みきらでぃんのブログ一覧

著者は、宗教学者・島田裕巳氏。
著者はまず、宗教を理解するための鍵は「ことば」へのフォーカスだと言っている。
知っているようでよくわからなかったり、日常の意味と違いがあるもの、映画やアニメなどに出てくる言葉などを、その言葉を一言であらわす説明をつけてわかりやすく説明している。

「マリア」はキリスト教というのは知っているが、これはラテン語で、スペイン語だと「マドンナ」、フランス語だと「ノートル・ダム」、グノーの「アヴェ・マリア」は「おめでとう、マリア」という意味だという。

「原理主義」は、「イスラム原理主義」を思い浮かべる人も多いと思うが、もともとはキリスト教から生まれた思想。「聖典には絶対に誤りがない」という考え方で、ダーウィンの進化論とキリスト教の創世記では食い違いが起きてしまう。これに一部のプロテスタントの人たちは反発しファンダメンタリズムが起こった。

キリスト教といえば、「十字架」の項で、ゴルゴダの丘で磔にされたキリストが「神よ、なぜ私をお見捨てになるのか」と叫んだイエスの贖罪について書かれているが、イエスは神の子であり、神・イエスキリスト・聖霊が三位一体であるならおかしな話だと常日頃思っていたが、そのあたりの説明はこの中には出てこない。

「洗礼」といえばキリスト教を思い浮かべる人が多いと思うが、洗礼の方法にもいくつかあり(私は浸礼しか知らなかった)、灌頂(かんじょう)という頭に水を注ぐ方法もあり、これはインド王族の即位式が起源ともいわれ、お墓詣りに行くとお墓の上から水をかけるがこれも同じ灌頂だという。

戒名は、人が亡くなった後つけるものと思っていたが、そもそもは仏の弟子になったときにつけるものだという。そして日本の戒名第一号は聖武天皇で「勝満」という戒名だったそう。え???天皇家って、神道じゃないの???

最近で言うと「ニューエイジ」についても書かれている。
宗教ってなかなか面白い。