればと思います。)
例によって長いので、先に内容の要点を書いておきます。
・ブレーキングやコーナーリングで速くなっている模様。
・ラップタイム短縮には効く。ただし短縮幅はTC1000では1/10秒単位のレベルか。秒単位は難しそう。
・リアの挙動が不安定になった。
・純粋な縦(加速)の速さに関しては、ほぼ効果はなさそう。
まず、今年の秋に入るまでは、意図的な軽量化には手をつけておらず、サーキット走行中の車両重量はだいたい1,200~1,210kg程度でした。(MT廉価グレードなのでもともと軽いのと、シートや排気系の交換で少し軽くなっていました。)
そこから11月頭に軽量化に着手して約35kg軽くしたのが最初で、その後さらに2回にわけて合計約26kgの軽量化を行いました。
11月頭にやった軽量化をPhase 1とし、その後の2回の軽量化をそれぞれPhase 2、Phase 3として以下に詳細をまとめます。特に記載がない限り、走行の評価はTC1000で行っています。
なお、軽量化前 & Phase 1~3のTC1000のベストラップは次の通りです。
軽量化前:40.49秒 (気温20℃ 大気圧1025.9 hPa)
Phase 1 :40.24秒 (気温14℃ 大気圧1022.5 hPa)
Phase 2 :39.984秒 (気温 8℃ 大気圧1021.1hPa)
Phase 3 :39.966秒 (気温 5℃ 大気圧 999.7hPa)
この4回の走行の車の仕様は、すべて同じだと思っていただいて結構です。タイヤも同じものを使いまわしています。
(4回目のみブレーキパッドが擦り切れたため銘柄を変更しましたが、ピークの効きや前後バランスが変わった感じはなく、ラップタイムやドライバビリティに有意な差を産んだ可能性は低いと判断しました。)
【Phase 1】
以下のパーツを撤去しました。
(以降に記載の個々のパーツの重量値は、0.1kg程度の誤差がある可能性があります。)
・助手席シート 17kg ※シートベルトキャッチ、シートレール込
・リアシート背もたれ 6.5kg
・リアシート座面左右 3.9kg
・リアシート座面の取り付け金具4パーツとボルトワッシャー全て 1.8kg
・リアシート座面すぐ後ろにある、3つのクリップで留まっている発泡スチロール 0.2kg
・助手席前ダッシュボード蓋 1.1kg
・オプションフロアマット フロント左右 1.1kg
・リアシート横のデカいスピーカーついてる内装パネル助手席側 1.4kg
・リアシート横のデカいスピーカーついてる内装パネル運転席側 1.2kg
・トランク内の内張 1.3kg
合計35.5kg。
この段階で走ったときに感じたのは、とにかくいいことづくめということでした。
ベストラップタイムは、前回の走行から0.25秒というわずかな短縮にしかなりませんでしたが、軽快感が向上したことで走っていて楽しかったです。
詳しくは以前公開した↓のブログにて
https://minkara.carview.co.jp/userid/3068040/blog/46517583/
【Phase 2】
以下のパーツを撤去しました。
・フロアカーペット 3.9kg
・フロアトンネルの小さいカーペット 0.3kg
・リヤシートベルト(左右セット。取り付け金具&ボルト込) 2.2kg
・カーテンエアバッグ(左右セット)2.1kg
・Cピラー周りの内装パネル(左右セット6個構成) 1.7kg
・天張り(ルームランプ、配線、サンバイザー留めクリップ込)1.4kg
・サンバイザー(左右セット。取り付けボルト込) 0.9kg
合計12.5kg。
走った感想としては、Phase 1のときよりも燃料も10Lほど減っていたことも影響していると思いますが、トラクションのかかりが急激に悪化したのを感じました。
リアタイヤの熱の入りが遅くなったのと、車速が乗るTC1000の1コーナーではかなり滑りやすくなったのを感じました。
車速が低いヘアピンは平気なのですが、1コーナーではタイヤがまるで塩ビにでもなったかのように食わず、下手に走ればタコ踊りしてしまうであろうくらいに危ない挙動に…。
1コーナーを除けばデメリットはなく、Phase 1と同様に制動や旋回でメリットがあるように思いました。
で、これはやりすぎだと思ってPhase 1の仕様に戻そうかと思ったのですが、それじゃ面白くないよなーと。(内装剥がしに興味がある方にもし聞かれたら、自分がお勧めするのはPhase 1止まりになると思いますが)
Phase 1&2で行った軽量化はキャビンより後ろの範囲で、エンジンルームから前方向の軽量化は手付かずでした。そしてフロントオーバーハングには大きなスプリッターがついています。
じゃあフロントタイヤにかかる荷重を減らす/リアに荷重かけやすくなるようにしてみるか…ということでやったのがPhase 3の軽量化です。
ちなみにフロントスプリッターについては、以前からTC2000クラスになると効きすぎて運転しづらいデメリットを認識していて、実際TC2000を走るときは外して走っていました。付けたり外したりは面倒ですし、見た目の治安もアレなので、もう少し小型でカドの立たないものにしたいという気持ちは前からありました。
【Phase 3】
交換 or 取り除いたものは下記の通り。
交換したもの:
・フロントのアンダーエアロをVERUS ENGINEERING フロントスプリッターからSTI フロントアンダースポイラーに交換 5.3kg(VERUSが6.0kg、STIが0.7kg)
・リインフォースメントを純正からLAILEのものに交換 2.5kg (純正が発泡スチロール込で6.9kg、LAILEが4.4kg)
取り除いたもの:
・ウォッシャー液 4.7kg
・TRD タワーバー 0.7kg
・ボンネットインシュレーター 0.3kg
合計13.5kg。
走った感想としては、まず一般道に繰り出したときに、ステアリングを回すのに必要なトルクが小さくなっていることに気づきました。フロントタイヤの幅が1~2サイズ細くなったかのようでした。
サーキット走行においては、前後のグリップバランスが良くなり、限界領域でのコントロールがしやすくなりました。Phase 2で感じたトラクション抜けはいく分改善され、危なげな印象も感じなくなりました。
また、走行後のタイヤ内圧を測定したところ、Phase 2以前と比べて、リアタイヤに対するフロントタイヤの内圧の上昇度合いが抑制されていました。
ただ、サーキットにおけるこうした変化については、ドライバー側による走らせ方の変化も加味したものになります。
どういうことかというと、これは軽量化というよりフロントスプリッターの存在の有無によるものだと思うのですが、Phase 2ではコーナー進入でパキッと向きを変えて一気にトラクションをかけていく、いわゆるV字コーナリングができた(実際にそう走っていた)のですが、Phase 3では、進入で向きを変えたり、加速態勢に入ったりするという操縦の境目が曖昧になっていました。
要するにPhase 3では同じようなコーナリングができなくなり、走らせ方も変えざるを得なかったというわけです。
走らせ方が変わったのはデジスパイスのフリクションサークルにも表れているように思います。
下図がPhase 2と3それぞれのフリクションサークルになります。左がPhase 2、右がPhase 3です。

上半分を見ると、Phase 2のほうはPhase 3と比較して十字に角がたったような分布になっている傾向があるように思います。
Phase 2まではコーナー進入でパキッと向きを変えていた(つまり縦で制動したあと一気に向きを変えて加速態勢に移行するような運転をしていた)から十字型になっていたのだと思います。
また、下半分をみると、Phase 2のほうがコーナー立ち上がりで加速するときのGのバラつきが少ないのがわかります。ちょうど9時と8時の間あたりですね。
Phase 2のほうが、クリッピングポイント付近でブレーキを離したあとにもフロントタイヤが食い続けている感触があり、スリップアングルの収束が早く(=頭がコーナー出口を向くのが早く)、スロットルも一気に開けていけていました。
その“スロットルを一気に開けていけた”というのが、9時〜8時あたりのGのバラつきが少ないという点に表れているのではないかと思います。
ラップタイムとしてはPhase 2とPhase 3でほぼ同じでしたが、デジスパイスでそれぞれの走行軌跡を見ると、2コーナー~インフィールドの左コーナーではPhase 2のほうが速かったですが、1コーナーは安定して走行できたPhase 3のほうが速かったです。
ラップタイムがほぼ同じだったのは、それぞれが吊りあった結果だと思います。
もし最初からフロントスプリッターがなかったら、Phase 3はPhase 2と比べてもう少し早く走れていたのかなと。
こうして振り返ると、Phase 2からPhase 3に関しては空力パーツとしてのスプリッターの存在が大きく純粋に軽量化にのみ焦点を当てることができなかったように思いますが、全体を通して60kg程度の軽量化の効果がどれくらいあったかといえば、チートと言えるほど明確な効果はないのではないかと思いました。
軽量化に着手する前は、「ドンガラにしたらラップタイムは1秒短縮できる」と言われても驚かないくらいのイメージを持っていましたが、実際にやってみた後は、単に軽量化しただけではせいぜい0.5秒縮まれば上出来なのではないかなぁと。
個人的にはPhase 2でリアの挙動が急に危なげになったという変化が一番気になったところで、その点についてはもうちょっと書きたいことがありますが、長くなりすぎるので次回のブログに回したいと思います。
最初の要約のところに書いた「純粋な縦(加速)の速さに関しては、ほぼ効果はなさそう。」も併せて書きます。
2023/01/15追記:
続きのブログはこちら(
「最近やった軽量化のまとめ②」)