
フォレスターAdvanceを1カ月超乗ってみて、e-BOXERのSモードの使い処がだんだん分かってきました。
Sモードとは?と聞かれたときの一般的な回答としては「エンジン回転数が上がって、パワーバンドを維持したスポーツ走行が可能」「ワインディングとかの、それ系の走行時に使う」となりますが、e-BOXERにおいては、これはどうやら60点の回答のようです。
残りの40点は「モーターアシストを最大化する」「街乗りでも積極的に支える」というポイントです。
Sモードにすると、MFDがモータ出力を表示する専用画面となり、モーターの小気味よい加速を味わえる。ただしエンジンも頑張るので、常用すると(楽しいですが)燃費も悪く、いずれバッテリー切れになるので、一時的(<5秒)にトルクが欲しいときにパッと使うのがポイントです。ステアリングスイッチという一等地にS/I切り換えのボタンがある意味を考えてみてもリーズナブルな使い方ではないかと。
街乗りでSモードを積極的に使ってモーターの+13.6ps、6.6kgf・m を体感できる(できた)シーンとして例えば以下を挙げておきます。
・発進
これはもう、Iモードとは明らかに違います。1.6t超えの車重を感じさせない加速をします。街中60km/hまでなら時間も短いのでモーターの息切れもなし。
・上り坂
平坦路(=アクセル開度が低い)でIモードからSモードに切り替えると、エンジン回転数が上がっていかにもスポーツモードになりますが、登りで既にある程度踏んでいる状態で、おもむろにSモードに切り替えると、面白いことに、エンジン回転数はほとんど変わらず(寧ろ下がることもある模様)、急にググっと、ナ○トライダーのターボブーストとでもいうべきトルクが追加されて加速していきます。
→こんなイメージ
上り坂をダラダラ登ると燃費が悪いので、Sモードブーストを使って素早く巡航速度まで加速し、後は緩めのアクセルで惰性で登るのが燃費にもいい。ただし、長い上りではバッテリーが持ちませんので、短い坂限定です。
・中間加速
前車が右左折して前が空いたときや、追い越し車線に出た時など、普通のエンジン車であれば所謂キックダウンするであろうシチュエーションで、Sモードを押すと、アクセルをちょっと踏み足すだけで、いい感じに加速できます。
SUBARU自ら、e-BOXERが燃費向けのハイブリッドとは敢えて言っておらず、このような(スポーツモード時のモーターアシスト)運転の愉しさ方向に振ったというのが体感できます。あと悪路走行時の走破性にも役立ってるらしいですが、これは効果を感じるシチュエーションは限定的でしょう。
したがってSモードを使わない試乗記・インプレ記事は、殆ど、e-BOXERを評価したことになってないと言っても過言ではない。まして「モーターの存在を感じないマイルドハイブリッド」だの「燃費ガー」という表現をしたとしたら、完全なミスリードと言えるでしょう。
ところで、いちいちSモードを押さなくても、アクセル多めに踏んだ時は、勝手にそういう風(モータアシストの最大化)にしてくれたらいいのに、とも思うのですが、敢えてそうしないのは「車を操る愉しさ」の要素の一つとして、これを位置づけた結果かもしれません。
最後に興味深い記事を見つけたので貼っておきます。
フォレスターe-BOXERの加速性能評価と280馬力ターボモデルXT廃止の理由
このページに書いてあることは、体感と一致します。ただし、ターボと違うのは、それ(フラットトルク)が時間制限付きである、という点ですね。「日常での扱いやすさを重要視した」という点は全く同感です。日常で使うのがe-boxerのSモードですので、スイッチが擦り切れるくらい押しまくりましょう!!
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フォレスター | 日記
Posted at
2019/10/28 01:21:08