
■最大の拷問
って何かというと、長期間なにもさせないことが挙げられると思います。
いやマジで。
ここで言うなにもさせないは、お仕事的に何もさせないではなく、拘束・軟禁して行動を取らせないことですね。
ぶっちゃけお暇を頂いただけなら喜ばしい事ですらあると思うんですよ。
次の仕事を探すのも楽しいですし、新しいステージは億劫ですが心も躍ると思うのです。
或いは溜めてしまってた整備や、一人旅グルメ旅行だって楽しいじゃないですか。
最悪紙とペン、発信不能のスマホ(閲覧だけ可能)があれば色んなプラン立てするだけで時間は過ごせます。
でもね、本を読む以外は筋トレストレッチしかない、おまけに本にもトレーニング内容にも制限がつくって、究極レベルで辛いです。
なんせ、肉体以外はほぼなにも先に進まない、しかもそれが1週間以上続いて、如何に泣きを入れてもそれは罰の内でもあって、悪いのは間違いなく自分でしかないという状況は本当に本当に辛いです。
ならばせめて、自分の脳内インプットを書き出すだけでもさせてもらえないか、と言ったら自殺防止用にペン先に丸いカバーのついたボールペンとノートは貸与されますが、そこに書き出した内容は外に持ち出しできないのです。
あとは寝るだけ。そして睡眠が過ぎているのでもはや眠れない。
胃が捩れるストレスですよこれ。
正直もう少しで睡眠薬の差し入れ希望を出すところでした。
■しかしながら差し入れにはとても厳しい制限がある
そう、差し入れ。
基本は弁護士さんに接見希望しますと場内担当の方に伝えて、100人規模の被疑者を抱えてる忙しい先生が翌日以降に来てくれるので、接見室で家族にこれを差し入れして欲しいと伝えてくださいと要求を出すのが注文方法になります。
その後家族が警察署に来て、差し入れ渡しを希望して、品物を受け取るわけですが........品物の制限は非常に厳しいです。
お薬関係は持病があることを被疑者が事前証言して持病と薬剤が一致してないといけませんし、処方薬は当然摂取量を伝えて制限を超えて摂取しようとしてないかチェックが入ります。
他にも留置場は空調があるとは言え、基本風通しよく作られてるので、この季節から急激に寒くなります。
ですが暖かい着る物を差し入れしてもらっても、特殊塗料のついたトレーナーを隠してしまうような衣服は当然NG。
あとはチャックとか金属製ボタンのついたものは例えインナー系のものでもNGですし、デザイン書き文字に偽装して暗号を伝えられても困るので柄がついているものは即NGです。
結果、差し入れできるのは大体無地白色のインナートップスか、文字の入ってない柄物のパンツくらいです。
ちなみに私が差し入れしてもらったトランクスは金属製のボタンがついてたので、差し入れ引き渡しの際に「申し訳ないですけどボタン切って外しますね?」とされたそうです。
そして食べ物飲み物は容赦なくNGです。
個包装のお菓子とかでもそりゃね、注射器使えば毒仕込んで取り調べで余計なこと囀らないように毒殺とかできちゃいますからね。同じ方法で興奮剤とか入れられても留置場の人が困りますし、頑張って包装偽装したら金属製のもの仕込んで脱走支援とか。
まぁそもそも罰食らってる人間に贅沢させちゃダメでしょうね。
同様の理由でクッションなどもNGみたいです。
他に差し入れが許されるのは家族の写真や、手紙用の便箋、書籍(3冊まで)ぐらいのものです。
書籍に関してはホッチキス止め装丁の本は分解してパンチ穴開けて自殺に使えないぐらいの短さの紐装丁にされます。
表紙カバーのついている本はカバーは捨てられ、背面に「閲覧許可申請」と書かれたシールがベチャっと貼られます。
この本は釈放時にもって帰れますが、部屋にこのシールのついた本とか置きたく無いですよね?
そしてシールは結構強力な接着剤でつけられますので剥がしたらまず背面が破れます。
あとは現金ですね。
■現金!なんと留置場内ではお買い物ができる!
えぇ、できます。
週に一回だけ。
しかも当然と言えば当然、購入できるものにはまたまた内容制限と数量制限が付きます。
この制限も中々ギリギリのラインを攻めた贅沢絶対禁止ラインナップです。
【自弁購入ラインナップ】
パン類(あんぱん、マーガリンあんデニッシュかイチゴデニッシュ、うぐいすパン、サンドイッチから1個)
おかし(チップスター、ひとくちシリーズ、おせんべいから1個)
飲み物(カフェオレ、ブラックコーヒー、お茶、オレンジジュース、リンゴジュース、野菜ジュースから1個)
洗面用具(歯ブラシ、歯磨き粉3種類、それぞれ1個づつ)※初回自弁購入は自分用の歯磨き粉購入必須
手紙用便箋、封筒(1組まで)
下着類(1組まで)
自弁(通常の食事に2個まで追加のおかずができる権限)
書籍(3冊まで、成人向け不可、査読後に就寝前まで閲覧可)
これがある曜日に注文希望がとられ、書籍は内容吟味の上で購入・査読からの閲覧配布です。
当然内容が危険と判断されたら不許可の運びです。
牢の中で成人誌読む度胸どこで売ってますかね?
他の食品系は基本注文曜日から2日後に入荷され、朝食後から夕食後1時間までのタイミングで場内担当の人に声かけすれば任意のタイミングで食せます。
あ、ちなみに飲み物は自販機産の缶ジュースをプラコップに移したものを提供で500mlとか1Lタイプなんて選べませんからね。贅沢は許しまへん仕様です(自販機缶ジュースのが単価張ると思いますが)
私は歯ブラシ、歯磨き粉、書籍(三毛猫ホームズシリーズ)3冊、あんぱん、カフェオレを初週に注文し、翌週は保釈予定だったので何も注文しませんでした。
読み終わった書籍は寄贈しますと言ったのですが、処理が結構めんどくさいらしく無言で返却時の袋の中に収められてました。
また食品系は賞味期限が来ると当日に警告が言い渡され、もしその日のうちに消費しないと廃棄処分になるのだとか。
なんのかんので絶対病気にはさせないという熱意が入ってます。
さて、そこそこ続いたこのシリーズもついに次回で終了ですかね。
保釈、就職活動編に続きます。