キレる女懲りない男

著者は富士通で人工知能を研究していた黒川伊保子氏。
脳科学は大好きでいろいろな本を読んできたけど、これほど簡単にわかりやすく、面白おかしく書かれた本はなかなかないと思う。

まず驚いたのは、「男性脳には察する機能はない」ということ。
え???ど～ゆ～こと???と相当驚いた!!
思いやりに欠ける(と女性が思う)男性の行動は、そもそも男性が「任務」として認識していないことから起きるすれ違い。女性は「私が大切ならそんなことわかるよね」と思っても男性はそれを「自分がすべきこと」と思っていないのだからやらない。
では、なぜ女性はそれに気が付かないのか?
私は、男性すべてが察する機能を持ち合わせていないわけではないからだと思う。
標準装備ではないけど、オプションとして身に着けている、あるいは別の角度から「任務」として認識し行動する男性がいるから、女性側は(少なくとも私は)まさか持ち合わせていないなんてこと、ハナっから疑わなかった。
ただ、言われてみれば思い当るフシは山ほどある。

また、同じ女性に対しても、「なぜそんなことする???」と不思議に思うこと、たとえば延々ととりとめのない、ゴールもなければ目的もない話を、なぜいつまでもするのか?
共感してほしいということと、潜在意識と顕在意識のすれすれのところで脳を使うためには次々に出てくる言葉を(1日に2万語考え6000語を発するらしい)次々に出していかないと間に合わないらしい。
・・・ああ、そうなんだ・・・
のべつ幕なし、くっだらない話を延々とする母に「私の大事な時間、そんなことに使うか(怒)!!」と心の中で言い、「その話、どこに行きつくの?」と実際に口に出していた私、今後はできるだけお付き合いさせていただきます(__)

男性脳のトリセツについても書かれている。
うちの同居人は目の前にあるものをよく探す。
どこか壊れていると思ってきたけど、どうやら男性は目の前にあっても見えないらしい。
見えないものはないも同じ。
よく、同じものをいくつも買ってきてバラバラ置く行動が理解できなかった。
私はカテゴリー分けが割と好きで、関連性を重視するがどうやらそれも女性脳だからのよう。
男性は3次元でものが見れる分、まばらにしか見えない上に、すべての工程は書き出さないとわからないらしい。
カテゴリー分けの基準と中身をすべて書き出すなんてまっぴらごめん!!
それじゃあちっとも合理的じゃないし(^_^;)

著者は「異性の脳を自分の脳と同じように扱おうとして作るストレスは、オーブントースターにふっくらご飯を炊かせることを期待してがっかりするようなもの」と言っている。
・・・なるほど・・・
普通、オーブントースターにご飯を炊かせようとは思わない。
オーブントースターは、ポップアップトースターほど上手にパンが焼けなかったとしても「まあこんなもんよね」と許せる。
なのに、人間にはなんて厳しかったんだろう???
言い訳はただ一言。
「知らなかったから」

他にも、歳を重ねてゆたかになる脳の使い方や、タイタニックの質問などとにかく面白い。
今年一番のお勧めの本。
特に男性に読んでいただければ、犬も喰わないといわれるものから解放される可能性大!!
女性はいつでも、お姫様のように大事にされたいと思っているのだから。