みきらでぃんのブログ一覧

著者は川口俊和氏。

喫茶店フニクリフにクラには、過去に戻れるという都市伝説がある。
但しそれにはたくさんのルールも。

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない
3.過去に戻れる席には先客がいる　
　その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ　
　無理やりどかそうとすると呪われる
4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
　移動すると現実に戻ってしまう
5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、
　そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ
　さめてしまうまで飲み干せなかったら、幽霊になってしまう
６.一度過去に戻ったものは再び過去に戻ることはできない。
　つまりタイムトリップは一生に一回だけ。

それでも過去に戻りたいという人がお店を訪れて席が空くのを待つ。
それぞれの思いが切ない。
４話からなるけど、最初から順番に読まないと登場人物の背景が解らない。
そして、なんと過去だけでなく未来にも行ける。

帯にあるように４回は泣けないかもしれないけど１度は泣けます。

著者は東田直樹さん。
中学生の時に書いた、自閉症の僕が～の続編。
時間・行動・感情など8つの章に分かれていて7章まではＱ＆Ａ方式、8章だけエッセイ風になっている。
途中には詩やイラストも。
人との交流、人間愛について、自閉症として生きていくことの意味などとても高校生とは思えないほどしっかりした考え方を持っていて驚きます。
彼は現在20代半ばとなりましたが、高校生の時の自分をどう思うのか聞いてみたいです。