8月中旬、5シリーズが故障しました。
当日は突如バッテリー不足の警告表示が出ていました。
それでも普通に動いていたためそのまま走らせていたのですが、
高速で走行中に突然i-Driveのモニターとメーターの表示が消えました。
それと同時に加速が出来なくなりました。
例えて言うならばニュートラルに入っているような感覚です。
一回路肩に止めて再始動を試みました。
後続車が次々に通過していく中、追突されないかヒヤヒヤしていました。
幸いにもエンジンが掛かり、ギアがドライブに入ったため、走ることができました。
しかし、同じトラブルになる可能性あるため、インターを降りることにしました。
案の定、料金所の直前で再び同じ症状が発生。
そのままインターを降り、すぐさま近くにあったコンビニへ駆け込みましたが、その時既にバックも出来なくなってしまいました。更には停車中にエンジンの振動も大きくなり始めました。
同時にこのような警告がメーターパネルに表示されました。
お休み中ではありましたが、ディーラーの担当者に電話で相談。
結果、自走困難と判断し、保険会社に連絡しレッカーを依頼しました。
ここからが大変でした。帰宅するまでまだ550km程の距離があります。
保険会社からは公共交通機関の利用を勧められましたが、
荷物は持ち運べないほどの量があり、駅までは遠く、大雨が降っている最悪の状態だったため、
レンタカーの手配を依頼。どのレンタカー業者も対応できないと回答されましたが、粘り強く交渉を行い、トラブル発生から5時間後にようやくレンタカーがやってまいりました。
車種はトヨタ・ヤリス。1000ccの最廉価グレードでしたが、到着した時に神が舞い降りたような有難い存在に感じたのは言うまでもありません。
到着後すぐに荷物をヤリスに載せ替え始めたのですが、その時に気付いたのは思いのほか荷物が載せられるということです。外観はデザイン重視に見えるためトランクだけでは収まりきらず後部座席まで荷物を大量に放り込まないと厳しいかと想像していましたが、トランクは奥行きも深さも十分で大半の荷物が収まったことには驚かされました。
ヤリスが到着してから約30分後、レッカー車が死に体のクルマを引き上げに来ました。
何やら保険会社が誤った住所を業者に伝えたらしく、到着が遅れたようです。この間に天候は更に悪化し、雨脚が更にきつくなっていました。
おのれ三井住友海上...
出発が大幅に遅れたため、休憩も控えてひたすら東に向かいます。
土砂降りの高速道路をヤリスで走行中、幾度も無くハイドロプレーニング現象に襲われ、生きた心地がしなかったです。
既に中国道は一部通行止めになっていたため、山陽道を使っていましたが、途中のSAで警察高速隊が現われ、通行止めが発表されたので降りるよう指示を受けました。規制区間は岩国IC~福山西ICまでの約140km。
何とか規制時間ギリギリに岩国まで辿り着き、そこから長丁場の一般道走行が始まることなるのですが、その道中であることに気付きます。
1000ccのヤリスは高速道路を走行していると加速が悪く、雨音が車内に響き渡り、水たまりを通過すると車体がフラフラしてハラハラさせられるアトラクションのようなクルマという印象でした。ところが一般道を走っているとドライビングポジションは適切に設定でき、コーナーではロール感も少なめに安定して曲がっていき、エンジントルクも十分で、シートも疲れにくい。
高速を多用しない使い方であればこれで十分と思える内容で、少なくとも足回りがフワフワで出来損ないのシートを使っていた先代のヴィッツとは別物と呼べるまでに進化しています。
更には最廉価グレードでありながらディスプレイオーディオとカーナビまで備わっているのです。
ディスプレイオーディオは機器の認証に時間が掛かるものの、
一度行えればエンジンを再始動してもすぐに接続できる優れものです。
ただオーディオの音質は籠ったカセットテープのようで、令和に登場した『おちこぼれフルーツタルト』の楽曲をBluetoothで再生すると、まるで元号が2つ前の時代に発表されたように錯覚させられます。
カーナビはトヨタらしく高速ではインターやSAを右側に表示させることができ、便利です。
内装に使われている素材は決して上質とは言い難いですが、配置は見やすく分かりやすいです。
その他の操作系も単純明快な作りで、エアコンは温度操作と風量をダイヤルで調整するマニュアルタイプ。風量の調整はもう少し強弱の幅が選べればベストですが、使いやすさの点でメルセデス・Sクラス、テスラ・モデル3を圧倒しています。メーターも一般的な二眼メーターが採用されており、視認性は良好です。
室内空間については車体の大きさなりで決して広くはないものの、狭過ぎて耐えられないという程でもないです。
ただし助手席については、後ろに乗員がいる際はスペースが少ないため前にシートをスライドさせる必要がありますが、そうすると着座位置が高くやや屈んだような姿勢となるため違和感があります。とはいえ3人以上で長距離を走るなら一般的にはヤリスよりも大きな車両を選ぶはずですからこの点を気にする方は少ないはずでしょう。
100kmを優に超える一般道の道のりは幸いにもバイパスが道中に多く整備されており、想定より1時間ほど早く切り抜けました。
再び福山西ICで高速に乗るとそこから次第に天候も上向きになり、それ以降は道路も空いていたことからスムーズに帰宅できました。
レッカーで運ばれた5シリーズはディーラーのサービスセンターで検査を受け、結果オルタネーターとイグニッションコイルの故障が原因と判明しました。
製造から10年経つことから、部品の寿命が来たのだと思われます。
部品の交換に約26万円が掛かることから中古の現行5シリーズかメルセデス・Cクラスへの代替も検討しましたが、今回は修理して乗り続けることとしました。
この経験からお伝えしたいのは、最後の自然吸気の直列6気筒が搭載されたF10やF11を検討される場合、どの個体でもこのような故障や不具合による費用は掛かると見込んでおいた方が良いということです。
見た目こそ新鮮に見えますが、最初期型は登場から11年が経過しており、確実に古くなっているため、実際に購入する際は中古価格から+100万~200万程度の予算を見込んでおいた方が無難かと思います。
状態が整っていれば強い風雨の状況下でも安心して走行できる走行性能の高さと新幹線にも負けない快適性の高さ、そして高回転域まで淀みなく回るシルキーシックスの心地良さを味わうことができるため、現代においても魅力的な1台です。
Posted at 2021/10/10 12:55:40 | |
BMW | クルマ