長生きしたけりゃ小麦は食べるな

著者は、医師・本間良子氏。

表紙に「小麦がすべての原因だった!」とあるように、グルテンがすべての体調不良やメンタル不調の原因だと著者は言っている。特にグリアジンは免疫システムの暴走原因だと。

確かに、小麦をやめることで健康面に効果が出た話は聞く。現に私自身、甲状腺機能低下症・橋本病の診断を受けたが、試しにやってみたグルテンフリーで数か月後に数値は正常に戻った、わずかな甲状腺肥大は変わらなかったけど。またそれまで強いステロイドを使っていた皮膚症状もかなり改善した。

著者は、「和食に戻していこう」と提案しているが、小麦はパンだけでなく、うどんやそうめん、お好み焼きやたこやきなどの粉もの、麩や饅頭など昔から日本でも普通に使われている。第二次世界大戦後は学校給食でも長い間パンと牛乳(戦後すぐは脱脂粉乳だが)だったのに、米飯食が普通になった今ほどの悪影響は聞かなかったように思う。

プロラシン系タンパク質はグリアジン以外にも、ホルディン(大麦)、セカリン(ライ麦)、アべニン(オーツ麦)、ゼイン(とうもろこし)など、もちろん米にも含まれているのになぜグリアジンだけがだめなのか。
そのあたりも説明はなく、ただ不安をあおる書き方がされているだけなのがとても残念。