車高調を導入した話です。
これまで、ノーマルサスとShowa Tuning極で2年ほど走ってきて、先日HKSのHIPERMAX IV SPへ移行しました。
自分のBRZの乗り方としては、だいぶサーキットユースの割合が高いほうだったと思いますが、これまでいわゆる硬いサーキットスペックなシャコチョーを使ってきませんでした。
それはなぜかというと、
・なるべくメーカーの設計とセッティングを理解したい
・脚のセッティングで悩んでドライビングを楽しむ機会を逸したくない
・脚を硬めることで必ずしも速くなると思えない
・むしろシャコチョーは車高落としてカッコよく見せたり太いタイヤホイールに干渉しないようにしたりすることに主眼をおいたものではないかと疑念をもっていた(←w
といった理由から。
(3つ目と4つ目から醸し出されるヒネクレ野郎感がすごい)
しかし先日、サーキットで走っているのを外撮りしてもらって、自分の車のロールが思っていたより大きいことに気づくというイベントがあり、
以前からネガティブキャンバーをつけているにもかかわらずフロントタイヤのアウト側ショルダーの摩耗度合いが大きいことが気になっていたのもあって、
脚を硬めロールを抑えることでもっとグリップを引き出すことができる可能性の高さが、自分のなかでいよいよ腹落ちしてきました。
また、使うタイヤによっては、トラクションの抜けが急にくることがあり、
サスの伸び縮みとタイヤの伸び縮みが調和していないからなのかな~
とか
ダンパーの減衰力を変えたらうまく調和するようにできるのかな~
と思ったりもしていました。
そんなこんなでサーキットスペックなシャコチョー導入に至ったというわけです。
で、先週末にシャコチョーをシェイクダウンしてきて感じられた変化や思うことが色々あったので、その記録を残しておこうと思います。
■ラップタイムについて
まずやはり何をいっても気になるのはラップタイムだと思うので最初に書いておきますが、これはきっぱり、遅くなりましたw
本庄サーキットとTC1000を走行したのですが、それぞれ同月のベストラップより1.4%(0.7秒)、0.2%(0.1秒)タイムが増加するというオチ。
しかも気温が下がっておきながらw
ただ、落ち込みつつも()冷静に車載動画を見返しつつ反省してみると、
実は脚が悪いのではなくドライバーが脚に適応できず運転をまとめられなかっただけという可能性が高い
という結論に至りました。
今後うまくドライビングをアジャストしていければ、ベストラップタイムを更新できる可能性が大いにあると思われます。
■シャコチョーに変えて、運転は何がどう変わったか?
うまくまとめられませんが、多少でも読みやすくなるように、次の4つの観点に分けて書いていきたいと思います。
①乗り心地
②前後ロールバランスとトラクション
③ブレーキング
④ステアリングの操作感
①乗り心地
まず、スプリングレートを比べるとショーワ極のだいたい倍のレートであるにもかかわらず、乗り心地が悪くなった感じはさほどありませんでした。(減衰ダイヤル15段戻しでの感想)
スプリングレートデータ:
ショーワ極:F35N/mm R44N/mm
HIPERMAX IV SP:F&Rとも78N/mm
じっくり時間をかけて乗ってみると、あー確かに硬いところあるね〜とわかってくるのですが、予想していたよりずっと乗り心地がいいという感想のほうが自分のなかでは圧倒的にインパクトがありました。
デートカーとしても短時間なら余裕でいけると思えるレベルです。
まあ今のところ乗せる相手がいないのでしらんけど()
②前後ロールバランスとトラクション
前後ロールバランスはちょうどいい感じでした。
HKSのほうがアンダーステアになると予想していましたが、実際乗った感じでは、ターンインにおいてはHKSのほうがオーバーステア傾向でした。滅多に起こさないブレーキングドリフトが早々に発生したほど。
一方のターンアウトでは、やはりというかトラクション性能が向上していて、車載動画で分析して実際にヘアピンの立ち上がりが以前より速くなっていることが確認できました。
プッシングアンダーが増した感じは特になかったので、リアで利用できる荷重が増えたというより、前後の荷重移動が早くできるようになったのかなと思います。
(トラクションに必要なグリップの立ち上がりが早い→アクセルを多く踏める)
③ブレーキング
ブレーキについてはちょっと引っかかったことがありました。
フルブレーキすると、リアがリフトしているのか、
タイヤのロックと、電子制御の介入によるブレーキの制御 & 僅かな鉄板ブレーキの症状がそれぞれ断続的に出て、制動距離が伸びるようになってしまいました。
これについてはリヤの減衰力を弱めてストロークスピードをあげるだけでは補正できなかったため、
リアブッシュ0G締め+リアのサスの全長を伸ばし車高を10mm上げる
という対策をとったところ、大体よくなったようでした。
※補足情報:
サスはとりあえず出荷時設定で組んだのですが、HKSが公開している参考測定値データでは、
前-19mm/後-21mm
になっているところ、実際に組んだら、
前約-15mm/後約-30mm
という状態になりました。
この状態でリアのリバウンドストロークはショーワ極と比べて大体2cm短い状態でした。
「よくなったようでした」というのは、実感としてはショーワ極より制動力が弱い気がしているため。
しかし車載動画を比較してみると、意外にもショーワ極よりもブレーキングポイントを数10cm奥にして、なおかつしっかりとターンインできているところもありました。
ピッチングのモーションが小さくなったために制動力が弱くなっていると錯覚しているのかもしれません。
ここはまだ評価を重ねる必要がありそうなので、もう少し走り込みつつ様子をみていこうと思います。
HKSはショーワ極よりも高いスピードでアンダーを出さずに曲がっていってくれるような手応えもあるので、制動力が落ちているとしてもその分ボトムスピードを上げた状態で曲げてタイムを補うということもできるかもしれません。
④ステアリングの操作感
ブレーキのほかにもうひとつ引っかかったのが、ステア操作。
これは色々と思うことがありました。
長くなってきてしまったので、ここでいったん切って、このステア操作については次回のブログに書いていきます。