圧巻の迫力と力強さでお馴染みのキャラバンは、プロが求める要望をきちんと果たした
真正面から見ても、横から見ても、後ろから見ても堂々とした姿を保っているキャラバンは、普通の乗用車ではなく商用車の役割も果たし、立派な4/5ドアキャブオーバーを務めていた。さらに名前は海外だとキャラバンではなく、アーバンになり、肝心の製造は日本だけではなく、フィリピン、マレーシア、南アフリカ共和国の工場にも任せられた。
初代E20型から車体が長く、乗車定員は9人から15人まで対応できた

1973年に誕生したキャラバンは、今の姿とは格段に異なっていた。まずはホイールベースが長く、全体的に見るとマイクロバスのような形になっていて、乗車定員は最大で15人まで対応でき、エンジンは1,500ccのJ15型と1,600ccのJ16型が用意され、駆動方式は後輪駆動・FRだった。1976年には日産・プリンス店で販売する姉妹車・ホーミーが発売され、排出ガス規制や騒音規制にも適合できた。なお初代の発売期間は、1973年から1980年までの間だった。
2代目E23型になると、改良すべき所を積極的に改良して進展した

初代であれだけの大成功を収めたキャラバンは、1980年に2代目へと突入してロング後期型バンへと進化を遂げた。搭載エンジンは直列4気筒SOHC・Z20型ガソリンエンジンだけではなく、直列4気筒OHV・SD22型ディーゼルエンジンも加わり、バンタイプは前列中央席の座面を跳ね上げると運転席から直接ラゲッジスペースへと移動できる構造が採用された。装備はさらに充実して、車全体はRV化が進んでいった。それでも所々を変えるマイナーチェンジを怠らず、1985年まで販売を継続できたとCOBBY。
トヨタのハイエースと日産のキャラバンを比較してみた!
3代目E24型は、消防や警察で使う車両の礎にもなって、乗用専用モデルも登場した

キャラバンの発展は留まることを知らず、とうとう1986年に3代目となった。今度は「ROYAL1BOX CARAVAN」のキャッチフレーズで販売され、搭載エンジンはZ20型ガソリン、及びLD20T・II型のディーゼルターボ、TD23型ディーゼルエンジン、Z20型ガソリンエンジンが使われることになった。さらに3代目は、一般に向けた乗用専用モデルを始め、消防署や警察署で役立つ専用車両の役割を果たした。
4代目E25型はマイクロバスや幼稚園バスの役割も果たし、磨き上げたエンジンも加わった

ついに4代目へと到達したキャラバンは、初代や2代目とは大違いのワンボックスカーのような形状になり、最大で12人乗れるマイクロバスも登場した。もちろんエンジンも変わり、直列4気筒DOHCのKA24DE型、KA20DE型、およびZD30DD型直噴ディーゼルの3機種が揃った。2001年になるとトラックでお馴染みのいすゞ自動車へOEM供給を果たし、同じ形状を留めたいすゞ・コモの販売も果たした。そして今度は、サッカーチームのユニフォームの色・ジャパンブルーを纏ったJapan national teamをたった50台限定で発売し、KA24DE型エンジンを搭載した10人乗りコーチを手掛け、幼稚園の通園バスに使える専用車、ZD30DDTi型直噴ディーゼルターボエンジン搭載車を設定するなど、色んな展開を広めた。
現代でも実力を発揮する5代目は、名前がNV350キャラバンに変わり次世代ビジネスバンを務めた

2012年に、キャラバンは真骨頂を極められるような5代目に突入し、名前もNV350キャラバンに変わった。フルモデルチェンジが11年ぶりとなるので、乗れる人数は最大で16人に達し、エンジンも今までより力強い3種類の直列4気筒が用意された。目指した趣旨は「小型商用車のトップブランド」と「クラス全体のシェア40%」で、ライバル車のトヨタ・ハイエースに太刀打ちできるよう徹底的に設計した。さらにマイクロバスモデルは最大16人乗車が可能で、タイにも行き届き、ディーゼル車はクリーンディーゼル・テクノロジーを採用した改良型のYD25DDTi型エンジンを搭載して燃費基準を達成し、バンとワゴンはインテリジェントキーとプッシュエンジンスターターを標準装備して使い勝手の良さを発揮した。それでも改良は留まることなくどんどん続けられ、2018年にはスーパーロング車をベースとした高規格準拠救急車・パラメディックも登場した。
エクステリア、インテリア、ボディカラーの色がひとまとめになって、高い賞を受け取った
これまで紹介してきた日産・キャラバンは、人の役に立てるよういくつもの研鑽を惜しまず積み重ねてきた。その努力はたくさんの人に認められ、乗用車、商用車、マイクロバス、幼稚園バス、警察用車両、消防署用車両に受け継がれてきたが、2012年にタイガーアイブラウンのエクステリア、ブラックとグレーを融合させたインテリアが高く評価され、日本流行色協会・JAFCAが主催するオートカラーアウォード2013企画部門賞を受賞した。
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日産 | 日記
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2019/07/26 14:06:20