
国産車で気になる車は・・・、正直余り無いんですよね。
そんな中でも、一度接したいと常々思っていた車、
それがこの『スズキ キザシ』です。
受注生産、単一グレード、選べるのは駆動方式のみ。
4WDで300万円。
標準で革シート、シートヒーター、HIDなどフル装備で、
いまや珍しいパートタイム4WD。
トランスミッションはCVT。
東京モーターショウでコンセプトカーが数度発表され、やっと発売にこぎつける。
量産しようの写真を診るとイイ感じなデザインでしたが、スズキのイメージが先行してしまい、
忘却の彼方へと去っていましたが、今回は急浮上!
受注生産ですから、中古車市場でも中々見つからず・・・。
そんな中でもメーカーサイトで検索してみると北海道には3台の新車の試乗車が!
というわけで、前ブログの切り絵展を見に行く前にディーラーへ。
いきなりフリーランダーで乗り付けて『キザシの試乗したいのですが・・・』と言い、
怪訝なお客ですから最初の対応は???でしたが、話していくとイイ感じ。
試乗した感想は・・・、国産車と思えないくらいのとても良い出来です。
CVT特有のブレーキング時に強く掛かってしまう症状は出るものの、総じて良い躾がされています。
VIVIOで慣れているのでCVTに違和感は感じません。そしてエンジンパワーも十分。
エンジンは2.4Lの直4ですが、マルチシリンダーではないけれど安っぽさもなく、
1.5tのボディを188psで気持ち良く引っ張ってくれます。
ちょっと重くなるけど以前エスクードに積んでいた2.7LのV6でもいいかもしれません。
シフトゲートをマニュアルに切り替えなくても、ハンドルのパドルシフトを操作すると、
Dレンジでもシフトダウンしてくれます。特にこの冬の時期にエンブレを効かせたい時なんかは、
一々シフト操作しないでも済み、余裕をもって安全に止まりやすい事と思います。
デザインからくる一体感、塊感は運転していても感じられます。
ボディ剛性が高く、しっかりとサスペンションが仕事を全うしていて、
18インチ45扁平のタイヤを履きながらも、乗り心地は非常に秀逸。
バネ下のバタツキ感もありませんでした。
ちなみに2万キロほど走った個体ですが、全然ヤツレ感もありません。
ステアリングは、初期動作に戸惑いを感じましたが、フリーランダーとの差を感じただけであり、
路面振動を心地良く伝え、いやな雑味も感じられず洗練されています。
ブレーキもしっかりとしていて、効かせたいだけ効くという感じです。
まあCVTによる効きの変化はありますけれど。
シートのポジションも電動ですが取りやすく、座高の高い僕でも違和感なく着座できました。
ヒーターも若干弱く感じながらも、車が温まると十分に機能してくれるのが分かります。
短所はというと、アイドルでの排気音が室内に篭ってしまうこと。
これは排気系の交換で何とか出来るレベル。若しくはデットニングを改めて施してもイイでしょう。
あと、僕の手が大きいのでハンドルは細く感じます。
欧州車では太いものばかり乗り継いできましたから余計に感じられることでしょう。
シートの座面のアンコが一寸少ないかな。革が軟らかいから余計に感じたのかもしれません。
見積もりも取りましたが、値引きなしの条件でお願いして、冬タイヤも付けてとなるとちょっと高額。
これが他社であれば、装備内容からすると十分に安いのですがね。
やはり18インチのスタッドレスが高い…。冬は17インチぐらいに落とすことが必須でしょう。
スズキからDセグメントへと殴り込みをかけて、スイフトのしっかりと熟成した足回りが更に熟成を重ね、
これが本当の小さな高級車だなぁ~と思わせてくれました。
発売当初、VWを意識しているなぁ~なんて思っていましたが、
3シリーズやA4も視野に入れていたと考えると、本当に良くできています。
北米や欧州で普通に販売されているようで、他国産車を考えると、非常に手が入っていて、
しっかりと設計されている事が良く分かります。
これは、十分に買い!という結論になっちゃいました。
『スズキは軽』というイメージが先行してしまい、
ジムニーの延長線上にSX4やエスクード、XL-7がありオフロードに強く、
更に大型のモノはGM製というイメージが先行してしまいますが、
この『キザシ』に関しては良く頑張って作られていますから、
イメージによる販売不振が一寸もったいないです。