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著者は、カリフォルニア州立大学ノースリッチ校教授・八木沢敬氏。

著者の主張「ときは、ながれない」について、あーでもないこーでもないと、哲学的理論が繰り広げられる。
著者は、「経験している、よって、じっさいに起きている」というのは脆弱であるという。例として、お酒に酔って部屋がグルグル回る経験をしても、実際に部屋はグルグル回ってなどいない、と。確かにその通りだ。
さらに、ときのながれについて①物体のうごきは、ときのながれを必要とする。②わたしたちは、物体のうごきを経験している。③わたしたちは、ときのながれを経験している　について①②が真だとしても③は真とは限らない、というのを、④カレーライスは、皿を必要とする。⑤たわたしちは、カレーライスを食べる。ゆえに⑥私たちは、皿を食べる。を例に出し、わたしたちは皿は食べない、よってこの結論は偽だと述べている。
ときのながれの前に、空間とは何か、ときの本質とは何か、ながれるとは何か、メロディとは何か、時間の量子化について、「いま」とはいつかなど、たくさんの説明がある。
ときがながれるかながれないかより、むしろものの考え方について書かれているように思う。
「過去」「現在」「未来」と時間に動きがあるのは間違いないわけでそれを「ながれている」というかどうかは別にして、哲学とはなんと不思議な学問だろうと思った。
しかし、ときのはじまりはいったいどこなんだろう???