【頑固一徹・清水和夫×ＳＴＩ監督・辰己英治のニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦その49】

■ピットに戻ってきた服部。どことなく満足のいかない表情を浮かべている。そこで服部に聞いてみる。

僕「クルマの調子は？」
服部「問題ない」
僕「じゃあドライバーの調子は？」
服部「う～ん、納得いかなかった」
僕「どうしてですか？」
服部「なんかね、今回のスティントはライオンの群れの中に放り込まれた感じ」
僕「それはどういうことですか？」
服部「後ろから速いクルマがガンガンくるのは仕方ないけど、夜になって路面のアンジュレーションとかが見えなくなるし、どうしても守りに入りすぎてしまう」
ーつまり、とても厳しい環境に放り込まれて打ちのめされた、ということだろうか？
僕「つまり、自分的に納得できるドライビングができなかったということですか？」
服部「ちょっと凹んでます」

服部ほどのベテラン・ドライバーであっても悔いる瞬間がある。それがニュル24時間レースの恐ろしさなのだろう。