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■18日に無事に帰国してから、何ができるかを考えていた。既にご存知のようにLOVECARS!では13日から義援金の受付をはじめていて、帰国するまでに200人近い方からの義援金を受け付けていた。ならば次は何だろう？　と。

■同時に個人的なことに関しても、いろいろ考えさせられた。そうして３連休はアッという間に終わってしまった。なんかほとんど何もしてなかった気がする。

■そして３連休の最後の夜に、さらにいろいろなことがあって人生は複雑だなぁと思った。良いことも悪いこともあって、元気をなくしたかと思えば一瞬で立ち直ったと思ったその後に再び悲しみにくれて…と、でもまぁ、多分これも40過ぎてるからこそのことだろうね。単純なことなんてなかなかない。いや、実は単純なんだけどね、自分はなかなかそう思えない、というか。

■それはさておき、3/11から既に10日が経過しているのだけれども、いろんなことを含めて世の中のマインドは確実に変わりつつある。それは自分の部屋の電気をこまめに消すところから始まって、今回の震災によって生まれた様々な考え、もちろん自動車に対する意識も含めて…。

■僕がいま実感しているのは、結構待ったナシの変化が必要なのではないか？　ということ。これまでは「変わらなきゃ」という意識だったものが今回のことで、その段階を過ぎてあらゆるものに対して即座の変化が求められているようにも感じるのです。

■自分のつまらない癖に始まって、ライフスタイルも、自動車との付き合いも、社会との付き合いも、仕事も…なんて書くととっても大層なことに思えるのだけど、実は皆さんにも同じように、変化の足音が聞こえていませんか？

■たぶん、そういうことなのだろうと僕は思うのです。

■そのために、あきらめなければならないこともあるのかもしれない。考えを改めなければならないこともあるのかもしれない。そして自分を支えてきた確固たるものを、あっさりと捨てる必要があるのかもしれない…本当にそこまで必要か？　とも思いますが、僕は今日、そういうことが必要なのではないかと、ふと思ったのです。

■もちろん感じ方は人それぞれだから、あくまでも僕はそう思う、ということだし、だからといって僕が明日からすっかり変わって…というわけでもないのですが、僕にはどこからか変化の足音が聞こえる気がするのです。だから、すっかりとまでは行かずとも明日から少しでも変えなきゃと。

■もっともそんなことを言ってる僕ですが、実はもう海外にいく前から常にジーンと来ていて、いろんな側面でジーンとしまくりで、この３日間も特にジーンとしてて、今日なんてもうほんとボロボロで正直涙が出てます。大げさだけど身体も心も重い。

■でも、変えなきゃ、と思わないと変わらないことは既に40年生きてきていろんなシーンに遭遇していて、何となく分かってるつもりです。ならば思ったらすぐにやらないとダメなんじゃないかな、と。

■足音が聞こえる。聞こえないふりをして留まる時間はもう、過ぎたのだと思います。

■だから、嬉しいことも悲しいこともいろいろあるけれど

■とにかく前に進む、のです。

■また不謹慎、と言われてしまうかもしれないけれど僕は18日に帰国した時に、心から帰る場所があって良かったと思った。いや、日本から離れる時は大げさかもしれないけれどそう思っていた。

■そして同時に、帰る場所があるからには、やらなければならないことがあるのだ、とも思いました。自分にできることって何だろう？　と改めて考え始めたのもこの日。

■ただ、この日はとても大切な友達と夕食を共にできて本当に救われた。

■帰ってくる場所があって、あるからこそやることがあって、近しい人がいて…と考えると、故郷というのは本当に大切な場所だなと思った。いや、場所というよりも大切なものが存在する次元、とでもいうような。それがわが故郷なのだと思った。

■朝早くホテルから出発することになりました。急遽帰りの経路が変更になったためです。

■早朝なのに、昨晩のディナーで話したSLKのエンジニアがわざわざ我々を見送りにきてくれました。英語で丁寧な挨拶をしてくれました。我々が日本から来たことに対しての感謝を言うために、わざわざ。

■この旅では、ことあるごとに全く見ず知らずの人に心配してもらって言葉をかけてもらいました。ありがたかったし、ジーンとしました。

■でも、一番ジーンとしたのは前の晩のディナーで大先輩のジャーナリスト・日下部保雄さん（実は僕、駆け出しの頃随分お世話になった方です）がメルセデスベンツのエンジニアに「我々もここに来てクルマに乗ってみて、来て本当に良かったと思いました」と言ったことです。普段でもなかなか言える言葉ではないのに、こんな時にそんな言葉をいえる日下部さんを僕は尊敬しました。

■そして僕らは長い長い帰路についたのでした。

■フェイスリフトしたCクラスの完熟度に感心した翌日は新型になったSLKを走らせました。そしてこちらも「やっぱりメルセデス」と言える仕上がりの良さを見せてくれたのでした。

■試乗中も常に、たくさんの気がかりが頭から離れていきませんでした。もちろん、こんな時に試乗している場合か、とも思いました。でもそれが僕らの仕事なのだと胸を張って僕はしっかり走らせました。

■新型SLKはそうした様々な気がかりを含んだ僕の気持ちをも全て受け止めてくれて、あくまでもメルセデス・ベンツらしい乗り味走り味で心を落ち着かせてくれたのです。

■メルセデス・ベンツの価値とは何か？　そう考えた時のひとつの答えが、そこに歴然とあることを改めて感じたのでした。良いクルマには、凄い力がある。そう思ったのでした。

■成田からパリを経由し、ミラノのマルペンサ空港そばのホテルに泊まり、次の日の朝にカナリア諸島についた。今回はここでフェイスリフトしたCクラスと新型SLKに試乗したのだ。その話を簡単に記す前に、僕は今回の試乗会を決行したメルセデスベンツ日本に心から敬意を表します。判断にはかなりの熟考があったことは容易に推測できますが、結果的に決行していただいて良かったし自分も来て良かったと思いました。

■試乗会場の場所がカナリア諸島というリゾートだったわけですが、僕は返って良かったと思っています。不謹慎な、という意見もあるかもしれませんが、僕はむしろこのくらい隔世の感がある場所で良かったように思ったのです。もし通常の都市だったら…気が気でなかったはず。もちろんカナリア諸島でも休憩の度に皆携帯で日本の情報がどうなっているのかを逐一チェックしていたわけですが…

■それはさておき、Cクラスはかなり良かったです。メルセデス・ベンツはいつもそうなのだけれども、乗るとこれ以上進化の余地があるのか？　と感じるほど良いのに必ず進化するのです。僕はそんなメルセデス・ベンツのようになりたい、とさえ思うほど。詳しくはレポートを！